| ゲンバラは今、内紛によって揺れ動いている |
さて、内部分裂が続いているゲンバラ。
つい最近、ゲンバラ創始者であるウーベ・ゲンバラ氏の実子、マーク・フィリップ・ゲンバラ氏が「独自設計のハイパーカー」計画を発表しましたが、これについてゲンバラ社が訴訟をおこすという事態が発生することに。
ゲンバラは1981年にウーベ・ゲンバラ氏によって設立されており、ポルシェのチューニングビジネスによって成功を収めるものの、その後業績が低迷し、資金繰りに窮することになりますが、その際のトラブルにてウーベ・ゲンバラ氏が殺害されるというショッキングな事件が起きています。
その後ゲンバラは経営者を変えて再出発を図っており、しかしこの「ゲンバラ」と、先日ハイパーカー計画を発表した「”マーク・フィリップ”ゲンバラ」とは全く別の組織であるようで、もともとのゲンバラのほうが、マーク・フィリップ・ゲンバラに対し、「ゲンバラの名を騙り、正当な後継者であるかのように見せかけている」というのがゲンバラの主張。
なお、ゲンバラは再出発に際して「身内」で固めたという報道を見たことがありますが、それが事実であれば、今回の騒動は「内輪もめ」ということになりそうですね。
それはともかくとして、今回もともとの「ゲンバラ」が発表したのが、911をベースにしたオフロードカスタム、「AVALANCHE(アヴァランチ)4×4」。
奇しくもマーク・フィリップ・ゲンバラの「オフロードハイパーカー」というコンセプトと被っていて、これを見ても、もともと「ひとつのコンセプトが」ゲンバラではアヴァランチ4×4、マーク・フィリップ・ゲンバラのほうでは「オフロードハイパーカー」として分裂したのかもしれません。
ゲンバラは今後、積極的にニューモデルをリリース
そしてゲンバラの新CEO、シュテファン・コーバッハ氏によると「我々の得意とする、高いクオリティに基づいたいくつかのニューモデルを今後24ヶ月にわたり発売してゆく」とのことで、今回のアヴァランチ4×4もそのひとつ。
ゲンバラには3つのセクションがあるとされますが、ひとつは「ハイパーカー部門」で、ここからは(マーク・フィリップ・ゲンバラとは別に)新たなるハイパーカーが発売される見込み。
そしてもうひとつは「ラグジュアリー・カスタム部門」となり、ここはその名の通りカスタムカーを製作。
最後のひとつは「クラシック部門」で、こちらは過去にリリースしたゲンバラのクルマをメンテナンス/レストアする部署のようですね。
これがゲンバラが独自に開発しているスーパーカーだ!その加速はブガッティ・シロン、フェラーリSF90ストラダーレと同等の「世界最速」クラス
さらにゲンバラは「アヴァランチ4.2RS」を発表するともコメントしていますが、この「アヴァランチ」はゲンバラが1985年にリリースした911の過激コンプリートカー。
今回そのアヴァランチについて、991ベース、そして992ベースを追加することになるようです。
加えて、すでに発表済みのGTR 8XX Evo-Rについてもアップデートを施すとしており、こちらは828馬力、0-100km/h加速2.3秒というとんでもないパフォーマンスを誇るチューンドカー。
これがさらに速くなるということですが、一説では1000馬力に達するとも。
創始者の息子を訴えるという不穏な状況となっているゲンバラではあるものの、この問題を片付け、両者とも前に向かって進めるようになるといいですね。
ゲンバラが0-100km/h加速2.38秒の「911GTR 8XX Evo-R」発表!前後リベット留めのオーバーフェンダーを持ち「993GT2」風のルックス
なお、「911のオフローダー」については、つい最近ルーフも「ロデオ・コンセプト」を発表しており、ポルシェ以外のサードパーティーでは微妙に盛り上がっている模様。
ポルシェ自身も「911サファリ」など、オフロード仕様の911については何度か計画したことがあるとも報じられていますが、いずれも実現に至らず。
そういった状況に業を煮やしたのか、ゲンバラはじめいくつかのチューナーが動いた、ということになりそうです。