| 現在の状況を鑑みるに、計画はキャンセルされたと考えるのが妥当かも |
正直どうなるのかまったくわからない次期BMW i8。
当初BMWは「i8はすでにBMWのエレクトリックに対する姿勢を世に示すことができ、その役割は十分果たすことができたため、その後継モデルはない」とコメント。
ただしその後に「BMW(M部門)はスーパーカーを作ろうと考えており、その新型スーパーカーと次期i8とがプラットフォームを共有することになる」という報道が登場しています。
さらにその後になると、「新型スーパーカーと次期BMW i8とが統合される」という話が出ることになり、実際に「BMW ヴィジョンMネクスト・コンセプト」が発表され、さらにこれが「実際に発売される」という話が出ています。
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最新のウワサはこうなっている
そして直近の噂もまた右往左往していて、まずCar & Driverが報じたのは「次期BMW i8は開発中」。
以前の話と同様にヴィジョンMネクスト・コンセプトとの統合モデルだとされ、i8同様に環境にやさしいハイブリッドパワートレーンを積むとされますが、i8と異なるのは「パフォーマンス志向である」ということ。
なお、i8が発売された時には「Mモデル」が期待されたものの、BMWは当時「iブランドとMブランドとは相入れない」とコメントしています。
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その意図は「iブランドは環境フレンドリーで、Mブランドはパフォーマンス重視だから」。
つまりはエコを追求すればパフォーマンスに劣り、パフォーマンスを重視すれば環境性能が犠牲になるということで、両者が二律背反の関係にあるということになりますね。
たしかに当時「エレクトリックシステム」は環境性能を向上させるために使用されるに止まる技術ではあったものの、現代ではフェラーリSF90ストラダーレのようにパフォーマンスを向上させるために用いることができるレベルに達していて、今回のBMWの「方向転換」については、テクノロジーの進歩が関係しているとも言えそうです。
そして同メディアによると、i8に搭載された3気筒ターボエンジンは4気筒ターボへと置き換えられ、エレクトリックモーターはエンジンとトランスミッションとの間にひとつ、さらにフロントにひとつもしくは二つを持ち、608馬力を発生する、とのこと。
もちろんi8が設計された時代からはバッテリー性能が大きく向上しているため、エレクトリックモーターのみでの走行距離は約100キロ(i8は29キロ)に達するとも言われています。
プラットフォームはi8のカーボンモノコックを改良したものを採用して登場は2023年、そしてライバルはホンダNSXそしてポルシェ911になり、価格は1800万円くらいだという予想もなされているようですね。
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一方で計画はキャンセルというウワサも
そしてもう一つがこの新型スーパーカー、そしてi8後継、もしくはその合体版の計画はキャンセルされた、というもの。
これはBMW Blogが報じたもので、BMWは「状況を考慮し」、確実に売れるマーケットにて、量を売ることができるクルマのみにフォーカスするため、その市場規模が見えず、販売を”約束されていない”ハイブリッドスーパーカー計画を中止したという内容。
ハイブリッドスーパースポーツは、その技術力を示し、ブランドイメージを高めるには非常に有用だと考えられるものの、開発コストが非常に高く、「モトを取りにくい」モデルでもあります。
それがわかっていてBMWが計画を(おそらく)進めていたのは、単純な利益に換算できない「広告効果」「ブランドイメージ向上」を狙ってのことだったのだと思われ、しかし現在ではもうそんなことを行っている状況ではなくなり、「少しでもお金を確実に稼ぐことができる」方向にシフトしたのだと考えることもできそうですね。