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元ランボルギーニのデザイナーが考えたハマーH1/ハンヴィー。交換式モジュールを備え、戦場では活躍しそうだ

2020/06/28

| ハマーH1とハマーH2/H3は根本から異なるクルマ |

Humvee-H1

ランボルギーニそしてヒュンダイ(ジェネシス)での業務経験を持つデザイナー、サミール・サディコフ氏の考えた、「新型ハンヴィー(ハマーH1のベース)」のレンダリングが公開に。※ランボルギーニから、ほかデザイナーとともにヒュンダイに引き抜かれたのだと思われる

ハマーにはH1、H2、H3とが存在していますが、このうちハマーH1は軍用車であるハンヴィーにルーツを持ち、製造はAMゼネラル。

そしてH2とH3はGMが「ハマー(HAMMER)」の名称使用権を購入して製造した、民生用のSUVをベースとしたクルマです。

ハマーH1について補足しておくと、ベースは上述の通りHMMWV=「High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle(高機動多用途装輪車/ハンヴィー)」で純粋な軍用車両となり、これをアーノルド・シュワルツェネッガーの要望で「公道走行可能な仕様に」変更したのが「ハマーH1」。

これが話題となってGMが権利を買い取り商業化に乗り出したワケですが、H2のベースはシボレー・タホ、H3のベースはシボレー・コロラドなので、H1とH2/H3との間にはメカニズム的な関連性はゼロ。

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ハンヴィーはジープの後継

よって今回のレンダリングについても、H2やH3という民生用のSUVではなく、純粋な「軍用としてのハンヴィー(もしくはハマーH1)」として考案されているということがミソですが、サミール・サディコフ氏はオリジナルのハンヴィーが持つデザインを可能な限り生かしているようですね。

まず、こちらはオリジナルのハンヴィー。

ちなみにハンヴィーのフロントグリルが「7スロット」を持つことにも説明が必要で、まずAMゼネラルは(1982年まで)アメリカン・モーターズ(AMC)の商用/軍用車部門であり、このアメリカン・モーターズは過去(1970年に)ジープを製造していたカイザー・ジープ(カイザー・ウィリス)社を買収していて、そのジープに採用されていたのが7スロットだったから(9本スリット=スロットもある)。

もう一つ参考までに、ハンヴィーはジープ後継として企画されているので、そのジープの特徴であった「丸目と7スロット」を引き継いだのは当然の成り行きだとも言えます。

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さらに話がややこしくしているのが「1987年にアメリカン・モーターズがクライスラー(現FCA)に買収された」こと。

1982年にはAMゼネラルがアメリカン・モーターズから独立していたので、AMゼネラルはクライスラーに買収されずにすんだものの、「ジープ」ブランドはアメリカン・モーターズと一緒にクライスラーに買収されてしまい、同じ「7スロット+丸目」ながらも、ジープはFCAに、ハマーはGMにと”生き別れてしまった”ということになりますね(そのため、この丸目+7スロットは、FCAとGMという、異なる二社間で使用され続けることになった)。

未来のハンヴィーはこうなる

そしてこちらがサミール・サディコフ氏の考えた「未来のハンヴィー」。

Humvee-H1-4

先代ハンヴィーのイメージを色濃く残していますが、LEDっぽいヘッドライトやサイドカメラなど現代風。

車体後半はハンヴィー同様、ミッションにあわせて入れ替えることができ、ハードトップやピックアップ、スラントバックへと変更可能。

片側には装備を収めるトランク、もう片側にはジェリ缶を積んでいるようですね。

Humvee-H1-12

そして走破性を高めるため、最低地上高はかなり高く取られています。

Humvee-H1-3

こちらはピックアップバージョン。

Humvee-H1-15

ファストバック版はこちら。

Hummer-H1-2025-45

ハンヴィーは軍用車ではあるものの、グロス仕上げのイエローやレッドといったカラーがよく似合う、不思議なクルマでもありますね。

Hummer-H1-2025-44

シャシーはこんな感じ(これもまたジェリ缶っぽい)。

パワーユニットについては言及されていないものの、見た感じだと「エレクトリック」。

Humvee-H1-18

足回りを外すとこう(なんとなくユーモラス)。

なお、軍隊では迅速性が求められるため、何かが壊れた際にも「修理」ではなく「交換」することで対応するケースが多いとされ、そしてこの「新型ハンヴィー」は交換可能なユニットで組み立てられているようにも。

そういった現場での実用性までが考えられているのかどうかはわかりませんが、実際のところ「かなり有用なクルマ」として戦場にて活躍するのかもしれませんね。

Humvee-H1-19

VIA: Samir Sadikhov 

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