| 近年のフォードGT40人気は凄まじい |
フォードが”フェラーリを打ち負かすため”にGT40を開発し、見事にその目的を果たした様子は映画「フォードVSフェラーリ」にて描かれていますが、今回はそのフォードGT40の珍しい「オープンモデル(ロードスター)」がオークションに登場する、というニュース。
これは7月10日から18日にかけて開催されるメカム・オークションに出展されるもので、落札価格が10億円に達する(もしくは超える)のではという予想もあるようですね。
現存するフォードGT40ロードスターはわずか二台
なお、このフォードGT40ロードスターは当時5台のみが試作車として英国のフォード・アドバンスト・ビークルによって製造され(クーペは7台が製造されている)、現存するGT40ロードスターはわずか2台のみ(残りはクラッシュによって廃車になったり、ルーフが追加されてクーペ化されている)。
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そのうちの1台はオリジナルコンディションのまま保存されていて、残る一台は今回オークションに出品される個体となりますが、これは「唯一ル・マンを実際に走ったGT40ロードスター」なのだそう。
ル・マンではモーリス・トランティグナン/ギ・リジェ組によってドライブされ、その後もいくつかのレースに参加し、レストアを受けたのちにフォードとキャロル・シェルビーによって買い取られ、1968年にはディーン・ジェフリー氏の手にわたっています。
そして2013年にはディーン・ジェフリー氏の息子であるダナ・メカム氏が購入することになりますが、その後に彼はル・マン出場時のスペックと外観へとレストアし、2016年の完成後にはペブルビーチ・コンクール・デレガンスへと出品しています(2位を獲得)。
なお、一般に「フォードGT40」と呼ばれるものの正式名称は「フォードGT」で、「40」はその車高が40インチだったたため(約1メートル)記者がそう呼び始めたのが定着したといいます。
GT40ロードスターのスペックは不明ではあるものの、GT40クーペだと搭載されるエンジンは7リッターV8、出力は458馬力、全長4293ミリ/全幅は1778ミリ、車体重量はわずか908kg。
見た感じだと完璧にレストアされており、まるで新車コンディション。
よくここまでレストアしたなという感じですね。
ホイールおよびホイールスピナーも新車同様。
映画「フォードVSフェラーリ」を見ていると、ハンマーでガンガンスピナーを叩いていて驚きましたが、どうやら「ハンマーでぶっ叩く」のが本当に正しい使用方法であるようです(全然知らなかったが、よくよく考えるとそれしか方法はない)。
コクピットには消化器。
映画を見ていると、消化器は非常に重要だということもわかり、文字通りの「必須」装備でもありますね。
カーナンバーは「15」。
おそらくル・マンに出場した際のゼッケンだと思われますが、現存する「もう一台の」フォードGT40ロードスターにはこのナンバーがなく、そしてストライプ両脇の細いラインがブルーであるなど、ちょっとづつの相違があるようですね。
メカム・オークションの予想では「最高で8億円ほど」と見られており、しかしここ最近のフォードGT40人気、そして近年の落札傾向から推測しても、やはり10億円を超えてもなんら不思議はなさそうです。
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参照: Mecum Auctions