| そこまでしてこのグリルを用いるとは、よほど効果がありそうだ |
さて、今回は「かなりカモフラージュ薄め」な新型BMW M3が目撃に。
この画像を見るに、(リークは別として)今までBMWが隠していたM3のフロントグリルがあらわになり、M4と同じバーチカルキドニーが採用されていることがわかります。
定石から言えばM3は3シリーズのハードコアモデルなので、これほど(3シリーズとは異なる)大きなキドニーグリルを装着し、そしてその下にあるラジエターやインタークーラーの位置を変更するのには相当な手間がかかるのは間違いなさそう。
反面、M4の場合はもともとのベースたる4シリーズにバーチカルキドニーが採用されているため、構造変更の難易度はさほど高くないものと思われます(4シリーズは最初からM4と同時設計されていたと思われるが、3シリーズ設計の際にはまだバーチカルキドニーが存在しなかった)。
なぜM3でもバーチカルキドニーを採用?
それでもM3では「わざわざ大規模変更を施してまで」キドニーグリルをバーチカル構造にしているということになり、その理由としてはただひとつ、「この方が効率に優れるから」ということになりそう。
つまり相当なコストをかけてまで巨大キドニーグリルを採用するべきだとBMWは判断したワケで、そこには「どうせM4でバーチカルキドニーを採用するのなら設計を流用できる」という思惑もあったと思われるものの、とにかくコストをかけるだけのリターンがあるということなのでしょうね。
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なお、この巨大キドニーグリルのメリットとしては、「車体中央にラジエターなど重量物を集中できる」というものがあり、つまり左右のダクト位置にラジエターや冷却系を分散しなくても済む、ということ。
これによってロールセンターを最適化できるばかりか、バンパー左右はエアロダイナミクス最適化のために活用できることになり、全体的な設計の自由度が高くなるわけですね。
そのほか、前後フェンダーが大きく張り出していること、ドアミラーが「航空機にインスパイアされた」Mモデル独特の形状を持つことなどを確認可能。
トランクリッドにはリップスポイラーが装着され、リアバンパーは3シリーズよりやや後ろに出ているようにも。
そして今回初めて気づいたのは、ルーフに縦方向のリブのようなものがあること。
おそらくは直進安定性を向上させる狙いがあるのだと思われ、しかしBMWとしては初採用なんじゃないかと思います。
なお、エキゾーストシステムのタイコ部分はかなり大きいようですが、これも「環境対策で必要な」部分なのかもしれません。
新型M3にはワゴンボディが登場する?
そして新型M3に関する一つのウワサが「ワゴンボディ(ツーリング)の登場」。
BMWは「Mモデルはモータースポーツに直結すべきものである」として、これまでワゴンボディ投入に対して消極的であったものの、今やSUVにもMモデルが設定されており、Mモデルの意味合いも時代とともに変化しているのが現状です。
加えて最大のライバルであるメルセデスAMG、そしてアウディRSモデルにもワゴンボディが存在することを考慮すると、ワゴンの設定がないということは自ずとそのプレゼンスを弱めてしまうことに。※とくにBMWはなんとしてもメルセデス・ベンツを抑えたい
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そういった事情があるからなのか、BMWblogによると「BMW重役がついにM3ワゴンの発売を承認した」とされ、これは大きな一歩となるのかもしれませんね。
ちなみにこれまで「M部門が作らない」ハイパフォーマンスモデルの穴はアルピナが埋めていたということになりますが、Mモデルのラインアップが今後さらに拡大してゆくとなると、アルピナの存在意義が揺らぐことになり、そのあり方もまた変化してゆく可能性もありそうです。