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限定99台、当時は即完売したアストンマーティン・ヴァンキッシュ・ザガートが競売にて「新車価格のわずか半分」までしか上がらず流札。いったいなぜ?

| 現在の「完売」はもはや実需を表しておらず”バブル”と言っていい |

アストンマーティンは2017年にヴァンキッシュをベースに「ヴァンキッシュ・ザガート・クーペ」「ヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ」「ヴァンキッシュ・ザガート・シューティングブレーク」「ヴァンキッシュ・ザガート・ロードスター」を発売しています。

これらはアストンマーティン史上もっとも美しいシリーズとも言われ、限定台数の28台〜99台(モデルによって異なる)は一瞬で完売することに。

新車価格は約8000万円

そして今回、米中古車売買サイト「Bring a trailer」に登場したのがヴァンキッシュ・ザガート・クーペ。

これは99台限定、8000万円にて発売されたクルマであり、一瞬で完売したクルマだけあって「高値で売れるに違いない」と誰もが考えたわけですね。

そしてこの個体のボディカラーは約70万円のオプションとなる「カリビアンパール」。

さらにはオプション価格430万円のグリルを装着し、ホイールはブラック、ブレーキキャリパーはレッドというレアな仕様です(99台のうちの83番目)。

しかしながら実際にオークションが始まっても価格が上がらず、終了時の最高落札価格は4500万円にとどまっており、これは新車価格の半分くらい。

設定していた最低落札価格に届かず「流札」となってしまいますが、これはまったくの予想外であり、「いったいなぜこんなことに・・・」という印象。

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ただ、ぼくが思うに、これは「アストンマーティンの人気がなくなった」というわけではなく、全般的にスーパーカーやハイパーカーの相場が下がっているからなのかもしれません。

そしてスーパーカーだけではなく話題のニューモデル(スープラやジムニーも同様)、ブランド品や腕時計も同じだと考えています。

数年前くらいから「転売」がブームとなっており、たとえば限定品だと、「本当に欲しくて購入する人と転売を目論む人の比率」が以前とは全く変わってしまい、ここ最近では後者の比率がぐっと上がっていると感じるわけですね。

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よって「完売した」と言っても、実際にはそのほとんどが転売を目的とした人々によって購入されているだけであり、「実需」買いはかなり少ないようにも思います。

そして発売と同時に「転売行為」が横行することになり、どんどんその限定品の価値を下げてしまっている、というのが現在の「限定品市場」なのかもしれません。

参照:Listing Videos

アストンマーティンは「DBX」に期待をかける

なお、アストンマーティンは現在「非常に苦しい」事態を迎えているとされ、これまで成長を牽引してきたアンディ・パーマーCEOがその座を追われ、新しい体制のもとで「仕切り直す」ことに。

そんな中で期待がかかるのがアストンマーティン初のSUV、「DBX」。

ここ数日、各メディアにデモカーが貸し出し開始されたようで相次ぎレビューが公開されていますが、その評判は全般的にかなり高いようですね。

おそらく競合するのはポルシェ・カイエン、マセラティ・レヴァンテ、ランボルギーニ・ウルス、ベントレー・ベンテイガあたりになると思われ、そして実際に自分の目で確認してみると「かなり競争力が高く」、SUVにパフォーマンスではなく”高級さ”を求める人にとってはかなりいい選択肢なんじゃないかと思います。

なお、正直言うと、個人的には「ポルシェ・カイエン、マセラティ・レヴァンテ、ベントレー・ベンテイガよりも、アストンマーティンDBXのほうがいい」と考えているものの、実際に購入するとなると、いずれはやってくる「売却」時の価格を考えた時に(DBXの購入に対し)二の足を踏んでしまい、比較的リセールのいいカイエンに傾いてしまいそう。

そう考えると、新車を売るにはやはり「中古相場の安定化や上昇」が必須なのかもしれませんね。

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