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もしもスバル・アルシオーネに後継モデルが登場したら!悲運の名車にスポットライトを当てたCGが秀逸な件

2020/08/26

| アルシオーネはボクにとっても忘れることができないクルマのひとつだ |

現役カーデザイナー、ルーカス・セイン氏が考えた新型スバル・アルシオーネSVX、「スバル・アルシオーネ・リイメージング・コンセプト(Subaru Alcyone Reimagining)。

もちろん非公式ではありますが、1985年に発表されたアルシオーネ(北米ではXT)、1991年発表のアルシオーネSVXを下敷きにした「未来」としての提案となっています。

なお、さすがに本職だけあってエンジニアリング的なもの(とスバルの財政状況)を考慮してか、ベースはBRZという現実的な設定付きです。

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初代アルシオーネは「時代よりも先にゆきすぎた」

まず、こちらが1985年に発売されたアルシオーネ。

今回のレンダリングについては、(XTのナンバープレートを装着していることからもわかるとおり)こちらの初代アルシオーネに近いようですね。

アルシオーネは1985年から1991年まで販売され、スバルとしては初の海外先行販売モデルで、デザインはジウジアーロだとされ、スバルで唯一リトラクタブル・ヘッドライトを採用(その後のアルシオーネSVSも企画段階ではリトラクタブルヘッドライト採用だったと言われるが、市販時には固定式へと改められた)。

日本車として最初にCD値0.3を下回った車となり、内外装とも未来的で、映画「キャノンボール」にも登場してたこと、日本ではスバルが「客を選んで売った」ということでも知られます(後者の真偽は不明。都市伝説かもしれない)。

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スバルはなんだかんだで「他社に先駆け」様々なチャレンジを行っており、その中にはのちのスバルの核となったもの(乗用車×4WDシステム)、そうでなかったものもあり、なかなかに波乱万丈な歴史に富んだ会社だと言えそう。

なお、アルシオーネについては「時代の先を行きすぎた(市場や消費者がついてこれなかった)悲運のクルマだとも考えています。

今回の「スバル・アルシオーネ・リイメージング・コンセプト」については、そのルーフの平坦さからも初代アルシオーネをイメージさせるところで、ただ、サイドウインドウ(ミッドフレームウインドウ)はその後の「アルシオーネSVX」を連想させ、うまく新旧アルシオーネをミックスさせていることもわかります。

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前後一直線のランプもアルシオーネ、そしてアルシオーネSVXを踏襲した部分。

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なお、アルシオーネは「レオーネと共通の部分が多く」その割に高価であったことから販売が伸び悩み、そのため後継モデルのアルシオーネSVXでは多くが(フラッグシップであることを主張すべく)専用設計へと変更されたと言われます。

そしてボディデザインは初代アルシオーネに続いてイタルデザイン(に当時在籍していた)ジョルジエット・ジウジアーロで、ジウジアーロは当時から日本における知名度が高く、自動車のみならず様々な工場製品が発売されていますね(自転車や腕時計など)。

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そうした専用設計コンポーネントを多く持っていたためか車両価格は当時としては高価なものとなってしまい、しかも日本では発売時に「バブル崩壊」と重なってしまったために販売上の苦戦を強いられ、1997年にその生涯を閉じています。

ただ、このアルシオーネSVXの「グラス・トゥ・グラス」キャノピーは現在見ても非常に洗練されており、このクルマに(たぶんオプションの)リアウイングを装着し、デザイン的連続性を損なわずにウェッジシェイプを強調すれば、非常に美しいスタイルを持つことになって、これはぼくの考える「1990年代の国産車においても1、2を争うレベルの格好良さ」。※ウインドウと、フレームやピラーとの「段差」は構造上どうしても発生してしまうもので、この辺りは多くのコンセプトカーだと小さく抑えられているものの、市販時にはギャップが大きくなって雰囲気を損なう。しかしSVXでは「全面ガラス」とすることでギャップを最小限にできている。マクラーレン720Sも近い構造を持つ

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なお、アルシオーネなきあと、スバルにとっての「クーペ専用」モデルはBRZの発売を待たねばならず、その意味でも今回のレンダリングが「BRZベース」というのはなんらかの思惑を感じずを得ないところですね。

レンダリングにおいては「FR」「4WD」ベースとがありますが、BRZのプラットフォームを4WD化するのにどの程度の労力を要するのかはわからず、しかしこれは「もしも」の世界の作品でもあるので、あまり深く考える必要もなく、単に作品の素晴らしさを愛でるべきかとも思います。

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参照:Lucas Sein

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