| それでも今までの流れを考慮すると、アップルがクルマを発売するとは手ばなしで信じることは難しい |
さて、久しぶりに「アップルコンピューターがクルマを発売する」というニュース。※画像はアップルのエンジニアが移籍して開発を開始したと報じられたZoox
これまでの流れをおさらいしてみると、まず2008年にスティーブ・ジョブズはアップルカー(iCar)についての構想を持ち始めたといい、実際にプロジェクトを始動させることに。
スティーブ・ジョブズはそうとうなクルマ好きだと言われ、ポルシェ911、メルセデス・ベンツSL、BMW Z8等を所有していたことも報じられています。
当初、アップルカーは2019年に発売と言われたが
ちなみにアップルカーが話題となった時期(2016-2017年くらい)には「アップルカーは2019年に発売される」と言われており、実際にドイツの自動車メーカー、そしてテスラからも相当数を引き抜いたことが話題に。
この時イーロン・マスクCEOが「アップルが連れて行ったのは”使えない”社員ばかりで、アップルはテスラ社員の墓場だ」と語ったのが印象的です。
なお、2017年にはカリフォルニア州の路上にて自動運転車両のテストを行う許可を得て実際にテストを行ったものの、自動運転の実現が難しいということが判明し、プロジェクトが暗礁に乗り上げることに。
時を同じくしてアップルの自動車プロジェクト「タイタン」の主要メンバーが中国の自動車メーカーに引き抜かれたこともあってプロジェクトの継続がいっそう困難となったわけですね。
ティム・クック体制下でもアップルカーは継続
その後スティーブ・ジョブズが死去してCEOがティム・クック氏へと交代することになり、しかしティム・クック体制下でもこのプロジェクトが継続され、「apple.auto, apple.car, and apple.cars」といった自動車関連のドメインを取得したことも話題となっています。
この時点だとアップルの自動車は法人向けに販売されカーシェアに供されることになると目されていて、製造はオーストリアの(トヨタGRスープラやメルセデス・ベンツGクラスを製造する)マグナシュタイアが担当するという具体的な話や、BMWがi3をベースモデルとして提供するというウワサも(実際に両者の間で話し合いが持たれたと報道されている)。※この際、発売時期が2021年にずれこんだとされる
ただしその後、どうやっても自動車の発売が困難という結論となり、アップルはプロジェクト・タイタンの一部を売り渡したうえ、自動車ビジネスにはハードではなくソフトウエアにて携わることになったとも言われています。
今回、2021年にアップルカー製造開始という噂が再浮上
そして今回、アップルのサプライヤーが「2021の第二四半期にアップルカーを製造するために、パーツを用意するようにという要請を(アップルから)受けた」と語っており、しかもこれは複数社がコメントしているようですね。
なお、このサプライヤーとはHeda,、BizLink-KY,、Heqin、Tomitaだと報じられており、それらによると「アップルカーのデビューは2021年9月」。
けっこう具体的な報道ではありますが、それでも今までの経緯を考えると「手放しで信じることはできない」とは考えています。
実際に発売されたとしてこれが民生用となるのか、それとも当初の予定通り法人向けとなるのかはわかりませんが、もし民生用だとすると、世界に一定数いるアップルのコアなファンにとって朗報だと言え、かつスマートフォン市場におけるシェアが低下し続け、新たなるビジネスモデルを模索するアップルにとっても救いの神となるのかもしれません。
この報道の後、ロイターは2024年にアップルが自動車を発売と報じており、今後はにわかにアップルカー(iCar)関連の話題で盛り上がることになりそうですね。
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参照: Money.udn.com, MacRumors