
| セラミックコーティング用の液剤は「硬化」すると塗装面に対して高い攻撃性を発生させる
【この記事のポイント】
- 繊維の「結晶化」が命取り: コーティング剤がタオルの奥深くで硬化し、目に見えない「極小のトゲ」に変化する
- 塗装へのダメージは深刻: コーティング剤が硬化したタオルを再利用すると、せっかくの美しいボディに無数のスクラッチやスワールマーク(洗車傷)を残す原因になる
- 「捨てる」のはまだ早い: ボディには使えなくても、ホイールやエンジンルームなど、デリケートではない箇所の清掃に「格下げ」して再利用が可能
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なぜプロは「一度使ったタオル」を二度とボディに当てないのか?
愛車を美しく保つための最高峰のケア、セラミックコーティング。
その仕上げに欠かせないのが汚れを磁石のように吸い付かせるマイクロファイバータオルです 。
しかし、コーティング作業が終わった後、そのタオルを「洗えばまた使える」と思っている人も少なくはないかもしれません。
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コーティング作業、あるいはコーティング後のメンテナンス剤の塗布は基本的に洗車後に行うもの。
よって作業にタオルを使用した後も「タオルが汚れているように見えず」、さらには節約心理も働いて「まだ使えるんじゃないか・・・」と考える心理は十分に理解ができ、実際にぼくもそう思ううちの一人です。
節約心理自体は素晴らしいのですが、「もったいない」と考えたばかりにさらなる出費になってしまう可能性があるというのが今回の記事の内容で、つまり「コーティング施工に使用したマイクロファイバータオルを再利用すると、愛車の塗装に致命的なダメージを与える可能性がある」ということ。
今回は、オートディテイリングの世界で「常識」とされながらも一般にはあまり知られていない、マイクロファイバータオルとセラミックコーティングとの危険な関係について掘り下げてみましょう。
恐怖の「結晶化」:柔らかい繊維が「研磨剤」に変わる仕組み
セラミックコーティング剤は「液体のポリマーが空気に触れて硬化することで」塗装の上に強力な保護層(クリアコートのような層)を形成します 。
この「固まる」という性質が、タオルにとっては仇となり・・・。
- 繊維の奥で固まる:液剤の塗布に使用したタオルの繊維の隙間にコーティング剤が入り込み、乾燥する過程で「結晶化」する
- 柔軟性の喪失: 結晶化したポリマーは非常に硬く、マイクロファイバー特有の柔らかさを奪い去る
- 見えない凶器: 硬くなった繊維や残留した結晶は、(マイクロファイバータオルの見た目に変化がなくとも)次にボディを拭いた際、まるで紙やすりのように塗装面を攻撃し、スワールマーク(円を描くような傷)を残してしまう
徹底比較:セラミックコーティング vs 通常ワックスのタオルへの影響
一般的なワックスとセラミックコーティングでは、タオルに与えるダメージの質が根本的に異なっており、よってこれらを同一視するのは非常に危険。
多くの人はセラミックコーティングを業者(カーディティーリングショップ)へと依頼するかと思いますが、中には自分でコーティングを行う人、業者にて施工してもらった後でも自分でメンテナンス剤を塗布する人(セラミックコーティングと同じ成分が含まれる)がいるかと思われ、そういった場合には「作業に使用したマイクロファイバータオル」の再利用は絶対に避けるべき出る、というわけですね。
| 特徴 | セラミックコーティング | 従来のワックス |
| 主成分 | 液体ポリマー(結晶化する) | 油分・ロウ成分 |
| 硬化後の状態 | ガラス状に硬く固まる | 比較的柔らかいまま |
| タオルへの影響 | 繊維が硬くなり、再利用で傷の原因に | 洗浄すれば再利用可能 |
| 洗浄の難易度 | 溶剤ベースのため、石鹸では落ちにくい | 洗剤で比較的容易に落ちる |
| 耐久性(参考) | 2年〜5年以上(適切なケアによる) | 数ヶ月程度 |
やっぱりもったいない。再利用するための「格下げ」のススメ
「高いマイクロファイバータオルを使い捨てにするなんて・・・」と、胸が痛む人も多いはずで、しかし使用済みのマイクロファイバータオルを「即、ゴミ箱行き」とする必要はまったくなく、多くのディテイラーたちは、タオルを「リパーパス(目的変更)」して活用しています 。
実際のところ、ぼくも「なんでもなにかの役に立つ」と考えており、可能な限り再利用の道を模索するタイプなので、以下のような「再」利用を行っています。
- 樹脂パーツの清掃: 塗装面ほどデリケートではない箇所には、硬くなったタオルでも十分に使用可能(洗浄に加え、ケミカル剤の塗布含む)
- エンジンルーム: 油汚れの多いエンジンルームの拭き上げにも使用OK
- 下回りの清掃: ドアヒンジやマフラーカッターなど、汚れが激しい場所の専用、あるいは研磨用にも最適
なお、コーティング剤の塗布に使用したマイクロファイバータオルにつき、すぐに石鹸水に浸ければ多少の成分は落ちるかもしれませんが、「コーティング剤の溶剤ベースの処方」は家庭用の洗剤では完全には取り除くことができず、乾燥してしまった後の「結晶」は、洗濯機で洗っても繊維の奥に残り続けることには注意する必要があり、どれだけ見た目が「汚れていなくとも」心を鬼にしてリパーパスするのが「賢明」というものです。
結論:完璧な仕上がりのために「タオルは消耗品」と割り切る
セラミックコーティングは、正しく施工すれば数年にわたって愛車を保護してくれる素晴らしい技術です 。
その数万円、あるいは数十万円の価値を守るために、数百円のタオルを惜しんで塗装を傷つけてしまうのはあまりにも代償が大きすぎ、かつ「本末転倒」。
「一度コーティング剤を塗り込んだタオルは、二度とボディには触れさせない」。
このシンプルなルールを守るだけで、愛車の輝きはより長く、より美しく保たれるというわけですね。
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