
| ブガッティ ガリビエールはコンセプトカーにとどまらず「市販直前」まで進んでいた |
これまでにもブガッティは複数回「4ドア」への進出を試みている
世界最高のハイパーカーブランド、ブガッティ。
その歴史にはヴェイロンやシロンの陰に隠れた「幻の4ドア」が存在し、それが2009年に発表されながらも市販化が見送られた「16C ガリビエール(Galibier)」です。
2026年現在、新型V16ハイパーカー「トゥールビヨン」の登場により、再びこの超弩級セダンの価値が再評価されており、今回は「なぜブガッティが1,000馬力を誇る世界最速のセダンを世に送り出さなかったのか」という謎、そしてその驚愕のスペックと時代を先取りしすぎた豪華装備の全貌に迫ります。
本記事の要約
- ガリビエールはヴェイロン譲りの8.0L W16エンジンをフロントに積んだ4ドアセダン
- ただし過給機はターボではなく「スーパーチャージャー」を採用し低速トルクを重視
- ダッシュボードの時計は取り外して腕時計として使える「1,500万円級」の逸品
- 2026年最新の「トゥールビヨン」のオプションには、ガリビエールを彷彿とさせる8本出しマフラーも存在
驚愕の心臓部:スーパーチャージャー付きW16の咆哮
ガリビエール最大の特徴はそのパワートレインにあり、ミッドシップレイアウトを持つヴェイロンが4基のターボチャージャーを備えていたのに対し、フロントエンジンのガリビエールはラグジュアリーセダンとして求められる「淀みのないスムーズな加速」、そして低回転域からの圧倒的なトルクを実現することを目的として「2ステージ・スーパーチャージャー」を採用しています。
- 最高出力: 約1,000馬力(推定)
- 最高速度: 378km/h以上
- 駆動方式: フルタイム4WD
- 燃料: ガソリンだけでなくバイオエタノールにも対応するフレックスフューエル仕様
Image:Bugatti
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詳細:細部に宿る「超」高級の美学
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1. 8本出しマフラーの衝撃
リアエンドで最も目を引くのは、左右に4本ずつ配置された計8本のテールパイプ。
これはもちろん飾りではなく、W16エンジンの巨大な排気エネルギーを効率的に逃がすと同時に、ブガッティとしての圧倒的な権威を象徴しています。
なお、トゥールビヨンのオプションパッケージにも「8本出しエキゾーストパイプ」が存在しますが、その説明によれば「1920年代と1930年代にサーキットを走ったプライベーターにインスパイアされた」とのことなので、このガリビエールも同様のレーシングカーをモチーフとしたのかもしれません。
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2. 取り外し可能な「パルミジャーニ・フルリエ」の時計
内装のセンターに鎮座する時計は、スイスの高級時計メーカー「パルミジャーニ・フルリエ」製(当時、ブガッティはパルミジャーニ・フルリエとの提携関係にあった)。
ボタン一つでダッシュボードから取り外しができ、専用のストラップに取り付けることで、オーナーは「クルマの心臓の一部」を腕時計として身に着けることが可能となったわけですね。
3. スプリット・ボンネット
エンジンフードは、往年の名車「タイプ57」を彷彿とさせる中央ヒンジの左右分割開き式を採用しており、鏡面仕上げのアルミニウム製ドアパネルと職人が手作業で仕上げたカーボンボディとの対比は圧巻の一言です。
スペック比較:ガリビエール vs ヴェイロン vs 最新トゥールビヨン
| 項目 | 16C ガリビエール (Concept) | Veyron 16.4 | Tourbillon (2026) |
| エンジン | 8.0L W16 | 8.0L W16 | 8.3L V16 + モーター |
| 過給機 | ツイン・スーパーチャージャー | クワッド・ターボ | 自然吸気 |
| 最高出力 | 約1,000hp | 1,001hp | 1,800hp |
| ドア数 | 4ドア (ファストバック) | 2ドア | 2ドア |
| 最大の特徴 | 8本出しマフラー | 世界初の400km/h超 | 複雑な機械式メーター |
結論:なぜガリビエは発売されなかったのか?
ブガッティがガリビエールの市販化を断念した最大の理由は「ブランドイメージの混迷を避けるため」で、当時の経営陣はヴェイロンという究極のスポーツカーの後継モデル(後のシロン)にリソースを集中すべきだと判断したのだそう。
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しかし2026年現在、ブガッティはリマック社との合弁を経て新たなステージに立っており、ブガッティの名のもとに様々なモデル展開がなされる可能性が示唆されていますが、より素早い展開を可能とするためにメイト・リマック氏がフォルクスワーゲングループが所有する「ブガッティ・リマック」株を買い取るというウワサも。
参考までに、フォルクスワーゲングループ傘下に入る前のブガッティでも「EB112」なるコンセプトカーを作ったことがあり、その後にはEB218(1998年)と命名された4ドアサルーンが計画されたことも。
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つまるところ、「セダン」はブガッティの悲願とも言える存在であり、近い将来、このセダンがEVやハイブリッドとして登場する可能性は決してゼロではないのかもしれません。
参考:ピエヒ氏の執念が生んだ「W16」の系
もう一つ参考までに、ガリビエールを語る上で欠かせないのが元VWグループ会長フェルディナント・ピエヒ氏の存在。
彼は「エンジンの気筒数こそが権威」と信じ、ランボルギーニ・ディアブロにW16を積む実験まで行っていたことが知られていますが、ガリビエールはその執念が結実した「究極のショーファードリブン(運転手付き高級車)」になるはずだったわけですね。
今の超高級車市場にこれほどの「狂気」を孕んだセダンが存在しないことを考えると、改めてその希少性が際立つこととなり、「比較されるような存在であれば、それはブガッティではない」というブガッティ創業者の言葉を考慮するならば、「今こそ」が究極の大排気量エンジンを搭載したセダンを投入すべき時ではないか、とも考えられます。
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