| これで公道を走行できれば言うことナシだが |
さて、世の中には様々なカスタムカーが存在しますが、マツダ・ロードスターからかつてのアルファロメオのGPレーシングカー”Tipo 158”のレプリカを作った男が登場。
この男、その名をアント・アンステッドさんといい、ホイーラーディーラーズのメカニックを務める傍らこのレプリカを製作し、さらにはマツダ・ロードスターをドナーとして、このクルマを製作するためのキットを限定10セットのみ販売する、とのこと。
なお、価格は7,499ポンド(邦貨換算で約105万円)に設定され、この価格にはアント・アンステッドさんからの「レクチャー料」も含まれるそうです。
「ティーポ184」はこうやって作られる
ちなみにこの(ティーポ158の)レプリカは「ティーポ184」という固有の名称が与えられており、独自のキットカーという位置づけ。
エンジンはじめドライブトレーンをマツダ・ロードスターから流用しています。
車体構造には鋼管スペースフレームを採用。
これにエンジンや足回りを組み込み、カウルを被せるということになります。
サスペンションは独自の構造を持つ模様。
ステアリングホイールやメーター、バイザー類はかなりレトロなスペックを持つようです。
ホイール、タイヤも超レトロ。
なお、先日ベントレーが1920年代の「ブロワー」のリバイバル第一号(プロトタイプの”カー ゼロ”)を公開していますが、その際には多数の「クラシックカー専門業者」の協力を得たと言い、イギリスには今でもクラシックカー向けの”新品”パーツを生産する工房が多数あるようですね。
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実際の走りは痛快そのもの
そしてティーポ184完成後はいよいよテスト走行。
ドライバー視点だとこんな感じ。
コクピットはかなりタイト。
乗車位置はリアタイヤの直前となり、かなり挙動を掴みやすそうです。
もちろん公道を走行することは適いませんが、最高のおもちゃのひとつであるのは間違いなさそう。
マツダ・ロードスターは中古市場に相当数が溢れており、パーツを入手するのも難しくはなく、キットとドナーカーさえ手に入ればこのクルマを作ることができる、というのは非常に驚くべきことだと思います。
ティーポ184を組みたてて走行させる動画はこちら
アルファロメオ・ティーポ158はこんなクルマ
インスパイアもととなるアルファロメオ・ティーポ158は、1938年から1950年にかけて活躍したフォーミュラカーで、1950年のF1グランプリにおいてはなんと「全戦で優勝」という偉業を成し遂げています(1951年に登場した、改良モデルの159とあわせて語られる事が多い)。
搭載されるエンジンは1500cc/8気筒スーパーチャージド(158という車名はここから取られている)、トランスミッションは4速マニュアル。※となると、このレプリカ「184」は1.8リッター4気筒ということになりそう
設計者はジョッキアーノ・コロンボで、長期間活躍したことに加え、ファン・マヌエル・ファンジオがドライブしたこと、そしてその戦績から「アルファロメオにおいて、もっとも成功したレーシングカー」の一台に数えられます。