| ロボット産業は採算に乗せるのが難しいと言われるが |
さて、ヒュンダイが「合体ロボットカー」という、激しくメカ好きの魂を揺さぶるコンセプト、タイガーX1を公開。
これは2020年にヒュンダイ内部にて発足させた「ニュー・ホライゾン・スタジオ」からリリースしたもので、ドローンと合体して自由に空を移動し、地上におりた後も4本の「脚」と車輪を駆使して道なき道を走破(踏破?)できるというもの。
ヒュンダイはロボット研究開発会社「ボストン・ダイナミクス」を買収していますが、今後ロボット関連事業に一層の投資を行うことになりそうです。
ヒュンダイは過去にもこんなロボットカーを発表している
なお、ヒュンダイはこれに先立つ2019年にもロボットカー「エレベート」を発表。
これは人が乗ることができるキャビンを持ち、4本の脚を使用して「歩いたり」、車輪を使用して「走ったり」できるという乗り物です。
さらには「エレベート」の名の通り、脚を伸縮させることで自由に「車高」を上げ下げすることが可能。
加えて、もっと小型のコンセプトカーも公開していて、これは「クルマでは入ることができない」場所へと体の不自由な人を迎えに行ったりという役目も想定している模様。
こういった例を見るに、ヒュンダイは「クルマの領域」を超えた乗り物を開発しようとしているのだと思われ、その行動半径は「街なか」から「前人未到の地」へと及ぶことになりそうですね。
現在、自動車メーカーは長期的な存続をかけて「(空飛ぶクルマなど)自動車以外の道」を模索していますが、これらがヒュンダイにとっての未来なのだと考えられます。
ヒュンダイ「タイガー」はこんなロボット
そして今回ヒュンダイが発表したのが「タイガー」。
サイズとしてはずいぶん小さく、全長80センチ、全幅40センチ、そして重量は12キロ。
よって「乗り物」というよりは輸送機器だと考えたほうが良さそうです。
なお、TIGERとは「トランスフォーミング・インテリジェント・グラウンド・エクスカーション・ロボット」。
要は「地形に応じて変形し遠出できる、賢いロボット」ということですね。
そしてこちらはプロトタイプ。
脚や車輪、バッテリーパックが内蔵されたシャシーに対してモジュールが載せられることになります。
このプロトタイプは「タイガーX1」と命名され、Xは”実験機”をあらわすエクスペリメンタルを意味しています。
シャシーだけだとこう。
コブを乗り越えたり・・・。
段差を「歩いて」超えることも可能。
ちなみに前後だけではなく横方向(カニ歩き)、その場での360度ターンもお手の物。
ドローンと合体してさらに行動半径の拡大も
なお、ヒュンダイはこのタイガーを「世界中のどんな場所にでも」送り込むことを想定しており、人が踏み入ることができない地であってもこのタイガーであれば行くことができる、と主張。
そのため、このタイガーの属性について、「アルティメイト・モビリティ・ビークル」とも表現しています。
たとえば、飛行用ドローン(UAV)と合体して素早く目的地へ。
そして一旦着陸して・・・。
UMV=タイガー部分を切り離し。
ここから先、タイガーは最終目的地(ラストマイル)へ向けて自走し、様々な物資を輸送し届けるという任務を果たすことになります。
そしてヒュンダイがタイガーの任地として想定しているのは地上にとどまらず、月やほかの惑星にもおよぶといい、今後の活躍が期待されますね。
なお、考え方としてはイタルデザインとアウディ、エアバス社が考えた「POP.UP」コンセプトに近いようですが、こちらはアーバンモビリティとして考案されており、形は似ていても、それぞれの目的は完全に異なるようです。※このプロジェクトは「実現不可能」と判断され、中止されている
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参考アウディが「空飛ぶ車」事業に参入。仏エアバス、イタルデザインとの共同事業
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