| グループBというのは、つくづくとんでもないカテゴリーだったな |
さて、世界で24台のみしか存在しないという超レアなフォードRS200エボリューションがオンラインオークションに登場。
これは1980年代に、フォードがWRC参戦のためのホモロゲーション取得用に200台のみ発売した「フォードRS200」をさらに「エボリューションスペック」へと改装したもので、直近の履歴だと2017年にリビルトを受けており、その後2018年にアメリカへと輸入されています。
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2.1リッター600馬力。12年間加速のギネス記録を持っていた超変態車「フォードRS200EVO」が競売に
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フォードRS200はもともと「競技用として設計」されている
エンジンは2.1リッターターボ(600馬力)、もちろん同世代のルノーやプジョーのホモロゲーション取得用モデル同様に「ミドシップマウント」。
ただしこれら、そして同じフォードのシエラと異なるのは、このRS200は「グループB規定に沿うように設計された」クルマであり、市販車をレーススペックに仕立て上げたものではなく、レーシングカーを(レース出場の資格を得るために)市販車として発売したものである、ということ。
車体構造はアルミ製ハニカムモノコック、サブフレームはスチールパイプ、ボディパネルはFRP製。
ルーフには吸気のためのシュノーケル、そしてリアエンドにはダウンフォース強化を目的に大きなスポイラーが装着されています。
ホイールは16インチサイズ(3ピース)、装着されるタイヤはファルケン製FK451。
ショックアブソーバーは1輪あたり「ツイン」です。
リアスポイラー後部、リアバンパーには放熱のためのダクトが装着され、相当な熱を発するクルマであることもわかります。
搭載されるエンジンは2.1リッター4気筒ターボで、出力はリッターあたり300馬力にも迫ろうという600馬力。
この車体サイズで600馬力、しかも車体重量は1180kgと言われるので、とんでもなくじゃじゃ馬なクルマなのでしょうね。
ただ、恐ろしいのは、当時こういったクルマが複数存在していたことで、つくづく80年代というのは恐ろしい時代だったんだな、と思い知らされます。
フォードRS200のインテリアはこうなっている
そしてこちらがフォードRS200のインテリア。
無駄なものはなにもついていないという感じですが、フルバケットシート、そして助手席足元には消化器が設置済み。
トランスミッションはマニュアル、そしてフロント、センター、リアの3箇所にデフが装着されています。
ツールキットやマニュアルなども付属し、見たところコンディションも上々であり、コレクション価値を考慮すると「相当な高値」がつくのかもしれません。
フォードRS200エボリューションを紹介する動画はこちら
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