| これまで「ターボ」「GT」はポルシェにとってそれぞれ性質の異なるフラッグシップだったが |
新型カイエンターボGTはあらゆる面で「最速・最強のカイエン」
さて、ポルシェは先日「ニュルブルクリンク最速SUV」の座を獲得したとして”新型”カイエンのティーザーキャンペーンを行っていましたが、今回「カイエンターボGT」として正式発表。
ちょっと不思議なのは「カイエン・クーペ」なのに「クーペ」の文字がないことですが、見てのとおり「クーペ」ボディを身にまとっており、このクルマを「カイエン・ターボGT」だと称するのであれば、これまでの箱型ボディを持つカイエンには「ターボGT」が設定されないということになりそうです。
なお、「ターボ」「GT」はポルシェにおけるトップレンジ(ターボはテクノロジーを”プラス”したフラッグシップ、GTはピュアさを追求した、不要なものを切り捨てた”引き算”でのフラッグシップだと考えている)ですが、なんとこのカイエン・ターボGTはその両方の名を持つということに。
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新型カイエンターボGTの出力は640PS
カイエン・ターボGTに積まれるエンジンはカイエンターボに積まれる4リッターV8ツインターボ、しかし出力は90PS向上して640PSへ(トルクも80Nmアップして850Nmへ)。
つまりは相当なパワーアップということになり、そのためにポルシェはクランクシャフト、ターボ、インダクション、インタークーラーを改良し、エキゾーストシステムもチタン製へと変更しています。
組み合わせられるトランスミッションは8速ティプトロニック(PDKではない)、もちろん駆動輪は「4輪」。
0-100km/h加速は3.3秒だとアナウンスされており、これは「さらにパワフルな」680PSのカイエン・ターボS Eハイブリッドクーペの3.8秒、カイエン・ターボ・クーペの3.9秒に比較して「とんでもなく」速い数字ですね。
カイエン・ターボGTの最高速は297km/hをマークし、やはりカイエン・ターボ・クーペの285km/hから大きく伸びて「カイエン史上最速」モデルとなっています。
アクセントカラーは「ゴールド」
なお、このカイエン・ターボGTで目を引くのは「ゴールド」のアクセントカラー(オプション扱いかもしれない。後に公開されるカーコンフィギュレーターを待ちたい)。
この「ゴールド」はホイール、そして後述のインテリアにも採用されており、(991型の)911GT2RS以降ポルシェが好んで用いるカラーでもありますね。
カイエン・ターボGTの車高はカイエン・ターボ・クーペよりも17ミリ低く、サスペンション、そのコントロールシステムはカイエン・ターボGT専用。
エアサスペンションのダンピングは15%高められ、ネガティブキャンバーが0.45度追加、PASM(アクティブ・サスペンション・マネージメント)、PDCC(ダイナミック・シャシー・コントロール)、パワーステアリング・プラス、リアアクスルステアリング、トルクベクタリングについてもカイエン・ターボGT専用に調整がなされています。
参考までに、装着されるタイヤはピレリ製(ミシュランではないのがちょっと意外)。※ホイールは22インチ
カイエン・ターボGTではホイールアーチに樹脂製のクラディングが装着されていますが、これは「約2.5センチ広くなったフロントトラック」を収めるため。
カーボンコンポジット製ブレーキ(PCCB)にも改良が加えられているとのことで、しかし詳細の説明はなく、制動力の向上、耐フェード性の向上、バネ下重量の軽減が図られているとだけ述べられています。
新型カイエンターボGTは予想された「フェイスリフト」には対応していない
なお、このカイエン・ターボGTには、専用のフロントバンパー、リアゲートスポイラーやリアスカート等が装着されるものの、基本的には(内外装とも)現行カイエンベース。
カイエンはモデルライフ中にもういちどフェイスリフトを経験すると言われ、実際にプロトタイプが走行していますが、今回発表されたカイエン・ターボGTはフェイスリフトを受ける新型カイエンの要素が見られず、よって今見ているこの姿は「フェイスリフトが実施されるまでの短い命」なのかも。※ポルシェにしては珍しいことではなく、モデルライフ末期に発表されたモデルは短い期間で販売が終了する。991前期型の911タルガもそうだった
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ボディカラーは新色「アークティックグレー」
なお、今回公開された新型カイエン・ターボGTの公式フォトに採用されるボディカラーは「アークティックグレー」。
ポルシェはニューモデルを発表する際には「そのモデルのキャラクターを表す」新色を追加する傾向にありますが、このグレーはカイエン・ターボGTの「クールな」イメージによくマッチしていると思います。
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ルーフはカーボンファイバー製、サイドプレートとリップはGT専用の大型へ。
トップスピード時のダウンフォースを40kg増加させるとアナウンスされています。
カーボンファイバーのほかにもグロスブラックのアクセントが多用され、全体を引き締めているようですね。
新型ポルシェ・ターボGTのインテリアはこうなっている
こちらは新型カイエン・ターボGTのインテリア。
外装同様に現行カイエンをベースとしており、フェイスリフトで採用されると言われた新型インフォテイメントシステムの搭載は「ナシ」。※ただし、ポルシェ・コミュニケーションシステム=PCMは最新バージョンへとアップグレード
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スピードメーターやスポーツクロノの文字盤にはゴールドのアクセントが付与され、シートやドアインナーパネル、ステアリングホイール(センターマーク入り)、グラブバー、シフトノブ、アームレストにはアルカンターラが採用されています。
なお、シートやドアインナーパネルはレザーとのコンビ。
ヘッドレストの「Turbo GT」文字の刺繍はゴールドです。
シートのセンターにはパーフォレイト(穴あき)加工がほどこされ、ゴールドのストライプが再現。
シートベルトも「ゴールド」。
新型カイエンターボGTの価格については日本国内だと2725万円に設定され、すでに受注が開始されています。
新型ポルシェ・カイエンターボGTのプロモーション動画はこちら
参照:Porsche