｜ フェラーリF60アメリカはまず売り物が出てこない限定モデルとして知られている ｜
現時点では予想落札価格が提示されていないものの、おそらくは3億円以上？
世界で最も稀少なフェラーリのひとつ、「フェラーリF60アメリカ」。
8月にRMサザビーズが開催するオークションへと登場することになり、今から大いに盛り上がっています。
なお、フェラーリF60アメリカというと聞き慣れないクルマですが、これはフェラーリの北米展開60周年を記念し、北米のみで販売された限定モデル。
よってF40やF50といったスペチアーレとは異なるものの、その生産台数からすると希少性は「それら以上」なのは間違いありません。
現存する台数は250GTOよりも少ない
なお、ワンオフを除くと、このフェラーリF60アメリカは「もっとも生産台数が少ない」フェラーリのひとつであり、「セルジオ」の6台よりはわずかに多いものの、日本市場50周年記念限定モデル「J50」と同じ10台にとどまっています。
その生産台数はかの250GTOよりも少なく、フェラーリコレクター垂涎の的となるのも理解ができますね。
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フェラーリF60アメリカが発表されたのは2014年で、そこから生産が開始され、この個体が納車されたのは2016年。
フェラーリクラブ・オブ・アメリカの重鎮のみが購入できたといい、そもそも購入権が開放されていなかったモデルなので、購入者はイベント時などを除けば「日常的に乗る」ことはまずないものと思われ、中古市場に出てくることはおろか、まずネット上でも目にする機会がない限定フェラーリでもあります。
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おそらくこのフェラーリF60アメリカを売りに出そうものなら顰蹙ものとなり、フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカを除名扱いになりそうなものですが、同クラブの重鎮ともなればそうとうな高齢であることも推測でき、いくつかの理由では「販売が容認される」のかも（法的な縛りがあるわけではないと思うが、しがらみ的に売りにくいモデル）。
ベースとなるのは当時のフラッグシップF12ベルリネッタで、しかしボディ形状はまったくのオリジナル。
インスパイア元は960年代に米国市場向けに少数生産された275GTB/4 NARTスパイダーで、ボディカラーも「ブルーNART」。※NART＝ノースアメリカンレーシングチーム、N.A.R.T.
フロントグリルは1960年代のフェラーリに見られたグリル形状を現代風にアレンジしたものだとされています。
シート後方にはロールフープが設けられ、かつアルミ製のフューエルフィラーキャップなどレトロな意匠も。
フェンダーに取り付けられるエンブレムはシールドではなく長方形で、フェラーリのプランシングホースに「60」文字がアメリカっぽいカラーで再現されています。
リアにはピニンファリーナっぽいフォントで「F60 America」。
ちなみにトップを装着するとこんな感じ（初めて見た）。
3分割されたカーボンファイバー製です。
搭載されるエンジンはF12ベルリネッタから受け継いだもので、6.3リッターV12、出力は730馬力。
こちらはリアトランク内。
充電器と保証書、メンテナンスブック、取扱説明書が付属します。
フェラーリF60アメリカのインテリアもまた特別だった
そしてこちらはフェラーリF60アメリカのインテリア。
シートは左右色違いという珍しい仕様です。
アクセントカラーはレッドカーボン。
メーターのグラフィックもF60アメリカ専用。
ステアリングホイールにはLEDインジケーターつき。
アームレストにもフェラーリの跳ね馬と60周年記念ロゴ。
センターコンソール、ブリッジもレッドカーボン。
10台目のうちの1台であることを示すプレート（”1台目”ではなく、あくまでも10台のうちのひとつ、という意味だと思われる。こういった限定モデルの場合は番号の取り合いになるので、こういった例が多い）。
そしてなんといってもこのフェラーリF60アメリカで特筆すべきはこのシート。
レッド側にはレッドステッチ、ブラック側にはレッドのコントラストステッチが入り・・・。
星条旗をあしらったストライプ入り。
現時点でRMサザビーズは予想落札価格を算出していませんが（前例がないので算出できないのだと思われる）、F60アメリカの新車価格は1台約2億7000万円程度だったとされ、その希少性を考慮するに、それ以上となるのは間違いないものと思われます。
なお、F60アメリカのボディカラーやシートの基本仕様は決まっているようですが、インテリアやホイールについてはオーナーがある程度変更できたと見え、仕様違いのF60アメリカが2019年にも中古市場へと登場しています。
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参照：RM Sotheby’s