| テスラは過去に「保証の範囲以上にバッテリーが減ってしまい」しかし保証対応しなかったことで裁判になったことも |
EVはまだまだ発展途上の製品であり、このまま普及すると自動車メーカーを苦しめることになりそうだ
さて、フォルクスワーゲンは最初のEV、ID.3の納車を欧州で開始して以来すでに1年が経過するそうですが、今回バッテリー・ライフ社が「1年経過後」のバッテリー残量を計算したところ、なんと7.5%も減少していた、とのこと。
なお、この個体は22,644キロを走行しており、しかし最初の3ヶ月で15,000キロを走ったといい、その頃は100WのDC急速充電器で常にフル充電を行っていたそうなので、かなり酷使されていたと言えそうです(その後は11kWhのAC充電に切り替えた、とのこと)。
バッテリーの劣化は最初の1年が一番大きいというが
そして今回バッテリーライフ社が計測した数値だと、2020年9月のエネルギー消費量は129Wh/km、そして2021年9月では122Wh/kmであり、これは7.5%バッテリー密度が減少したということを意味しているのだそう。
バッテリーは(通常)最初の1年でもっとも大きく消耗するとされますが、それにしてもかなり大きな減少幅だと思われ、これがID.3ユーザー一般にあてはまるのか、それともこの個体特有の数値なのかは不明です。
ただ、これがもし「一般的に該当する」数字であり、毎年これに近いペースで劣化してゆくのだとすれば、6−7年で「半分くらい」にまでバッテリー容量が減ってしまうことが予想されます。
フォルクスワーゲンがバッテリーの容量減少についてどのくらいの保証規定を設けているのかはナゾですが、もしこの減少幅が「規定の範囲を超えているのであれば」フォルクスワーゲンはユーザーに対してバッテリーの交換を行う必要が出てくるということを意味し、フォルクスワーゲンは相当な出費を強いられるのかも。
EVは自動車メーカーを潰してしまうかも
なお、ここ最近のEVに関する話題といえば「リコール」で、GMがシボレー・ボルトを、ヒュンダイはコナEVをリコール。
これらは「販売したEVのほぼ全数」をリコールすると報じられていて、GMの場合は2000億円規模の費用が必要になる、とも。
これに加え、もし「バッテリーの(消耗による)交換」を行う必要が出てくればさらなる出費を要求され、「EVを売れば売るほど」そのリスクが増大するのかもしれません。
現在EV市場は急速に拡大しており、できるだけ速いうちにEVを投入しなければ将来的なシェアを確保できない可能性があり、多くの自動車メーカーが「急いでEVを発売しようとしている」状況ではあるものの、不完全なEVを急いで発売してしまうと、その「ツケ」が近い将来に回ってくることになりそうですね。
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参照:Battery Life