| 外観からはとてもベースがコルベットだと判断することはできない |
「ザガート」だけに長きに渡りその価値を発揮するものと思われる
さて、19台のみが限定販売されたイソ・リヴォルタGTZ(GTザガート)がアメリカにて開催されるオークションに登場予定。
この個体はアメリカに存在する「ただ一台」のイソ。リヴォルタGTZだといい、数ヶ月前には別のオークションに出品されていたとも報じられ、となるとそこで落札されなかったのか、もしくは落札された後に転売されることになったのかどうかは不明です。
搭載されるエンジンは「コルベットZ06から」
なお、このイソ・リヴォルタGTZに搭載されるエンジンはC7世代のコルベットZ06から移植された6.2リッター・スーパーチャージド(LT4 V8)。
出力は650ps、最大トルク650lb-ft(881Nm)、トランスミッションはオートマティック、駆動輪は後輪のみというレイアウトです。
ちなみに車体の多くもコルベットと共有しているといい、しかしボディパネルは完全に独自デザインを持つカーボンファイバー製へと置き換えられています。
デザインのインスピレーションは1960年代のイソ・リヴォルタA3
イソ・リヴォルタGTZは、1963年に登場した「イソ・リヴォルタA3(Iso Rivolta A、下の画像)」へのオマージュとなりますが、もともとイソ・リヴォルタA3を企画したのはイタリアの自動車メーカーである「イソ社」であり、同社の創業者であるレンツォ・リヴォルタの「高い性能を持つGTカーを作りたい」という要望と、(元フェラーリのチーフエンジニアだった)ジオット・ビッザリーニの「レーシングカーを作りたい」という要望とがマッチして誕生することになったと言われます。
ただ、どういったわけか「イソ・リヴォルタA3」としてスタートしたプロジェクトは1964年に(イソ・リヴォルタ名義ではなく)「ビッザリーニ5300GT」として発売されることになり、その後1968年まで生産されていますが(生産台数は100台程度とされる)、エンジンにシボレーの5.4リッタースモールブロックを採用し、365~400馬力を発生したとも言われます。
つまりイソ・リヴォルタGTZのインスピレーション元となったイソ・リヴォルタA3/ビッザリーニ5300GTは、「イタリアとアメリカの合作」であり、今回蘇ったイソ・リヴォルタGTZもまたアメリカ(コルベット)とイタリア(ザガート)とのコラボレーションなので、そのデザインだけではなくコンセプトまでもを再現した、ということになりますね。
ちなみにこのボディカラーは3コート仕上げの「ル・マン・レッド」だと紹介されています。
イソ・リヴォルタのインテリアはコルベットの雰囲気を色濃く残している
そしてこちらはイソ・リヴォルタのインテリアですが、チャコールグレーとレッドステッチを用いて全面的に張り替えられているものの、見ての通りコルベットの雰囲気を強く残しています。
メーターそしてインフォテイメントシステムもコルベットのままだといい、かなりアメリカ色の濃い「イタリア車」でもありますね。