｜ それなりの金額を支払うからには、「正当な顧客として扱われるべきだ」とも ｜
正直、ボク自身はこの問題についてはなんとも言及できない
さて、コメディアンとしても有名ではあるものの、ぼくらカーガイにとってはカーコレクターとして語られることのほうが多いジェイ・レノ。
ベイカーエレクトリック（1899年～1915年まで製造された電気自動車。1馬力）、蒸気で走るクルマ、マクラーレンF1など「自動車史に残るほとんどすべてのクルマ」を所有し、たびたび自身のYoutubeチャンネルでも自動車に対する深い造詣と愛情を示していますが、なんと彼のガレージにない数少ないブランドのひとつが「フェラーリ」。
これほどまでに高名なカーコレクターがフェラーリを所有していないというのは驚くべき事実であり、今回新しく公開された動画では「なぜ自分はフェラーリを所有していないのか」ということについて語っています。
フェラーリを買うという「体験」に納得できない
ジェイ・レノによれば、「フェラーリは好きだが、フェラーリを買うという体験が好きになれない」。
どういうことかというと、フェラーリの限定モデルを購入しようとすると、「それ以外のフェラーリを購入しなくてはならない」「でなければ門前払いである」ことに納得できないとしており、「それは、金持ちが女王様のところに行って足蹴にされるようなものだ。それを喜ぶ連中もいるが、自分はそうではない」と語っています。
なお、つい最近、松浦勝人氏が「フェラーリの売り方」について苦言を呈する動画を公開し大きな話題を呼んでいますが、こういった事情は日本だけではなく「アメリカでも同じだった」ということになりますね。
そしてちょっと驚くのは、ジェイ・レノのような著名人であっても、フェラーリの限定モデルを「売ってもらえない」、そして売ってもらうには他の一般人と同じ条件をクリアしなければならないこと。
つまりジェイ・レノはフェラーリから認められていないということになり、つくづく「いかにフェラーリを愛しても、フェラーリから愛されるとは限らない」ということもわかります。
なお、フェラーリが限定モデルや少量生産モデルを販売する対象は「F1ドライバー」「フェラーリの主催するモータースポーツに参加している人」「世界的著名人」だといい、それに続くのは「購入歴と所有台数が豊富な人（しかも所有台数が多ければいいというわけではなく、限定モデルやクラシックモデルを含んでいることが望ましい）」。
よって、フェラーリにとっての新規客はまったく（限定モデル販売の）対象にならず、限定モデルや少量生産モデルを購入するには、「まずフェラーリを買い、それを売らずに手元に置いておくこと」が要求されるわけですね。
他のスポーツカーブランドはこうではない
そしてジェイ・レノは他のブランドを引き合いに出しており、（彼のお気に入りのひとつでもある）マクラーレンについては、オプションのカーボンセラミックブレーキを装着しようとしたところ、（ジェイ・レノの）アドバイスに合わないから装着しないほうがいいとアドバイスしたり（フェラーリはオプション装着ノルマがあるので、こういったアドバイスは行わない）、MP4-12C購入時には、無償にて出力向上のアップグレードを施してくれたこともあるもよう（これは日本でも実施されたような記憶がある）。
加えて、忙しい彼のためにポルシェディーラーのセールスマンは彼のもとへとやってきてクルマの説明を行い、カレラGTが納車された際にもメカニックとともに説明に来てくれたことにも言及しています。
重ね重ねになりますが、ジェイ・レノはフェラーリ自体は素晴らしいクルマであると認めつつ、しかし「限定車を注文すらできない」「通常モデルですら発注から納車まで何年もかかる」状況に苦言を呈しており、「相当な金額を支払うのだから、顧客としてまともに扱ってもらってもいいんじゃないか」と言っているわけですね。
たしかに、著名なカーコレクターであっても「フェラーリをガレージに収めていない」人は何人かいて、それはジェイ・レノと同じ理由なのかもしれません。
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ぼくとしては、フェラーリは「この方法によって」ブランド価値を上げることに成功しており、それによって盤石の基盤を築いているとも認識していて、この販売方法を否定することはできない（受け入れることができないのであればフェラーリと距離を置くしかない）とも考えています。
ジェイ・レノが「なぜフェラーリを購入しないのか」を語る動画はこちら
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