| ここまで精巧に作られたランボルギーニ・カウンタックのレプリカは他に存在しないだろう |
それにしてもほぼ走らずに売却するとはもったいない
さて、17年という歳月をかけてランボルギーニ・カウンタックのレプリカを製造したという話が(2008年に)話題となりましたが、今回そのカウンタックがebayに売りに出されてさらに話題を呼ぶことに。
このカウンタックのレプリカを製造したのはケン・イムホフさんという人物で、彼は映画「キャノンボール」を観たあとに自分でカウンタックのレプリカを作ることを決意しており、自宅の地下室で「ゼロベースから」このカウンタックを作り上げています。
一部パーツには本物のカウンタックのパーツを使用
なお、ケン・イムホフさんは「安っぽい」レプリカを製作する気は毛頭なく、よって既存のクルマをベースにすることを拒否し、カウンタックと同じディメンションを再現するためにフレームを自作しています。
サスペンションは観た感じだとマルチリンク、そしてラジエターもけっこういい位置に搭載していますね。
フレームは「自作」となるものの、エンジン、トランスミッション、ブレーキなどはほか車種からの流用だといい、しかしそれぞれけっこう良いパーツを使用しているようにも見えます。
ちなみにエンジンはV8(鍛造ピストン、新しいロッド、カム、プッシュロッド、ポート研磨されたヘッドから成る377キュービックインチ・ストローカーキットが取り付けられている。エキゾーストパイプは自作っぽい)、トランスミッションはZF製5速マニュアル、サスペンションはC4世代のコルベットから。
ちなみにボディはこんな感じで「木型」を作ってからパネルを形成するという、当時のコーチビルダーのような手法を採用しています。
そして完成したランボルギーニ・カウンタックがこちら
そうやって完成したのがこのカウンタックですが、テールランプ、パーキングランプ、フロントガラス、エンブレムなどには「本物の」パーツを使用しているということもあり、見た目は完全に本物のカウンタック。
ホイールやフェンダーも完璧に再現。
シザースドアもパーフェクト。
なお、サイドウインドウの下側は「完全に」窓が下りていて、この部分は本物のカウンタックよりも使い勝手が良いのかもしれません(本物のカウンタックの窓はちょっとしか下りない)。
ただしリアだとエキゾーストパイプの位置や・・・。
サスペンション、デフなどに違和感が残るものの、まずここまでチェックする人はいないかも。
一方、インテリアは非常に簡素であり、メーターフードこそ「カウンタックらしさ」が感じられるものの、そのほかは「色気なし」といったところですね。
なお、このカウンタック「レプリカ」の重量は1224kgだそうですが、これは本物のカウンタックとほぼ同じ(ちょっと重い)。
一方、出力は514馬力を発生するために「いずれの世代のカウンタックよりも」パワフルだということになり、実際に走らせると相当に楽しいクルマなのかもしれません。
走行距離はわずか112キロのみで、現在のところ入札が殺到して10万ドルにも達していますが、オークション終了までにはまだまだ価格が上がるものと思われます。
このカウンタック・レプリカには有名なエピソードも
なお、このカウンタックLP5000Sレプリカにつき、その完成度の他にも有名なエピソードがあり、それは「地下室で作られたが、地下室から出すことができなかった」というもの。
つまりその地下室には、外に通じる(クルマが出入りできるサイズの)通路がなく、よってこのカウンタックを屋外へ出すために地面を掘り、そこから地下室の壁に穴を開け、そこから引っ張り出すという「救出劇」が演じられています。
ちなみにこのケン・イムホフさんは、17年と65000ドルを投じて製作したカウンタックのレプリカを「すぐに」売ってしまっており、レプリカを作った目的そのものが”どこまで自分の力で本物に近づけるのか”というチャレンジだったのかもしれません。
地下からカウンタックのレプリカを引っ張り出す動画はこちら
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参照:Ron Susser, Wonder World