| 数々の魅力的な装備を標準化し、さらにはその内容も高度に進化している |
ここまでレベルの高いクルマを出されると、アウディやBMWも認識を改める必要があるだろう
さて、メルセデス・ベンツがフルモデルチェンジ版となる新型メルセデス・ベンツCクラスを発表。
この2-3年ほどはもともとのモーターショー離れという傾向、そしてコロナウイルスのパンデミックという問題があり、かつてのようにモーターショーにて新型車を発表するということが少なくなっていて、代わりに増えたのが「オンライン」での新車発表。
そしてオンラインだと「いつでも」発表の時期を自由に選べるようになるので、これまでのモーターショー時代のように「春と秋」に新型車の発表が集中することはなく、よって最近では「毎月のように」ニューモデルの発表がなされているといった印象も。
ただ、そんな中でも今回の新型メルセデス・ベンツGLCはひとつの目玉だと言ってよく、市場の期待も非常に高いニューモデルです。
新型メルセデス・ベンツGLCはこんなクルマ
そこで新型メルセデス・ベンツGLCを見てみたいと思いますが、一見すると「EQシリーズに近くなったな」という印象。
EQとはメルセデス・ベンツのEVラインアップであり、その性質上、航続可能距離を伸長するために車体表面のフラッシュサーフェス化を図っており、「ツルっとした」デザインを持つことが特徴です(ただ、もともとメルセデス・ベンツは少し前から、段差や突起を極力少なくするデザイン言語=官能的純粋を採用している)。
そしてそのEQシリーズに用いられているフラッシュサーフェスが「普通のラインアップ」にも反映されてきたということになりますが、EVラインアップとガソリン車とのデザイン的境界線がなくなるというのはつい先日発表された新型レクサスRXでも同様であり、これはひとつの傾向だと言えそうです(かつて、EVラインアップはEVであることを強調するため、専用のデザインが与えられることが多かったが、いまやEVが特別なものではなくなり、その必要がなくなったのかもしれない)。※新型GLCのCd値は旧型の0.32から0.29に向上している
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なお、メルセデス・ベンツによると新型GLCは「エレガンス、スポーティ、オフロード」とのバランスを表現し、ヘッドライトとフロントグリルとを連結することで幅広感を強調したフロント部、楕円状のデイタイムランニングランプの採用が新型GLCの視覚的ハイライトである、とのこと。
そしてテールランプも新しいデザインへと移行していますが、最近のBMWが「立体的な」形状のテールランプを採用するのとは対象的です。
フロントグリルはグレードによってデザインが異なり、こちらはスリーポインテッドスターを強調したパターンを持っています(最近のメルセデス・ベンツはスリーポインテッドスターを前面に押し出すことが多い)。
先代GLCに比較すると、新型GLCの全長は6センチ長くなって4716ミリへ、ホイールベースは1.5センチ長くなり2888ミリへ、そして全幅は変わらず1890ミリですが、トレッドはフロントで6ミリ、リアで23ミリ拡大され、視覚的安定感が増しているように思います。
なお、全長に比してホイールベースがさほど伸びていないことでもわかるとおり、新型GLCは荷室スペースの拡張に重点を置いており、実際に新型GLCでは70.7Lも容量が大きくなって620Lもの収容能力を誇るようですね(その割にはけっこうスッキリして見える)。
新型メルセデス・ベンツGLCは「ハイブリッド前提」
新型メルセデス・ベンツGLCのドライブトレーンに目を移すと、これは「ハイブリッド前提」にて設計されているといい、基本は「4気筒ガソリン/ディーゼルエンジンにエレクトリックモーターを組み合わせたもの」。
そのうち4種類は第2世代のスターター・ジェネレーター(ISG)を内蔵したマイルドハイブリッド、ほかの3種類はプラグインハイブリッドという構成となり、プラグインハイブリッドだとエレクトリックレンジの航続距離はいずれも100km以上を誇ります。
グレード展開につき、本国だと「GLC 200 4MATIC」「GLC 300 4MATIC」「GLC 300 e 4MATIC」「GLC 400 e 4MATIC」「GLC 220 d 4MATIC」「GLC 300 de 4MATIC」となり、しかし日本にはどのモデルが輸入されるのかは今のところ不明です。※アメリカ向けには後輪駆動モデルのGLC 300が投入されるようだ
新型メルセデス・ベンツGLEではオンロードとオフロード両方での走行性能を大幅に向上させたといい、オフロードスクリーンによる操作の簡素化や「シースルーボンネット(車体下部のカメラによって車体の下にあるものを映し出す)」の採用、さらにはトラクションやハンドリングにおいても改善が行われている、とのこと。
サスペンションについては快適性と俊敏性を両立すべく、新設計の4リンク式フロント・サスペンションとマルチリンク式独立リア・サスペンションが導入され、振幅依存型ダンピングシステムによってノイズの軽減と乗り心地の向上を果たしている、とのこと。
AIRMATICエア・サスペンション装着車の場合だと、縮み側と伸び側のダンピングを個別に調整できるようですね。
なお、オプションにてリアアクスルステアリングも用意されており、最大4.5度の切れ角をもって回転半径が40cm短縮されて5.5メートルに縮小します。
参考までに、オプションパッケージも見直されたといい、「よく装着されるもの」同士を組み合わせてシンプルな構成へと変更し、パーキングパッケージ(アクティブパークアシストと360度カメラシステムが含まれる)、ドライビングアシストパッケージ(アダプティブクルーズコントロール、アクティブステアリングアシスト、トラフィックサインアシストが含まれる)といったものも登場した、とアナウンスされています。
新型メルセデス・ベンツGLCのインテリアも大きく進化
そして新型GLCのではそのエクステリアや機能同様にインテリアも大きく進化。
ダッシュボードは上下二分割され、メインのメーターはフローティングマウントされた液晶パネル(11.9インチ)、そしてインフォテイメントスクリーン(12.3インチ)は最近のメルセデス・ベンツのマナーに則り(メーターの横から)センターコンソールへ。
MBUXは新世代となり、対話と学習の能力がさらに向上したほか、MBUXスマートホーム機能により、家庭用のモバイルコントロールセンターとしても活用できるようですね。
なお、エンターテインメント機能も強化され、個人の好みや設定を含め、すべての主要な音楽ストリーミングプロバイダーを統合したほか、ニュースフラッシュもMBUXの新機能のひとつだとされ、ビジネス、スポーツ、カルチャーなど、個別に選択したニュースカテゴリーにアクセスすることができるとされ、移動するオフィス、もしくは「サードプレイス(自宅とオフィス以外での自身のスペース)」を目指しているようですね。
なお、見たところ各種スイッチやエアコン吹き出し口、センターコンソールなど、インテリアを構成する構造やパーツが「大きく」なっているようにも見え、シンプルかつダイナミック、そして機能をコントロールしやすくなっているように思います。
見方を変えると、アシスタンス機能を強化し、ドライバーが操作しなくてはならない部分を極力排除しているからこそ、こういったシンプルさを実現できているのだとも思われますが、これをさらに強化するオプションのドライビングアシストパッケージには、アクティブディスタンスアシストDISTRONIC、アクティブステアリングアシスト、トラフィックサインアシスト、360度カメラ付き新パーキングパッケージ、トレーラー操縦アシストなどの機能が追加、さらに改良されている、とのこと。
このほか、新型GLCではすべてのグレードにシートヒーターが装備され、Android Auto/Apple CarPlayへの対応、ワイヤレス充電、ドライバー情報を保存・認識するための指紋スキャナも標準装備。
上述のシースルーボンネットはカラーヘッドアップディスプレイとともにオプションにて提供され、そのほかにも様々な便利なオプション(ダッシュカムもラインアップされている)が揃うようですね。