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1990年代には「グッチとジャガーとのコラボ」によるワゴンが製作されたことがあった!ただし例のお家騒動によって発売できず、製作されたのは1台の試作車のみ

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1990年代には「グッチとジャガーとのコラボ」によるワゴンが製作されたことがあった!ただし例のお家騒動によって発売できず、製作されたのは1台の試作車のみ

| そして今回、そのジャガーXJ-S V12 リンクス・イベンター・デジーノ・ディ・パオロ・グッチがオークションに登場 |

富裕層に向けてコストがたっぷりと掛けられており、コレクション価値も十分に高い

さて、非常に珍しい「ジャガーとグッチとのコラボレーションによる」XJ-Sのシューティングブレーク(ワゴン)が競売に登場。

正確に言うならば、これは「コーチビルダーのリンクスとグッチとのコラボモデル」であり、リンクスはそれまでにもランチア等をベースにした「スポーツ・エステート」をリリースしていた経験があったため、その手法と技術力に間違いはなく、さらには高級スポーツカーのワゴンボディを求める客層の性質を熟知していたことから、このジャガーXJ-Sのシューティングブレークについても「売れる」と踏んで製品化を行うことに決めたのだと報じられています。

グッチの二代目がこのジャガーXJ-S「ワゴン」に感銘を受ける

はたしてリンクスはXJ-Sのワゴンボディ版を完成させ、「ジャガーXJ-S v12 リンクス・イベンター」として発売することになりますが、これに感銘を受けたのがグッチの2代目当主、パオロ・グッチ(創業者であるグッチオ・グッチの孫に当たる)。

パオロ・グッチはこのリンクス・イベンターをグッチブランドから発売しようと考え、リンクスとともにその企画を練り、車両の仕様とおそろいのバッグを付属させた車両を20台のみ発売しようということに。

この車両は「LYNX EVENTER Disegno di Paolo Gucci」として実際に1990年のジュネーブ・モーターショーに出展されたのちに販売も開始され、パンフレットの印刷やバッグの製作も行われることになり、パンフレットには「グッチのデザインディレクター兼プロダクトコーディネーターとして20年間を過ごした後、私の知識と才能をより広い範囲の消費者市場に提供することになりました。そして今、完全に自分の名前でデザインし、私の個性とスタイルを加え、フィレンツェの伝統や、私が持つ熱意、品質へのこだわりをもって、目の肥えた消費者に最高のデザインと製品を提供することになりました」という文字が記されていたといいます。

ただ、そこから「グッチ内部で法的な問題が生じ」、ショー開催の2日めにてこの車両やアクセサリーからはすべてグッチの名が取り外され、単なる「奇っ怪な仕様を持つ高価なリンクス・イベンター」として残りの会期を過ごすことになり、結果的に発売されることはなくそのライフがあっけなく終了。

ちなみにこの法的な問題については、「ハウス・オブ・グッチ」にて描かれたようなお家騒動に関連するものと考えられ、グッチの弁護士が「パオロ・グッチに、グッチブランドの製品を勝手に作る権利はない」と通達したからだとされています。

ちょうどこの時期はパオロ・グッチのいとこであるマウリッツォ・グッチが(妻であるパトリツィア・レッジアーニにそそのかされて)グッチの経営権を奪った頃でもありますね。

その後失意のパオロ・グッチはこのリンクス・イベンター・デジーノ・ディ・パオロ・グッチをデビッド・アンドリュー・リチャーズなる人物に売却し、そして後に買い戻そうとするも「失敗に終わった」という記録も残ります。※ナンバープレートの「DAR」はデビッド・アンドリュー・リチャーズのイニシャル

当時としてはかなりコストのかかったインテリアを持っていたようだ

そしてこのリンクス・イベンター・デジーノ・ディ・パオロ・グッチは、パオロ・グッチ渾身の作品だけあってコストがたっぷり掛けられた作りをもっており、ダッシュボードやドア内張りの一部にはニレ材が使用され、これはシェブロンクロスバンドをはめ込んだ上でブルーラッカーにて仕上げられるという凝ったフィニッシュを持っていて、レザー部分には最高級のイタリア製手染めカーフスキンが用いられます。

さらにメーターや時計の文字盤も専用品へと交換され、シフトノブは半貴石のラピスラズリへ。

シートサイドやヘッドレストはクロコダイル調となり・・・。


ヘッドライナーやダッシュボード下部はブルーグレーのアルカンターラ。

フロアマットも張り替えられ(エッジはレザーのパイピング)、ヒールプレートはレザー製、ステアリングホイールも同じカラーを使用した手縫いのレザーへと改められています。

トランク内のフロアカーペットにはジャガーのモチーフが織り込まれており、パオロ・グッチが心血を注いだであろうこともわかりますね(トランクルームの内張りにもクロコダイル調のカーフレザーが貼られている)。

ジャガーXJ-S V12 リンクス・イベンター・デジーノ・ディ・パオロ・グッチは究極のコレクターズアイテム

このリンクス・イベンター・デジーノ・ディ・パオロ・グッチはずっとその存在が知られないままではあったものの、2014年12月にはデビッド・アンドリュー・リチャーズの娘経由にて出品され、ジャガー愛好家であるコンプリート・クラシックカー・ソリューションズのオーナー、イアン・バーグ氏の手にわたり、同氏はこの車両をレストアするため、このリンクス・イベンターを手掛けた2人の人物を探し出してレストアを行うことに。

この2人とはサセックス州セント・レオナーズでジャガーのボディ修復を専門とするIDL UKの経営者であるゴードン・ラッセル氏、デボン州ビデフォードにあるコンセプト・トリミングのフィル・グールド氏で、レストアの過程では塗装を全て剥がして防錆塗装をやりなおしたほか、インテリアでもウッド部分の再ペイント、レザーの再染色など徹底した作業が行われ、同時にエンジン含むドライブトレーンについてはストークオントレントのジャガー専門店、XJKが担当した、とアナウンスされています。

さらにその後、この車両は2016年6月に開催されたオークションにて現在の所有車のもとへと所有権を移しており、さらに今回新しいオーナーを探しているということになりますね。

ちなみにグッチは過去にいくつか「自動車メーカーとのコラボ」を行っており、AMCホーネット、キャデラック・セヴィル(これは最近ホットウィールとのコラボによってミニカーとして復刻された)、ちょっと前にはフィアット500とのダブルネームが存在するものの、このリンクス・イベンター・デジーノ・ディ・パオロ・グッチほどコスト(と情熱)がかけられたクルマはほかになく、ジャガー愛好家だけではなく、グッチのファンにとっても見逃せない一台だと思います。

参照:Bonhams Auction

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  • この記事を書いた人

JUN

人生において戻せないもの、それは4つ。「失われた機会、過ぎ去った時間、放たれた矢、口から出た言葉」。とにかくチャレンジ、しかし紳士的にありたいと思います。

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