| 現在のMGはスポーツカーを持たず、セダンとSUVに注力 |
ただし0-100km/h加速3秒以下のエレクトリックスーパースポーツ発売のウワサも
さて、現在は中国資本となっているMGが新型車「MG4 EV」の画像を公開。
MGはMG5、7MG6、MG One、MG領航、MG MULANというラインアップを持ちますが、このMG4 EVはMG MULANの欧州向けモデルということになりそうです。
ちなみにMG MULANの「MULAN」はあのディズニー映画で有名になった「ムーラン(木蘭)」を意識したもので、名称を変更する理由として、MGは欧州にて販売を進めるにあたり、中国っぽさを消したかったのかもしれません。
MG4 EVはこんなクルマ
そしてこのMG4 EVはMGの新しいプラットフォームMSP(モジュラー・スケーラブル・プラットフォーム)を採用した初のモデルとなり、シャープでクリーン、そしてスタイリッシュなデザインを持つクルマです。
フロントはグリルレスそして切れ長のヘッドライトを持ち、フロントアンダーからサイドアンダーへと連続するデザインを持つ樹脂パーツが装着され、そこに入るグラフィックもなかなかにオシャレ。
ルーフはグラストップ、そしてロータス・エレトレのようなスプリット・リヤスポイラーが視覚的な特徴となっており、アウディ E-tron GTのようなテールランプも装着され(ライトバーの中央にエンブレムがあるところはトヨタっぽい)、リアディフューザーは大きく、そして上方へと巻き上げることでヒップアップ感が演出されているように思います。
なお、サイドウインドウとリアウインドウが連結したように見えるデザインを持つなど「開放感を求める」中国市場を強く意思したデザインを持っており、しかし開放感を嫌う市場はないとも認識しているので、ワールドワイドに人気が出そうなクルマでもありますね。
ちなみに装着されるタイヤの扁平率は比較的高く、これは快適性を意識したためだと思われます。
このMG4 EVについて、上述のMSPを活用することで高い運動性能を誇っているといい、バッテリーの厚さはわずは11センチ、そして前後重量配分は50:50、バッテリーサイズは51kWhと64kWh、WLTPサイクルでの満充電あたり航続可能距離は350~452kmで、ひとまずは後輪駆動モデルから発売され、のちに4WDモデルも追加されるもよう。
ちなみにバッテリーは「交換システム」にも対応するとされ、車両の物理的なアップデートも可能だといい、なかなかに画期的な設計を持っているのかもしれません。
なお、このMSPは、SUVのほかコンパクトハッチバックやスポーツカーといったモデルにも転用でき(ホイールベースは2650ミリ~3100ミリまで対応)、話題となった「MGサイバースターコンセプト」の市販モデルもこのプラットフォームを活用することになりそうですね。
MG4 EVの仕様詳細、欧州市場における価格については、近日中に発表されるそうですが、MGにて製品・企画責任を担当するデビッド・アリソン氏によれば「優れたコストパフォーマンス」言及しているので”求めやすい”価格となるのは間違いなく、フォルクスワーゲン ID.3、キアEV6、ヒュンダイ・アイオニック5などがライバルになるものと思われます。
MG4 EVのインテリアも先進的だった
そして1枚のみ公開されているMG4 EVのインテリアの画像を見てみると、デジタルメーターにタッチ式液晶パネルを持つインフォテイメントスクリーンを確認でき、その下にはいくつかの物理ボタン、そしてロータリー式コマンダーも。
なお、画像の右下には「SAIC DESIGN」という文字があり、このSAICとは上海汽車を指すので、デザインそのものも中国にて行われている、ということに。
もともとMGは1910年頃に「モーリスガレージ」として創業され、その後1924年に会社としてのMGは1924年に設立されています。
そこからはMGA、MGB、MGFといったスポーツカーをリリースすることになりますが、2005年のMGローバーの経営破綻とともにMGが南京汽車傘下となり、さらにその後南京汽車が上海汽車(SAIC)に吸収されたため、現在のMG(中国では上海名爵)は上海汽車のひとつのブランドということになります。
参考までに、「ローバー」のほうは上海汽車が興味を示さなかったためにフォードが買い取り、その後にはインドのタタがジャガーと(ランドローバー含む)ローバーフォードから買い受け、しかしながらタタは現在ローバー名義で自動車を生産していないので、結果的にローバーは現在「消滅に等しい」状態となっているのはちょっと残念でもありますね。
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参照:SAIC MG