| このハラマ以降、ランボルギーニは急速に「ミドシップ」へとシフトしてゆく |
ハラマはランボルギーニのV12フロントエンジンモデルにおける「集大成」と言っていい
さて、ランボルギーニ・ハラマは今年で誕生52周年を迎えますが、その生産台数はわずか382台という希少なクルマ(330台説もある)。
ボディデザインはマルチェロ・ガンディーニ、シャシーの設計はジャンパオロ・ダラーラが開始し、それをパオロ・スタンツァーニが完成させたと言われていますね。
ちなみにその名称は「スペインのハラマ・サーキットから」というのが通説ではあったものの、ランボルギーニがハラマ50周年の際に公開したコンテンツによれば「スペインにある闘牛牧場の名」から取られたといい、ハラマもやはりランボルギーニの伝統的な命名法則に則ったクルマということに。
参考までにですが、ランボルギーニのテストドライバーを努めていたボブ・ウォレス氏は「ハラマこそ真のランボルギーニである」と述べていて、その評価が非常に高いクルマであることがわかります。
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ランボルギーニ・ハラマは今年で50周年!このハラマを最後にランボルギーニは「フロントエンジンGT」を製造していない
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ランボルギーニ・ハラマに搭載されるのは4リッターV12
ランボルギーニ・ハラマに積まれるのは4リッターV12ガソリンエンジンで、これは「400GT」、さらに「イスレロ」を経てのキャリーオーバー。
ただしその出力は400GTの320馬力からイスレロSと同じ350馬力へと進化を遂げており、パワフルなエンジン、パッケージングをして、ランボルギーニ創業者であるフェルッチョ・ランボルギーニ氏に「エスパーダよりもスポーティーで、ミウラよりも使い勝手が良い」と言わしめています。
ちなみに登場した順序では、350GT→400GT / ミウラ→イスレロ / エスパーダ→ハラマとなっていますが、ランボルギーニにとっては「最後に発売されたV12エンジンをフロントに積むクルマ」。
ランボルギーニは1966年に(世界で初めて大排気量エンジンをリアミッドに積む)ミウラを発売しており、これがランボルギーニのその後の方向性を決定づけたと考えてよく、以降は急速にミドシップへとシフトしていて、よってハラマの後にはウラッコやカウンタック、シルエットといった「いかにもスーパーカー」的なウェッジシェイプを持つクルマが登場しています。
そのため、このハラマは「新しい時代に移る前の」最後のランボルギーニだと考えることもできますが、それだけにデザインが(現代の)ランボルギーニっぽくはなく、しかしその1年後に登場するカウンタックのプロトタイプにつながったと思われるディティールも。
その後1972年にハラマは「ハラマS」へとアップデートされ、ボンネットにNACAダクトを追加し、エンジンパワーは15馬力プラス、そしてホイールは現代的なデザインに進化することに(このハラマは1975年モデル)。
ちなみにヘッドライトの前にあるのは「カバー」であり、これが上から下に回転するようにして格納されることでヘッドライトが顔を出します(下の動画の10分09秒にて動作の様子を確認できる)。
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ランボルギーニ・ハラマのインテリアはこうなっている
そしてこちらはこのハラマのインテリア。
ブラックのダッシュボード(おそらく貼り替えられている)にタンレザーが当時風。
ちなみにトランスミッションは3速ATを積んでおり、ランボルギーニが当時から運転しやすさを追求していたことを理解させる部分でもありますね(ランボルギーニはもともと、ハードコアなスポーツカーメーカーではなく快適な高級GTカーメーカーを目指して設立されている)。
おそらくはシートも張替え済みだと思われます(周囲に比較してきれいなので)。
後部座席は結構広々。
リアにはトランクも設置され、なかなかの使い勝手を持っていることもわかります。
ただ、このランボルギーニ・ハラマにはいくつか修理や交換が必要な部分があり、タイヤ、エアコン、ヘッドライト、エンジン本体、ブレーキなどには手を入れる必要があるもよう。
だとしてもテストドライバー、そしてランボルギーニ創業者が高く評価したハラマの魅力を損なうものではなく、オークション終了間際にかけ、大きく価格が上がることになるのかもしれません。
このランボルギーニ・ハラマを紹介する動画はこちら
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参照: Bring-a-Trailer