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ランボルギーニはまだ「完全に電動化するかどうか」について最終判断を下していない?合成燃料(eフューエル)に対するEUの対応を注視しているようだ

2022/08/05

ランボルギーニ

| たしかにeフューエルが認められるかどうかによって今後の流れが大きく変わる |

しかしeフューエルが一般に流通するとは考えにくく、将来はディーラーにて販売するようになるのかも

さて、現在多くのスーパーカーメーカーが電動化を進めていますが、いずれも「全ラインアップを電動化、そしてピュアエレクトリックモデルも発表する」とコメントしているものの、フェラーリ、アストンマーティン、ポルシェ、そしてランボルギーニにおいては「ガソリンエンジンを廃止するかどうかについては明言を避けている」状態です。※電動化に積極的なフェラーリであっても、2030年には純粋なガソリン車の販売比率が20%だとしている

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そして今回はランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏へのインタビューがテック系メディアにて紹介されていますが、同氏によれば「EVへと完全にシフトするかどうかは、EUの動向を見て決める」。

2035年にはガソリン車の販売ができなくなるが

ちなみにEUは2035年に「ハイブリッドだろうがPHEVだろうが、ガソリンエンジン搭載車の販売を禁止する」という判断を6月末に下しており、このまま行くと内燃機関を搭載した車の販売は(EU内で)絶対的に不可能、ということに。

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ただしその決定にはいくつか検討事項が残されており、今後の自動車業界の流れを左右するものだと「水素を燃料に使用したエンジンや、合成燃料には道が残されたこと」。

ちょっと前までは水素でも代替燃料であっても「燃えるものはなんでもダメ」であったのですが、直近の決定ではこれらについて「CO2を排出しなければOK」という感じに変化しています。

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なお、水素エンジンは燃焼したとしてもCO2を発生しない(厳密には、潤滑油=エンジンオイルがちょっとだけ燃えるので、そのぶんのCO2は発生してしまう)ので、EUの示した新解釈に従えば「OK」なのかもしれません。

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ランボルギーニは合成燃料に活路を見出す

そしてもうひとつの合成燃料(合成燃料)つまりeフューエルですが、これはガソリンの代わりに使用するものであり、「燃えることでOC2は発生するが、燃料生成の段階でOC2を回収しているので、結果的にCO2排出と回収がプラスマイナスゼロになり、よってカーボンフリー」という考え方の燃料です(同じカーボンフリーでも、水素エンジンとは根本的に異なる)。

この大きな特徴は、既存のガソリンエンジンにも使用できるということで、もしこれをEUが正式に認めると、ランボルギーニはもちろん他の自動車メーカーもガソリンエンジンを作り続けることができ、2035年にガソリンエンジン車の販売を「禁止しない」国に対してもそのままガソリン車を販売できるということに。

ただ、この「一見して救世主のように見える」合成燃料にも大きな問題があり、それは「価格が高いこと(ガソリンの2-3倍くらい)」。

よって、通勤用のコンパクトカーにこの合成燃料を使用するということは考えられず、これを使用するのは高級車やスーパーカーに乗る裕福な人々のみ、ということになります。

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つまりランボルギーニは、この合成燃料が認可されるかどうかによって今後の方向性を大きく変える可能性があり、「NO」であればもう必然的にピュアエレクトリックへと進むよりほかはなく、しかし「YES」であればガソリンエンジン搭載車が残る、ということに(もしかするとV12ガソリンオンリー車が復活するかも)。

ただ、ウルスの後継モデルは(日常的に乗られる可能性が高いという)その性質上、ピュアエレクトリックとなる可能性が高いのかもしれません。

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参照:Tech Crunch, Motor1

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