| ボクはサイバートラックの生産開始になみなみならぬ期待を寄せている |
サイバートラックの量産開始はおそらく様々な状況を一変させるだろう
さて、テスラはつい先日、年次株主総会を開催したところですが、そこでは「2022年に20万台の生産を行う」「2030年には2000万台の生産規模にまで成長する」という果敢な目標を強調し、しかし同時にサイバートラックに関して「悪い知らせがある」と発表。
サイバートラックについてはこれまでにも何度か発売延期の発表がなされ、しかし「市販モデルの姿や仕様はコンセプトモデルと大きくは変わらず微調整した程度」だと述べていたものの、今回はじめて仕様そして価格に言及することとなっています。
やはり原因はインフレ
なお、サイバートラックは2019年に発表されていますが、その際の予定は「2021年納車開始」。
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その際の価格は39,900ドル〜に設定されていたもののそこから世界的な情勢が大きく変わって物価や人件費、そして様々なコストが上昇してしまい、よってテスラは今年に入ってからは連続して大幅値上げを行っています。
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そして今回、年次株主総会にて「ちょっと悪いお知らせをするのは嫌なんですが」と前置きし、「サイバートラックのスペックと価格が変わります。私達は様々な要因を想定していましたが、それでもこのインフレは想定の範囲を遥かに超えていました」と切り出すことに。
ただ、今回その価格やスペックがどう変わるのかについて言及はなく、よって今後のグレード展開や販売価格についてはわからないものの、これはテスラだけではなく他の自動車メーカー、とくにEVについては同じ状況にあり、リビアンに至っては「受注済み」の顧客に対しても値上げを行うと発表して猛烈に非難され、これによって大きく株価が下落したために「値上げ撤回」を行うという異例の事態へと発展することに(テスラの場合、価格を決定して受注した場合、基本的にそこからの値上げを行う例は少なく、値上げ自体が”納車時までのインフレ”を織り込んでいる価格だとされる)。
参考までに、2019年の発表当時だと、サイバートラックの航続距離は最大805km、積載量は1,588kg、牽引力は最大6,350kg、アプローチアングル35度、デパーチャーアングル28度、最低地上高は41cm、最大でトライ(3)モーターだと発表されています。
テスラ・サイバートラックの生産は2023年半ばから
ただ、変更後の価格やスペックについては今回示されなかったものの、今回の株主総会では「今後2〜3ヶ月で、サイバートラックの生産設備や工具を工場に設置しはじめる」とも明言しており、生産開始時期は2023年に半ばになるともコメントしており、これが「最終決定」だと信じたいところですね。
なお、テスラは物ごとの優先順位をはっきりさせる会社であり、ちょっと前までの最優先は「現在受注を受けている既存モデル、つまりモデルS、モデルX、モデルY、モデル3の生産を最大化して顧客へと届けること」であり、そのためにサイバートラック、そして2万5000ドルで販売すると言われていたコンパクトEVについて「後回しにする」とも。
話題性を重視し、また失望売りを避けようとなるとサイバートラックの生産を早めに行うべきではあるものの、それよりも(意外なことに)着実な方法を選んだと考えてよく、思わぬところでテスラの堅実性が明らかになっています。
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