| 当のポルシェもまさか50年前にはここまでRSモデルが人気を博すとは考えていなかっただろう |
今となってはある意味でポルシェの「顔」でもある
さて、ポルシェは911 GT3 RSの最新モデルを発表したところですが、今年はちょうど「最初のRS」が誕生してから50周年にあたるため、ポルシェは「RS」に関わる様々なコンテンツを公開しています。※最初のRSモデル、911カレラRS 2.7(ナナサンカレラ)は1972年に発表され、1973年に発売(納車)されている
そして今回、ポルシェはツッフェンハウゼンにあるポルシェ・ミュージアムにて「スピリット・オブ・カレラRS」なる特別展を開始したと発表しており、いくつかその画像を公開しています。
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展示物には「初代RS」プロトタイプも
今回の「スピリット・オブ・カレラRS」の展示では964、993、996、997、991、992の各世代”RS”モデルが展示され、レーシングバージョンのRSR、さらには映像、写真、レースポスター、パンフレットなど、これらのモデルのストーリーを紹介するコンテンツも。
そしてこれら展示物の中には「初代RSプロトタイプ」も含まれるといい、ポルシェのRSモデル好きにとってはたまらない内容かもしれません。
さらには最新の「スポーツクラシック」も。
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最初は「100台売れればいい」とされていた911カレラRS 2.7だったが
最初のRSモデルである「911カレラRS 2.7」は1972年のパリモーターショーにて、グループ4レース用のホモロゲーションスペシャルとしてデビューしていますが、規定に従って500台の生産が義務づけられていたものの、ポルシェとしては「100台売れるかどうか」と考えていたということが先日(ポルシェによって)明かされています。
加えて「ダックテール」リアスポイラーの名称の由来についても触れられていますが、このモデルはポルシェの懸念とは裏腹に大きな反響を得ることになり、結果として予想を大きく超える1,580台を販売したばかりか、現代にまで連なる「RSのレシピ」を確立し、そして「RSモデルの商業的価値」をポルシェに認識させることとなっています。
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その後ポルシェ911は「空冷」から「水冷」世代へと移行し、しばらくは「RS」は欠番となるものの、1999年に競技用ベース車両として「(996世代の)911 GT3」が発売され、その上位版として「911 GT3RS」が発売されることに。
ボディカラーはホワイトのみで、ホイールやエンブレム、サイドのストライプは「ブルー」もしくは「レッド」のみ、もちろんサイドのストライプは「ナナサンカレラ」をイメージしたものとなっています。※ポルシェGT部門のボス曰く、このペイントとポリッシュがかけられたホイールは「非常に高価」
出力は381馬力、0-100キロ加速は4.4秒、車体重量は1360キロ(GT3より20キロ軽い)、結果的に682台(911Gt3は1,889台)が製造されています。
997世代の911GT3 RSは、ポルシェのセオリー通りにパワーアップ、軽量化、ハードな足回りを追求したモデルで、ボディはカレラ4の「ワイドボディ」を採用。
ブラックにオレンジ、オレンジにブラックの「コントラストカラー」が人気を呼び、各チューナーがこぞってこのカラーリングを採り入れることとなった人気モデル(シルバーやグリーンもある。このコントラストカラーはオプション)。
996GT3RSがある程度2.7RSへのオマージュ的な外観を持っていたのに対し、997GT3RSからは「GT3RSは特別なモデルである」という主張が強まっていて、そのため価格もぐっと高価となっています。
ただし価格以上のパフォーマンスを誇るのも事実で、エンジンが911GT1由来のものとなり、機械式LED装着、さらにリアウインドウを樹脂製とするなど極端な軽量化が施され、「RS」の名声をさらに高めることに成功したモデルでもありますね。
そして991世代の911GT3 RSだと、エンジンは997世代のGT3RS4.0を引き継ぎ、しかし出力は500馬力の大台へ。
ポルシェ911としては「初」のアクティブリアホイールステアリングを採用し、前期型ではトランスミッションも「PDK」に限定するなど大きく方向性をシフトしていて、もちろんその根底にあるのは「速く走るため」(ポルシェはそのためにマニュアル・トランスミッションを切り捨てた)。
つまりは「操る楽しさ」よりも純粋に「タイム」を求めたモデルだということになり、「ホモロゲーション取得用」に作られた初代のレーシングスピリットを受け継いでいる、と言えそうです。
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