iPhoneとApple Watchに実装される「衝突事故検知機能」は自動車事故以外にジェットコースター乗車時にも作動！米オハイオにて実例が報告される

｜　アップルはさっそく「事故検知条件」を見直す必要がありそうだ　｜

ただしこれによって多くの人々が救われていることも間違いない

さて、アップルはiPhone14、新しいApple WatchとApple Watch Ultraを発表し、それと同時に最新のオペレーティングシステムをリリースしていますが、この目玉の一つが「衝突事故検出機能」。

アップルはこれについて「新しいセンサーと機械学習アルゴリズムが重大な自動車衝突事故を検知し、自動的に緊急通報サービスに連絡します。さらにApple Watch Ultraは救急にあなたの位置情報を知らせたり、緊急連絡先に通知することもできます」と紹介しており、ドライバーに代わって自動的に緊急連絡を行うという便利機能というわけですね。

iPhone、Apple Watch / Apple Watch Ultraに搭載される衝突事故検出機能はこういった仕組み

この衝突事故検知機能（クラッシュディテクション）はすでに一部のクルマに搭載されているエマージェンシーコールに類する機能を腕時計（Apple Watch）と携帯電話（iPhone）に内蔵したもの。

どんなクルマであっても、どこであっても衝突を検知し、詳細な衝突データをもって警察への通報や緊急医療対応を行う機能であり、この技術はすでに既存Apple WatchやiPhoneに存在していたものの、今回3軸ジャイロスコープと加速度センサーが大きく見直され、より多角的にGを測定し、より正確な情報を提供するといい、新しい加速度センサーは、あらゆる自動車事故の深刻さを測定するため、計測可能なのはなんと256Gまで。

サンプルレートも以前より4倍速くなって1秒間に3000回のデータを読み取れるようになっており、衝突を検知した正確な瞬間、方向、場所、そしてApple製デバイスがどのような衝突に巻き込まれたのかまでもがわかるとされ、すべてのデータを新しいアルゴリズムで融合し、事故の全容を正確に把握することができる、とアナウンスされています。

なお、「事故」を定義するに際しては、膨大なデータの収集と分析を行っており、前面衝突、側面衝突、後面衝突、横転の4つの衝突に焦点を当て、それぞれの衝突試験で検証したロジックを用いているそうですが、iPhoneとApple Watchに実装されたシステムについて、ジャイロスコープと加速度センサーだけでなく、気圧計（車内の気圧の変化）、マイク（事故の際の衝撃音）、GPS（速度の変化）など、ほかのセンサーからのデータを取り込んだ後に総合的に判断しているとのこと。

つまりは「単に衝撃があったから」事故だと判断するわけではない、ということですね。

ただし今回、衝突事故検知機能がジェットコースターにて発動する

ただ、今回ウォールストリート・ジャーナルが報じたところによれば、この衝突事故検知機能は「ジェットコースターに乗っているときにも発動することがある」ようで、実際に米国オハイオ州にて「バックパックにiPhone14を入れてジェットコースターに乗ったところ」ジェットコースターの動きや衝撃を事故だとご認識し、iPhoneが自動的に911（警察）へと電話をかけた事例があったもよう。※ウォールストリート・ジャーナルが公開した動画にて、そのコール、911のメッセージを確認できる

こういった事例を見るに、アップルは「ジェットコースターに乗っているときに作動しないよう」ソフトウェアを調整する必要がありそうですが、アップルの名誉のために補足しておくと、ちゃんとこの衝突事故検出機能が適切に動作する、ということも（ユーチューバーによって）証明されています。

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参照：The Wall Street Journal, TechRax