米正規ディーラーにて、新型日産フェアレディにオプションを強制装着し「倍以上」の価格で販売する例が多発。「このままではZがダメになる」という声も

｜　これまでにも多数の同様の例が報じられているが、フェアレディZに関してはとくにこういった報告が多いようだ　｜

今のところ日産はなんら手を打っていない状態

さて、ここ最近は新車を購入することが非常に難しくなっていて、ただでさえサプライチェーンや地政学的リスクによってパーツや素材の調達が難しくなっているうえ、特定車種に人気が集中する傾向があり、「1年待ち」「2年待ち」はザラと言った状態です。

とくにコロナ禍以降はスポーツカーに注目が集まっていて、そしてスポーツカーはこれまで「売れないクルマ」の筆頭だったためにメーカー側も大量に生産できる環境を整えておらず、そこに大量の注文が押し寄せたために「完売」が続出することとなっています。

アメリカでは値上げが深刻な状況に

なお、日本では正規ディーラーが「希望小売価格以上」で売ることは社会通念上許されず、しかし北米では堂々とそれを行うケースもあり、これは日本に比較して北米市場の価格流動性が高いためだと思われます（逆に、在庫が余ると大きく値下げを行うことも多い）。

よって現在アメリカではシボレー・コルベットZ06、ホンダ・シビック・タイプR、そして日産フェアレディZといった発売されたてのスポーツカーのプレミア販売が横行しているわけですが、一部自動車メーカーは、そういった行為を行うディーラーに対して「値上げ行為は消費者の信頼を損なうのでやめるよう」通知しているものの、また一部のメーカーはこの状況を「放置」しています。

報道を見る限りだと日産は今のところなんら制限を行っておらず、よって新型フェアレディZが信じられないような価格で販売されているようですが、今回は52,990ドルの希望小売価格を持つ新型フェアレディZ Proto Specに対し、その倍以上の68,000ドルを上乗せして129,999ドル（1900万円・・・）で販売している日産の正規ディーラーが新型フェアレディZのFacebookグループ上で話題となっており、そしてあろうことかそのディーラー（スコット・エバンス日産）は「ええそうですよ」とあっさりその価格を認めたもよう。

さらに別の「上乗せ販売」ディーラーも画像とともに報じられ、このHGregg日産では54,915ドルの希望価格に対して50,000ドルの上乗せを明確に記していて、その内訳としては「盗難防止システム、ボディコーティング、プロテクションフィルム」。

つまりこれらが5万ドル（731万円）に相当すると主張しているわけですが、こちらについても問い合わせた人に対して動じることなくこの価格を提示したといい、このほかにも同レベルの値上げはゴマンとあるもよう。

日産はこの事態に対処すべきという声も

さすがにこういった状況については、値上げに慣れている北米のユーザーも腹に据えかねている状況だと見られ、あちこちのサイトにて不満が噴出していますが（値上げを晒すサイトまでできている）、中には「この状況は、せっかくの日産フェアレディをダメにしてしまう」「日産の努力を無にする行為」という声もあるもよう。

実際のところ、こういった行為、そしてそれを放置する日産に対して「いい印象」を持つのはおろか、「仕方ない」と考える人も少ないものと思われ、その怒りはディーラーに対して、そしてさらにはそれを放置する日産へと向かうのかもしれません。

こればかりは商慣習の違いとしか言いようがないものの、やはり日産は「ポーズ」であったとしても、この上乗せ行為をやめるようにという公式な声明を出すべきかもしれませんね。

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参照：Carscoops, The New Nissan Z