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フェラーリ365GTB/4 デイトナでは最も状態の良いとされる一台が8000万円の予想落札価格とともに競売へ。現在までに2オーナー、一人目は46年間も所有し続ける

2023/01/01

フェラーリ365GTB/4 デイトナでは最も状態の良いとされる一台が8000万円の予想落札価格とともに競売へ。現在までに2オーナー、一人目は46年間も所有し続ける

| このノーズバンド付きのフェラーリ365GTB/4 デイトナははじめて見た |

ここまでオリジナルの状態を残し、同時に情報が残っている個体はそうそうない

さて、フェラーリの歴史において非常に知名度が高く、その美しいスタイリングで知られるのがこの365GTB/4デイトナ。

レオナルド・フィオラバンティによる革新的なシャークノーズデザインとともに発表され、1967年のデイトナ24時間レースで1-2-3の表彰台を独占したことにちなみ、「デイトナ」の愛称で呼ばれることなったのは有名な話ですね(デイトナというのはフェラーリ公認の名称ではない)。

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フェラーリ365GTB/4 デイトナは「過渡期」の存在だった

なお、当時多くのスーパースポーツはミドシップへと移行しており、フェラーリもリアミッドシップへと移行すべくフラット12気筒を開発していたものの、開発が完了するまでの「つなぎ」として登場したのがこの365GTB/4 デイトナ。

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ただし「つなぎ」といえど4.3リッターV12エンジンは352馬力という驚異的な出力を誇り、ランボルギーニ・ミウラを抑えて(当時)世界最速の市販車となったこともよく知られる事実です。

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その後フェラーリのV12モデルはリアミッド世代へと移行しますが、ひとまず「フロントエンジンV12モデル」はこの365GTB/4にて終止符を打つことに(その20数年後にフロントV12エンジンフェラーリが復活する)。

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エンジンの低位置配置を可能にしたドライサンプ潤滑方式、理想的な50対50の重量配分を実現した5速トランスアクスル、全輪独立懸架サスペンションなどによって365GTB/4デイトナは高速走行時のキレのあるハンドリング特性を実現し、さらにはタイヤの接地面積を向上させるワイドホイールや強力なストッピングパワーを発生する4輪ディスクブレーキなど、競技に耐えうる優れたパッケージングを実現したことも大きな特徴であり、ミドシップへの移行前にしてフェラーリは最も完成度の高いフロントエンジンモデルを送り出してきたと言っていいかもしれません(フロントエンジンフェラーリの集大成でもある)。

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このフェラーリ365GTB/4は2オーナー

そしてこのフェラーリ365GTB/4(シャシーナンバー14207)は1971年3月に完成し、その後最初のオーナーが住む米国へと送られますが、この個体はエアコン、パワーウィンドウ、ボラーニ製ワイヤーホイールを工場にて装備し、ロッソ・キアロ塗装にシルバー/グレーのノーズバンド、ネロ・ヴォーモル・コノリー・レザーというインテリアを持っています。※このノーズバンドは初めて見た

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ちなみにシルバーのノーズバンドに対応する形で、リトラクタブルヘッドライトのハウジングまでもがシルバーにペイントされているようですね。

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そして驚くべきは、これらの仕様が現在にいたるまでオリジナルのまま維持されていることで(ボディパネルはオリジナルと同じカラーに再塗装済み)、近年オークションに登場したデイトナの中でも「もっともオリジナルコンディションを残している一台」だと評されています。

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1971年3月に出荷されたのち、同年5月にこの365GTB/4デイトナはネバダ州リノにあるモダンクラシックモータースに納品され、その後に最初のオーナーであるリノの商業用不動産開発業者セオドア・デイに売却されたという記録が残りますが、驚くべきことに彼は46年もの間、このクルマを所有し続けたのだそう。

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さらにセオドア・デイの名前は、フェラーリが保管するSEFAC(Società per Azioni Esercizio Fabbriche Automobili e Corse)フォームに記載されているといい、これは1960年代から1970年代初頭にかけてのフェラーリのビジネス活動における組織名で、この時期の書類が残っている例は比較的珍しいとされています。

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セオドア・デイ氏は、この365GTB/4 デイトナを丁寧に維持しながら、長年にわたってわずかな走行距離しか記録しておらず、それは2017年7月に売却する際のオドメーター読み取り値が29,090マイル(46,815キロ。年間平均わずか632マイル)であることからも見て取ることが可能。

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現在のオーナーは2017年8月にこのフェラーリ365GTB/4 デイトナを入手していますが、その後ネバダ州スパークスのインテレピッド・モーターカー・カンパニーによって、キャブレターのリビルドと新しいバッテリーへの交換を含む大規模整備が行われたと紹介されています。

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この365GTB/4 デイトナは、ファクトリーカラーのロッソ・キアロで再塗装され、現在はクロモドーラのアルミホイールを装着しているものの、オリジナルのボラーニ製ワイヤーホイールも付属しているほか、シャシー、エンジン、トランスアクスルがマッチングしているという(載せ替えがなされていない)非常に価値の高い一台。

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付属品としてはツールロール、オーナーズマニュアル、SEFACの書類、1971年から1989年までの登録証、サービスインボイス、マッシーニ社のヒストリーなどが紹介されており、まさにこれ以上の個体はないんじゃないかという充実ぶり。

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予想落札価格は最高で600,000ドル(現在の為替レートで約8000万円)というエスティメイトが出されており、それでも手に入れておくべき価値がある一台だと思います。

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参照:RM Sotherby's

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