| ブラックやブルーのインテリアカラーを持つレクサスLFAは一般的だが、このブルーはちょっとめずらしい |
「ホワイトとブルー」は中東では人気が高いカラーコンビネーションのひとつ
さて、ときどきオークションに登場してはびっくりするような高値をつけることがあるレクサスLFA。
今回は「ホワイト外装にブルー内装」というレアな仕様を持つ個体がオークションへと登場するとアナウンスされており注目を集めることに。
なお、このレクサスLFAは500台限定のうち211台目で、現在の走行距離は6,096kmだと紹介されています。
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レクサスLFAはこんなクルマ
レクサスLFAの企画は2000年にはじまったといい、酒の席にて、(当時の)第一開発センター第一企画部の棚橋晴彦氏が、センター長である服部哲夫氏に、「何の制約もなく自由に開発できるとしたらどんなクルマを作るか」と聞かれ、「スポーツカーです」と答えたのがきっかけだとされています。
その後、棚橋晴彦氏は自身の「スポーツカー計画」を実現させるべく服部哲夫氏を説得することに成功し、どうせやるならば「お金儲けのためではなく、”それまでのレクサスが、台数を販売することのみを考えて、差し障りのないクルマばかりをつくり、退屈な自動車メーカーとして認知されている”現状を覆すため」、さらには「レクサスが、フェラーリにも負けない官能的なドライビングエクスペリエンスを提供できるような、真に優れたドライビングマシンを作る能力を持っていることを示すこと」が命題として掲げられ、トヨタの最も優秀な人材を集めたチームにて開発が進められることに。
なお、人材も「最高ランク」であれば開発資金も「それまでにないレベル」であったといい、そこでトヨタ初のカーボン製シャシーやカーボン製ボディ、航空機グレードのプロペラシャフト、専用設計のV10エンジンといった数々の専用ユニットやパーツが開発されることになるわけですが、2000年のプロジェクト発足から9年後を経て2009年10月21日に満を持して発表されています。
そしてLFAの最大の特徴は、ヤマハと共同開発した560馬力の4.8リッターV型10気筒エンジンにあると言ってよく、もちろん個のエンジンはLFAのためだけに開発されたもので、当時トヨタ・レーシングのF1用V10パワートレインを製造していた工場で組み立てられています。
このエンジンブロックはアルミニウム、マグネシウム、チタン合金を組み合わせたもので、一般的なV型8気筒よりも小さく、さらにはV型6気筒よりも軽量だとされ、電光石火の6速オートメーテッド・シーケンシャル・マニュアル・トランスミッション(ASG)が組み合わされます(その吹け上がりがあまりに速く、アナログメーターでは動作が追いつかないとされてデジタルメーターが採用されたほど)。
ボディパネルはCFRP製、そしてCd値はわずか0.31という高い空力性能を誇っており、これだけのコストがかけられていることを考慮するに、当時の3750万円という価格は「格安」だったのかもしれません。
なお、レクサスLFAの現在の取引相場は新車価格の倍くらいとなっていて、むしろ現在の中古車価格がレクサスLFAの正当な価値を表現していると考えて良さそうですね。
このレクサスLFAはこんなスペックを持っている
そして今回出品されるレクサスLFAですが、ボディカラーは「ホワイテストホワイト(真っ白の中の真っ白)」で、このカラーを持つLFA、かつ左ハンドルは44台のみしか生産されていないのだそう。
新車時の出荷先は中東で(コーションラベルはアラビア語)、インテリアはブルーのカーペットにレザーシート、ダッシュボード、ドアインナーパネルを持ち、さらにはカーボンファイバー&レザー製ステアリングホイール、アルミニウムトリムとグロスカーボンファイバーのアクセントを持つカスタム仕様。
車体後部に目を移すと、中東向けということなのか、消化器がセットされるという珍しい付属品構成を持っています。
さらにはスペアタイヤも付属。
ホイールは比較的珍しいダークメタリック仕上げ(シルバー、そしてアメリカ向けだとポリッシュが多い)。
このレクサスLFAは2013年6月にカタールで最初のオーナーに登録され、その後2021年7月にスイスで登録されており、2021年9月にはドイツ・ケルンのトヨタ正規ディーラーによって1,517.28ユーロの費用をかけて整備されています。
レクサスLFAは、その圧倒的なパフォーマンス、驚異的なドライブトレイン、エキゾチックな構造、シャープなスタイリング、そして何より官能的とすら言えるサウンドなど、そのすべてが神秘性とコレクション性を永続させる要因となっており、まだまだその価値を上げることになりそうですね。
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