| スーパーカーに乗る身として、この問題は痛いほどよくわかる |
見た目はちょっとアレだが、その効果は絶大だった
さて、スーパーカーやスポーツカーに乗っていて困ることがあるのは「そのサウンドの大きさ」。
オーナーさん自身がそのサウンドを嫌がることはないと思いますが、問題となるのは近所の苦情であり、どうやらそれは万国共通しての悩みでもあるもよう。
そして今回、アメリカ在住のコルベットC8オーナー、ラリー・リーさんが紹介するのが「自作のサイレンサー」。
先日発表されたコルベット初のハイブリッドモデル、コルベットE-Rayには、短距離ながらもフルエレクトリック状態にて走行できる「ステルスモード」が内蔵されており、これを使用すると「(近接警告音以外は)無音」で走行できるのですが、スタンダードなコルベット・スティングレイでは(エレクトリックモーターが内蔵されていないので)そうもゆかず、よってラリーさんは自分にて「ステルスモード」を再現しようと考えたわけですね。
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自作「ステルスモード」はこうやって作動する
そこで今回、ラリーさんは自身のYoutubeチャンネルにてこの「自作ステルスモード」を披露していますが、まずはコルベットのリアトランクを開き・・・。
取り出したるはこの珍妙なマフラー。
これをズボっと純正のエキゾーストパイプに差し込みます。
両側に差し込んでひとまず完了。
ちなみにこの自作ステルスマフラーは1本あたり400ドル(現在の為替レートにて54,000円くらい)ものお金がかかっているのだそう。
自作ステルスモードの効果はあなどれない
そしてコルベットに乗り込んでエンジンをスタートさせてその効果を披露してくれるのですが、実際にこの自作サイレンサーを装着するとその音はかなり静かであるように聞こえます。
ただしこのサイレンサーは常時装着して走行するわけではなく・・・。
ガレージからクルマを出した後にはいったん停止させてサイレンサーを取り外し・・・。
ガレージ内に置いておくか、またコルベットのトランクに積んでおくのだそう。
なぜこの自作サイレンサーは「一瞬」しか使用しないのか?
そこで「なぜサイレンサーをすぐに外してしまうのか」と疑問に感じる人がいるかと思いますが、ここで補足しておくと、一般に欧米のクルマでは(排ガス規制に関する計測方法の関係で)できるだけ早く触媒を温めて最適な状態に維持してCO2排出量を最小限に収めることを目的とし、冷間時のエンジンスタートにおいては、(車両の制御コンピューターが)意図的にエンジン回転数を上げて触媒を加熱するというロジックを持っています。
よってエンジンがと触媒が冷えている時、たとえば朝一番などにエンジンを”コールドスタート”させると爆音が出ることになり、これが著しく近所の人々からの不評を買うことがあるわけですね。
ただ、このコールドスタート時の「意図的な回転数上昇」は永続するものではなく、おおよそ40~60秒くらい経つと触媒が温まり、その後は(それほど)うるさくないレベルにまで回転数が落ち着くのですが、ラリーさんは「回転数が高い」、つまり爆音が出る間のみ、この自作サイレンサーを使用しているわけですね。
このサイレンサーの見栄えはあまり良いものとは言えず(もちろんこれは見せるためのものではない)、「もっと見た目をカッコよくする予定はないのか」という問いに対しては、ラリーさんの奥さんが「主人は、近所の家の掃除や芝刈り、子供の送り迎えで忙しいから、そこまでの時間はないでしょう」とコメント。
つまりラリーさんは近所と良好な関係性を構築しているものと思われ、実際には「苦情が出たから」このサイレンサーを作ったのではなく、「苦情が出ないように」というラリーさんの優しい配慮から生まれたパーツなのかもしれません。
ちなみにですが、ぼくもスーパーカーを所有しているという都合上、この「意図せぬ大音量」に悩まされているひとり。
ウラカンEVO RWDのコールドスタート時の音量はだいたい103デシベルくらいで、これは「電車が通過する高架下」と同じくらいだとされ、会話がままならないレベルです。
よって、ぼくもなるべく近所から苦情が出ないよう、朝早く(だいたい10時くらい)にはエンジンを始動させない、近所の人との付き合いを良好に保つため、依頼があればクルマに乗せたり一緒に写真を撮ったりといった対応を行なっているわけですね。
参考までにですが、問題となるのはコールドスタートのみであり、よって夜間に帰宅する際にはすでに触媒が温まっているので大きな音が問題になることはなく、深夜の帰宅についてはさほど気にしていません。
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もうひとつ参考までにですが、このランボルギーニ・ウラカンの「コールドスタートの爆音問題」については裏技があるとされ、エンジンをスタートさせた直後にすぐエンジンを切り、その後にまたエンジンをスタートさせれば「コンピューターが”触媒が温まっていると認識して”低い回転数でスタートさせることができ」、よって爆音が出る時間が”一瞬”で済むもよう(ぼくは試したことがないが、この方法である程度爆音を回避できると聞いた)。
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参照:Larry Lee