| ポルシェのレストアもここへ来て様々な楽しみ方がなれるようになってきたようだ |
今年はポルシェのスポーツカー生産75周年だけに大きな盛り上がりが期待される
さて、毎年全米にて行われる「ポルシェ・クラシック・レストレーション・チャレンジ」。
これは全米60以上ものポルシェ正規ディーラーを対象とし、1950年代から2000年代にかけてのポルシェのレストアをいかに行うかという技術を競うもの。
昨年までは「最優秀賞」はひとつしかなかったものの、今年からは3つのカテゴリにおいてそれぞれの最優秀賞が決められることになり、各ディーラーとしては自身が得意とする分野にて争うことができるようになり、いっそうの活性化が期待できることとなるもよう。
新しい3つのカテゴリはこうなっている
そこで今回ポルシェが発表した3つのカテゴリを見てみると、1つ目は「レストア」。
これはいかに工場出荷時の状態に近づけることができるかというもので、そのプロセス、技術、そしてもちろん出来栄えを競うもの。
昨年優勝したダークブルーの1989年型911ターボはこの路線であり、「オリジナルの仕様に対して正確に」レストアされたものですね。
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2つ目は「プリザベーション」で、こちらは「可能な限りオリジナルを維持する」ものの、必ずしも工場出荷時と同じ仕様とする必要はなく、カラーチェンジ、そして車両の改良も許されているのだそう。
これについては8万点以上の「ポルシェクラシック」純正パーツの使用が許可されています。
そして3つ目は「インディビデュアライゼーション」。
こちらは純正パーツをクリエイティブに使用し、ポルシェブランドのDNAに忠実でありながら、エキサイティングなものを作り上げることを目的としており、ポルシェのパーソナリゼーションプログラム「ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥーア」の上位プログラムであるポルシェ・ゾンダーヴァーシュの延長線上にあるという位置づけだと紹介されています。
なお、このポルシェ・ゾンダーヴァーシュはいわゆる「ワンオフモデル」の製作を行う部門であり、これまでにもいくつかの個性的なモデルが生み出されています。
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一昨年の優勝車がこの分野に該当するかと思いますが、ポルシェとしては毎年「どうやって最優秀賞を選ぶか」迷っていたと見え、そこで今回「賞を3つに」分けたのでしょうね。
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今回から997世代、987世代の車両も使用可能に
今回のポルシェ・クラシック・レストレーション・チャレンジから997世代と987世代の911、ボクスター、ケイマンが対象となっており、これまでの356や914、70年代や80年代の944や928、そしてカイエンに加えて大きくその可能性が広がることに。
ポルシェは今年、スポーツカーを生産開始75周年という節目を迎え、さらには911シリーズの誕生から60周年ということもあり、今回のポルシェ・クラシック・レストレーション・チャレンジはこれまで以上に激しい戦いとなることが予想されますが、ポルシェクラシックのジョナサン・シーバー氏によれば「過去2年間、ポルシェコミュニティと参加ディーラーからの反響は絶大なものでした。ポルシェのクラシックカーが、このチャレンジにて期待されるような、きちんと記録されたレストア手順を経て、そしてその結果としての完成車両を見ることができるのは、信じられないほどエキサイティングなことです」。
そして完成車をチェックするのはポルシェクラブ・オブ・ノースアメリカから選出された審査員たちで、この審査員たちは出展された車両を厳しく調査し、そのプロセス、使用されるパーツなど詳細な情報を確認する、とのこと。
現在ポルシェ・クラシック・レストレーション・チャレンジは始まったばかりですが、この決勝戦と表彰式は、9月28日から10月1日にかけて開催される世界最大のポルシェファンミーティング、レンスポーツ・リユニオンで行われる予定だとアナウンスされています。
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