| アストンマーティンは新しい会長のもと、今後の変革を加速させることになりそうだ |
アストンマーティンには「アストンマーティンにしか無い」真のラグジュアリーが存在する
さて、アストンマーティン会長、ローレンス・ストロール氏が「今後24ヶ月の間で、8つの新型車を投入する」とコメント。
これはファイナンシャル・タイムズの開催した「フューチャーカー・オブ・ザ・サミット」にて(カーメディアに対し)語られたもので、その概要についていくつかの情報がもたらされています。
もちろんこれら8台の先陣を切って発表されるのはDB11の後継となる「DB12」だと見られていますが、こちらについては新設計ではなく、DB11の大幅アップデート版だということがすでに語られていますね。
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アストンマーティンは「F1のパフォーマンスとラグジュアリーを融合」
まず、今回ローレンス・ストロール氏が語ったのは「F1チームのパフォーマンスをビジネスに統合し、(現在のアストンマーティンが持つ)素晴らしいラグジュアリーとを融合する」というもの。
ローレンス・ストロール氏はGAPやトミー・ヒルフィガー等のアパレル分野への投資にて財をなした人物であり、同時にカーコレクターとしても知られます。
そして実子であるランス・ストロールのモータースポーツ活動を以前からバックアップしており、その一環としてレーシングポイントを買収し、さらにはアストンマーティンも買収し、そしてレーシングポイントを「アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・F1チーム」へと改めたわけですが、こういったところだけを見ると「お金持ちの道楽」だという印象も。
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ただし忘れてはならないのは、ローレンス・ストロール氏は「非常に成功したビジネスマン」であり、優秀な経営手腕を持っていると考えられること。
よって、一見して「道楽」としか見えないような行動に対しても合理的な判断が働いていると考えてよく、今後アストンマーティンを大きく変え、そして成長させることができる人物だとも考えられます(そのブランドの強みを理解し、それを活かしての成長をもたらすことを実践してきた人物でもある)。
なお、現代における自動車は「今までの、移動手段としての自動車」「工業製品」といった枠を超え、ファッションアイテムや自己表現のための手段、はたまた自身のライフスタイルを充実させるためのプロダクトとして捉えられる傾向が強くなっており、その意味では今後の自動車メーカーの経営者に求められる経歴は「自動車業界の叩き上げ」ではなく、ファッション、ラグジュアリー業界はじめ、嗜好品を扱ってきた業界での実績を持つ人々なのかもしれません(その意味では、ローレンス・ストロール氏は理想的である)。
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アストンマーティンは「新ラインアップ」を投入
ここで8つの新型車について考えてみると、DB11、ヴァンテージ、DBSの後継モデル、そしてそのオープンモデル(ヴォランテ)まで入れると「6モデル」。
そして残るはあと2つになるかと思いますが、これについては「新セグメント」「電気自動車」となる可能性が大きそう。
前者について、ローレンス・ストロール氏は「GTよりも上の新しいセクターを創出する」と述べており、ここから発売されるモデルが持つのは「真のハイレベルなラグジュアリーとハイレベルなパフォーマンス」。
つまりは上述の「F1のパフォーマンスと、アストンマーティン特有のラグジュアリー」をかけあわせ、相乗効果をもたらしたモデルだと思われ、これはヴァンキッシュ後継として開発されていたミドシップスーパーカーとなるのかもしれません。※「F1の技術を使用した正統派のミッドエンジンスポーツカーが登場することになる」ともコメントしている
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そして後者については「2025年に初の電気自動車を発売する」とも述べており(ラピードは黒歴史として葬られているようだ)、こちらは6月27日に開催予定の株主向け説明会にてさらなる情報を公開する予定だとしつつ、「ソフトウェア・コンポーネントは決定しており、(ほぼ)自社で行う予定です。数百人を雇用し、多くの能力を社内に導入しました。お客様にはやはりEVでアストンマーティンを体験してもらわなければならないでしょう」とも。
さらには今後のアストンマーティンに搭載される技術について大幅な向上についても言及し、しかしそれらの技術は「顧客が望む方法で提供されなければならない」とも述べ、技術をひけらかすため、さらには独りよがりの技術にならないようにすることについて「保証する」と言及しています。
このほか、「年に数回」限定生産となる特別モデルを提供することにも触れ、これらについてはアストンマーティン全体の利益率を向上させることになりそうですね。
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参照:Autocar