| ただしマツダはNEロードスターを登場させるスケジュールについては明確なアイデアを持っていない |
現在の「電動化」に関する状況はあまりに規制に左右される傾向があり、自動車メーカーとしては判断に迷う場面も
さて、オーストラリアのカーメディア、CarsGuideによると、マツダは可能な限り現行ロードスターの寿命を延長したいと考えており、「非常にクールな」特別仕様車を市場に送り込む用意がある、とのこと。
これはマツダにおけるロードスターのプログラムマネージャーの弁として紹介されており、「NDロードスターは非常に高いポテンシャルを持っており、NDについて可能なことは何でもやっておきたいのです」。
たしかにNDロードスターは過去のロードスターではほぼ見られない「モデルチェンジ後に販売を伸ばす」という偉業を明確に達成しており、プログラムマネージャーのいう”高いポテンシャル”は数字としても証明されています。
-
マツダ・ロードスターは今月で販売120万台を達成。ND世代になってからはじめてモデルチェンジで販売が伸び、マツダの思想がいかに正しかったかが証明される
| ちなみにマツダ・ロードスターはポルシェ911と同時期に100万台を達成し、そしてまた同時期に120万台を達成 | さらにロードスターは「もっとも売れたオープンスポーツ」としてギネス記録にも認定され ...
続きを見る
現行マツダ・ロードスター(ND)にはいくつかのコンセプトカーが登場
現行NDはロードスターは2015年に登場しており、同年にはマツダMX-5スピードスターコンセプト、2016年にはKuroやスピードスター・エボリューション・コンセプトをやはりSEMAにて発表していますが、これらはいずれも市販に至らず。
一方ではロードスター30周年記念車(2019年)や100周年記念車(2020年)といった特別仕様車、英国向けの「スポーツ・レカロ」(2015年)や「Rスポーツ」(2020年)、フランス向けの「ユーノス・エディション」(2020年)といった市場限定モデルが投入されていて、つまりは「ボディ形状を変更するような大掛かりなスペシャルモデルは投入されていないものの、ボディカラーやトップのカラー、インテリア、ホイールなどを少し変更した特別仕様車はチョコチョコ発表されているというのが現状です。
-
マツダが「1992年のユーノス・ロードスター」へのオマージュとなる限定モデル発売!ただしフランスのみ、価格は430万円
| 1992年発売のユーノス・ロードスター”Sリミテッド”をイメージした内外装 | フランスのマツダ法人が、ロードスターに”ユーノス”の名を冠したスペシャルモデルを発売。これは「MX-5 Eunos ...
続きを見る
「EVシフトが加速した際に」次世代NEロードスターはピュアエレクトリックとして登場
こうやって見ると「今回プログラムマネージャーのいうNDはロードスターの”非常にクールな”特別仕様車も、単なるコスメティックチューンなんじゃないの?」と思えてきますが、この特別仕様車はNDロードスターの寿命が尽きる寸前に登場する可能性が高いといい、NDロードスター存続のために最大限の努力を行うものの、「EVへのシフトがさらに加速」した時点でピュアエレクトリックバージョン(もしくはICONIC SPのようなレンジエクステンダーEV)へと移行することになるとも述べており、その歴史的な瞬間に「コレクターズアイテムとなるような(初代NAロードスターに用意されたM2 1001のような)」特別なロードスターが投入されることになるのかもしれません。
-
マツダが新型コンセプト「アイコニックSP」発表。ロータリエンジンで発電して走るEV、リトラクタブルヘッドライト風のヘッドライトなど過去の車へのオマージュも
| このICONIC SPがそのまま発売されることはなさそうだが、その思想やディティールは今後の市販車にも反映されそうだ | レトロともフューチャーとも受け取れる、シンプルでミニマルなデザイン さて、 ...
続きを見る
ただ、マツダとしては「軽くなければロードスターではない」という思想を持っていて、ピュアエレクトリックとなるであろうNEロードスターについては「車体重量1,000kgを下回る重量目標を可能にする新しいバッテリー技術を待っているため、次世代ロードスターの発売時期について具体的なスケジュールは持っていない」。
加えて「実際のところはわかりませんが、バッテリーのサイズと重量のトレンドを見ると、おそらく5年も経たないうちに、非常に小型で非常に軽いバッテリーが使えるようになるでしょう」とも述べ、つまりは2028年にあたりに「NEロードスター」が登場することになるのかもしれません。
-
マツダ・ロードスター開発担当「ロードスターには譲れない特徴があります。電動化によってそれを失えば、もうそれは我々の知るロードスターではない」
| おそらく現行ND世代のロードスターは延命され、その後にマイルドハイブリッド版が登場するものと思われる | 超軽量なロードスターだけに、「わずかな」重量増加ですら命取りとなりそうだ さて、先日よりチ ...
続きを見る
なお、もし2028年にNEロードスター登場となると、NDロードスターは13年間継続されるということになり、これまでの最長寿世代であったNCロードスターを超えることに。
そして2028年までにはなんらかの規制の強化等があるものと思われ、それに対応する形でいくつかの”必要な”変更がなされるのかもしれませんね。
合わせて読みたい、マツダ関連投稿
-
「スーパーフロントミッドシップ」!現代のマツダが採用する「ドラポジ」思想導入前の”IBUKI(息吹)”コンセプトはこんなクルマ
| その無機質なデザインなど、現代のマツダと相違点は多い | デフォルメなしで映画「カーズ」に出演できそうなマツダのコンセプトカー、「息吹(Ibuki)。これは2003年にマツダが「過去と、現在と、未 ...
続きを見る
-
こんなコンセプトカーもあった。ロードスターベースで一人乗り、ターボ付き。「マツダ・モノポスト(2000)」
| マツダはSEMAでシングルシーターのロードスターを発表していた | マツダが2000年に発表したコンセプトカー、「マツダ・モノポスト」。 発表の場はカスタム/チューニングカーイベント、「SEMA( ...
続きを見る
-
マツダ・ロードスター開発責任者「我々はロードスターにつき、ポルシェ911のように、ただ微調整をひたすら続けながら改良を続けたいのです」
| まだまだ先のことはわからないが、現行ND世代のロードスターが寿命を迎えるのはまだまだ先になりそうだ | 現行NDロードスターはライフサイクル中、あと一回はフェイスリフト(マイネーチェンジ)を迎える ...
続きを見る
参照:CarsGuide