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「摩耗スピードはガソリン車の倍」。タイヤメーカー各社ともEV専用の「減りにくい」タイヤを開発しているが、ガソリン車用タイヤと比較してどう違うのか

「摩耗スピードはガソリン車の倍」。タイヤメーカー各社ともEV専用の「減りにくい」タイヤを開発しているが、ガソリン車用タイヤと比較してどう違うのか

| ボクの経験上では、EV用タイヤは一般にグリップが低く、ウェット性能では不安を感じる場合も |

もちろんタイヤメーカーは最大限の「バランス」を実現しようと努力している

さて、ちょっと前に話題となった「EVのタイヤはガソリン車の倍の速度で摩耗する」という問題。

この問題の要因としては主に「EVはガソリン車に比較して加速性能に優れる」「EVはガソリン車に比べて重いので、加速や停止時、走行時に(タイヤに)掛かる負担が大きい」というものですが、これに対応するために自動車メーカー各社はEV専用に開発したタイヤをリリースしています。

いったいEV専用タイヤは何がガソリン車用タイヤとは異なるのか?

そこでまず、このEV専用タイヤはガソリン車用のタイヤとどう違うのかということについて。

現時点ではタイヤメーカー各社ともに対応が異なるものの、おおよそ「低い転がり抵抗と、乗り心地/騒音レベルにおける快適さ」という2つの主な特徴を持つ場合が多く、これはトレッドパターンやコンパウンドなどの組み合わせによって実現されます。

これらが重要視される理由としては「グリップが良すぎてタイヤが路面に食いつくとバッテリーを消耗してしまう(バッテリーを長持ちさせるために転がり抵抗を小さくしている)」「EVは一般にガソリン車よりも静かで振動が少ないので、ロードノイズや振動が車内に届きにくいよう、騒音を発生しにくく衝撃を吸収できるようにすることが好ましい」から。

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よってタイヤメーカー各社はガソリン車用のタイヤとは異なる視点においてEV専用タイヤを開発し、そのためには上述のようなトレッドパターンやコンパウンドの他、タイヤ内側にスポンジを貼ったりフォームを充填することもあり(ガソリン車用タイヤでも一部これらが見られる)、よって一般にEV用タイヤはガソリン車用に比較して高価になる場合も。

実際にブリジストンのEV用タイヤ(トゥランザ)だと、19インチサイズではガソリン車用の(同サイズの)同社別銘柄に比較して1本あたり2,000円以上高価だそうですが、一般にEVに装着されるタイヤは直径が大きく(そのほうが乗り心地が良くなる)、同サイズの車格のガソリン車が装着するタイヤよりも大径である場合がほとんどで、これだけでも「ガソリン車よりもタイヤ交換コストが高くなる」ケースが多いのかもしれません。

さらにブリジストンによれば「同等サイズのタイヤを装着するガソリン車に比較して、EVでは約30~40%ほどタイヤが早く消耗する」とのことなので、どうしてもEVのタイヤに関する維持費用が高くなるのは間違いないとも考えられます。

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ただし「摩耗を遅らせることはできる」

しかしながらタイヤメーカーとてこういった状況を放置しているわけではなく、「転がり抵抗が少なく、静かで快適な」EV専用タイヤを開発する傍ら、耐摩耗性能を付与することにも注力しており、ブリジストンは「ピークライフ(Peaklife)」なるポリマーを開発したといい、これはトレッドの寿命を延長し、車両の航続距離を延ばすために転がり抵抗をより低いレベルで実現することができる画期的な素材。

さらにはピレリ、ミシュランも同様の、しかし独自の素材を配合したEV専用タイヤを販売しており、今後さらに同じような選択肢が増えてくるのかもしれません。

ただ、いかにこれらEV専用タイヤの摩耗速度が遅いとしても、その価格差を正当化できるかどうかはわからず、転がり抵抗が小さいということは「グリップが低い」という特性とほぼイコールだとも考えられ、よって低温時やウエット時の安全性はガソリン車用タイヤに比較して劣る可能性も。

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実際のところ、EVに4年乗ったぼくとしては、「EV専用タイヤ」は非常にグリップが低く、雨の日の走行にはやや不安を覚え、通常の速度域においても制動距離がガソリン車よりも長く(ただでさえ重いEVなのでなおさらである)なる傾向があり、ここは非常にストレスが溜まったところです。

であれば、摩耗は覚悟してでも、「その分安く手に入り、グリップのいい」ガソリン車用タイヤを選ぶというのもEVオーナーにとっての一つの選択肢なのかもしれません。

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参照:Jalopnik

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