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ランボルギーニ「ウルスは今後とも、現在のポジションを維持します。フェラーリ・プロサングエやロールス・ロイス・カリナンの位置には移行しません」。その理由とは

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| そもそもフェラーリ・プロサングエとランボルギーニ・ウルスはその存在する目的が異なる |

プロサングエは「既存顧客対象」、ウルスは「新規顧客獲得」という正反対の役割を担っている

さて、ランボルギーニは先日「ウルスSとウルス・ペルフォルマンテは2026年で生産終了」「ウラカン後継スーパーカーは今年後半に発売」するとプレスリリース内にて触れていますが、ウルスについてはそれら後継となる「ウルスSE」をすでに発表しており、現在世界各地にてその姿をお披露目している最中です。

そして今回伝えられているのが、そういったイベントにて語られたランボルギーニの重要人物から発せられたコメントで、報道によると「ウルスは今後も現在の地位をキープし、フェラーリ・プロサングエのような上級マーケットへと移行しない」。

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ランボルギーニは現在の客層を手放さない

一昔前だと高級SUVといえば「レンジローバー一択」であったものの、その後にはポルシェ・カイエンが登場し、さらにはジャーマンスリーはじめ多くの自動車から高級SUVが多数発売され、さらにその後にはベントレー・ベンテイガというもう一段上の価格設定を持つSUVが登場しています。

ランボルギーニ・ウルスもまたベンテイガと同じ価格帯に属する”スーパーSUV”ですが、これらについてはいずれも非常に好調なセールスを記録しており、つまり超高級SUVというセグメントは「これまで存在しなかったものの、いざクルマを投入すれば売れることがわかった」領域です。

さらに今ではその上のロールス・ロイス・カリナン、そしてフェラーリ・プロサングエという「超々」高級SUVセグメントも存在し、しかしランボルギーニは「ロールス・ロイス・カリナンやフェラーリ・プロサングエの領域には移行せず、ウルスは今のセグメントにとどまる」と言っているわけですね。

これはランボルギーニの最高技術責任者、ルーベン・モール氏が語ったもので、まずは「この(ウルスが属する)セグメントはまだ成長しており、複数のブランドにとって十分なチャンスがあり、ライバルの流入は問題ではありません。実際に、多くのライバルが存在下にもかかわらず、2023年に我々は(ウルスの貢献によって)史上初めて1万台以上のクルマをデリバリーしており、ウルスに対する継続的な需要が存在することを示しています」とコメント。

この意図としては、2018年に登場して以来、大きく変わっていないウルスの需要が年々大きくなっていることを踏まえ、この状況でわざわざ別のセグメントへ移行してリスクを冒す必要はないという意味なのだと思われますが、同氏は「他のクルマの市場やシェアを追いかけることよりも、自身のブランドとそのモデルが自分の居場所を見つけることが重要でなのです」とも。

実際のところ、「たとえフェラーリ・プロサングエに、ポジショニングという点でトップSUVの栄誉を譲ることを意味するとしても現在の位置に留まるのか」という質問に対しても迷うことなく「そうです。現在のポジションを維持します」と答えたというので、ランボルギーニは今後ウルスにV12を積んだり、それによって価格帯を上げたりすることは絶対にない、と考えてよいのだと思います。

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ランボルギーニ・ウルスとフェラーリ・プロサングエは根本的に存在意義が異なる

なお、フェラーリ・プロサングエとランボルギーニ・ウルスとの間には大きな相違があり、それは両者の「求める販売台数」。

フェラーリはプロサングエの販売台数を「全体の20%以下に留める」と明言しており、つまり販売台数を追求しない意向を示していますが、一方のランボルギーニはウルスの販売台数を最大化してランボルギーニ全体の販売台数を押し上げる計画を持っており、実際にウルスの販売比率はランボルギーニ全体の60%に達しているわけですね。

フェラーリ(テーラーメイド)
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そしてプロサングエについては今のところ「限られたフェラーリの重要顧客鹿購入できず」、つまりフェラーリは厳しく販売を制限していて、しかしウルスについては(生産枠がある限り)幅広く顧客に門戸が開かれているという相違があるため、極限すればプロサングエは価格設定を期にする必要はなく、むしろ完売することが最初からわかっているのでいかに高額でも問題はないと考えられます。※フェラーリはプロサングエにつき、VIP顧客へのギフトであると述べている

しかしウルスの場合は新規顧客を獲得することで販売台数を伸ばし、かつランボルギーニへとほかブランドの顧客を呼び込んで客層の裾野を拡大するという(プロサングエとは全く別の)役割があり、よってここでは価格設定が重要となってきます(カリナンやプロサングエの価格帯のクルマを購入できる人は無限には存在しないが、現在の価格ゾーンではまだまだ獲得できる顧客が多く存在する)。

よって、ウルス本来の役割を考慮するならば、ランボルギーニファミリーとしての立場を強化しつつ、ブランド力を活かして近い価格帯を持つ他社SUVの顧客を根こそぎ獲得し、ランボルギーニのファンになってもらったのちに別モデルも買い増ししてもらう(そしてどんどん買い替えていってもらう)ことが要求され、そのためには「潜在顧客層が厚い」このセグメントを放棄することは好ましくないのかもしれません。

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