| 12チリンドリは想像していた以上に先進的なデザインを備えるクルマだった |
現時点では「VIPカスタマー以外は注文できない」のが残念である
さて、フェラーリ レーシング デイズに参加して生きたのでその様子を画像とともにお届けしたいと思います。
このフェラーリ レーシング デイズはフェラーリ・ジャパンが年に一回開催するフェラーリオーナーのためのイベントで、鈴鹿サーキットと富士スピードウェイとの間で「交互に開催」されており、今年は「鈴鹿サーキットでの開催」です。
内容としては「フェラーリ・チャレンジの予選と決勝」「296GT3のデモ走行」「フェラーリ・クラシケ(クラシックモデル)の展示」「フェラーリの現行モデルやニューモデルの展示」「フェラーリのオプションやパーソナリゼーションプログラム(アトリエ / テーラーメイド)の展示」「オーナーによるサーキット走行(F1、XXプログラム、ロードカー)」「パレード」といったところ。
当日のフェラーリ レーシング デイズはこんな感じ
このフェラーリ レーシング デイズは事前申込制となっており(空きがあれば当日の申し込みも可能)、専用サイトから申し込んでおくと入場パス等が送付され、入場に際してはゲート(鈴鹿サーキットのモータースポーツゲート)でのチェックがあるため、事前申込済みであることを示すために(乗ってゆくクルマの)ルームミラーにカードを提げていざゲートへ。
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フェラーリ・レーシング・デイズの入場パスや案内がフェラーリ・ジャパンより届く。ボクは6/29の参加、朝9時頃には到着の予定
| ちなみにサーキット走行には参加せず、ひたすら「見る」「撮る」に専念しようと思う | 会場で見かけたら気軽に声をかけてくれるととても嬉しい さて、先日申し込んだ「フェラーリ・レーシング・デイズ」入場 ...
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なお、駐車場はいくつかの種類があり(VIP、フェラーリ専用、フェラーリ以外など)、ぼくは今回クラウンスポーツでの参加であったので「フェラーリ以外」のスペースへの駐車となりますが、ここは会場となるサーキットからは少し離れていて、しかし快適な送迎バスがあるので移動に関する問題もなく、全体的に非常によく組織された運営が行われているという印象です。
ちなみにフェラーリ専用の駐車スペースだと見渡す限りフェラーリだらけといった状況で、中には非常に珍しいクルマ、そし高度にパーソナライズされた個体も見られます。
やはり目玉は「12チリンドリ」
そこではずは今回ぼくが目玉だと考えている12チリンドリから紹介したいと思いますが、12チリンドリは「V12エンジンを搭載するフラッグシップ」というポジションから変わらずとも、その意味合いが「パフォーマンスとしてのフラッグシップ」から「フェラーリの象徴としてのフラッグシップ」へと移行しており、そのためにデザインも(ミドシップフェラーリのような)”パフォーマンス”を強調した路線から一線を置くことに。
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フェラーリ「12チリンドリでは、急進的で破壊的なデザイン手法を採りました。なぜならV12フロントエンジンモデルはいまやパフォーマンス面でのフラッグシップではないからです」
Image:Ferrari | 今やパフォーマンス面だと、V6/V8ミドシップのほうが優れ、パワーにおいてはV8ハイブリッドのほうがV12の上を行く | よってフェラーリはV12フロントエンジンモデル ...
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全体的には「え?これがフェラーリ?というような先進的なディティールを持っており、クルマというよりは現代彫刻作品(あるいはコンセプトカーそのまま)といった印象です。
フロントにはディトナSP3でも用いられた「ブレード」があり、これはチーフデザイナーであるフラビオ・マンゾーニ氏お気に入りのディティールだと思われます。
ちなみにその表面は高級機械式腕時計のメースのような「ブラシ仕上げ」を持っており、フェラーリがこういった装飾を採用するというのもまた意外(なお、こういった仕上げはBMW XMでも見られ、今後一定の価格帯以上のクルマではおなじみとなるのかも。たしかに高級腕時計とプレミアムカーとはオーナーが重複しているとされ、今後はブガッティ トゥールビヨンのように腕時計に採用用されるデザインや技術が自動車におりてくるのかもしれない)。
エアインテーク周辺にはカーボンファイバー製のガイド。
このガイドは下部のスプリッターと統合されるという複雑な形状を持っています。
フロントフェンダーは「球状」に盛り上がり・・・。
それはリアフェンダーも同じです。
ちなみによく見ると(丸く盛り上がった)前後フェンダー上にはわずかなエッジが見られ(ローマも同様である)、これがこのクルマを”筋肉質に”見せている一つの要素なのだと思われます。
そして前後フェンダーをつなぐのは「ブリッジ」と呼ばれる二本のプレスライン。
そしてこのブリッジにはサイドギル(やはり表面はブラシ仕上げが施された金属)が組み込まれ、ここからフロントホイールハウス内の空気を抜くことになりますが、ここ最近のフェラーリの特徴として「デザインと機能の統合」といった要素が見られ、機能にデザイン性をもたせる、あるいはデザインに機能性をもたせるといったチャレンジが顕著です(両方とも自動車に不可欠なものであり、であれば一緒にしてしまおうということなのかもしれない)。
ヘッドライトが統合された「バンド」もその一つの例だと思われ・・・。
テールランプが統合された「ブレード」も同様かと思います。
そしてテールパイプもまた(おそらくは)ディフューザーとして機能するように設計され・・・。
ディフューザー中央は「ダブル」。
ディフューザー後端はブレード形状を持っていて、ここは気をつけていないとついつい「当てて」しまいそう。
リアウインドウとテールエンドは統合され、ステルス戦闘機をモチーフにした「デルタウイング」と呼ばれるデザインを持ち・・・。
ウイング無しでも適切なダウンフォースを得られるように角度がつけられています。
ちなみにこの「ブレード」の左右両端は出っ張っていて・・・。
その理由はちょっとナゾ。
とにかくこの12チリンドリはなめらかな曲線や曲面に加え・・・。
ところどころにアクセントとなるプレスラインが組み込まれ・・・。
加えてシャープさも併せ持ち・・・。
様々な素材やフィニッシュを組み合わせた素晴らしいデザインを持っていると思います。
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