イーロン・マスクCEO「サイバーラックは高すぎる」。現時点での納車数は想定には大きく及ばず、もしかすると値下げによる需要促進もある？

｜　実際に発売されたサイバートラックの価格は「当初の予定」とはかけ離れたものとなっている　｜

ただしサイバートラックの値下げには課題も多い

さて、テスラは様々なコミットを行うものの、その実現には時間がかかるうえ、中には「果たせない約束」も。

これはイーロン・CEO自身が「ええと、私は約束を守ることに関しては問題ありです」と自身で認めている通り、テスラおよびイーロン・マスクCEOの約束については「話半分」くらいに聞いておく必要があるのかもしれません。

そして目下の最新モデルであるサイバートラックについてもそれは同様で、発売時期が大きく後ろにずれ込んだのはいいとして、「公約」とかけはなれてしまったのがその価格。

当初、サイバートラックは39,999ドルで販売するという触れ込みであったが

なお、サイバートラックは（2019年の発表当初）39,999ドルにて販売するという触れ込みで、多くの人々がそれを信じて予約を行い、その予約は160万台にも達したと言われます。

この160万台というのはテスラが2023に納入した全ラインアップの半分以上に相当し、かつこのサイバートラックは「革新的な製造方法を」取り入れることで高い利益率を誇り、テスラに大きな利益をもたらすであろうとも言われていたわけですね。

ただ、実際に発売されてみるとその価格は60,990ドルがベースラインとなっており、これはインフレを考慮したとしても「かなり」高いプライシング（つまり、安価で実用的なピックアップトラックというポジションから、非常に高価なセレブ向けトラックになってしまった）。

そしてこの価格のせいかサイバートラックは思うように売れていないといい、今年第1四半期に納車されたのは2,803台、第2四半期に8,755台にとどまると言われます。

もちろん、このサイバートラックの生産台数の低さにつき、「生産に手間がかかるので量産が難しい」とコメントされていることも考慮する必要がありますが、それでもイーロン・マスクCEOは「2025年には25万台を納車できるペースにしたい」とも語っていて、しかし現在の販売台数ではとうていその計画を満たすことはできないものと思われます。※予約のキャンセルが多く出ているのか、現在注文しても2025年には納車が可能だと表示される

イーロン・マスクCEO「サイバートラックは高い」

そこで今回話題になっているのが、イーロン・マスクCEOが「サイバートラックは高い」とコメントしたこと。

It’s a great truck.

We need to make it more affordable in the years to come.

— Elon Musk (@elonmusk) August 6, 2024

加えてイーロン・マスクCEOは価格を引き下げたいという意向を示していて、もしかすると実際に価格の引き下げが行われる可能性もありそうですが、まだまだサイバートラックの生産には課題があり（主にはバッテリーセルの量産が難しく、そしてステンレススティール製のボディパネルのチリを合わせることが難しい）、ここで価格を下げてしまうと単に予約の列が長くなるだけで、取れるはずの利益を取れないということになるため、サイバートラックの値下げがあるとすれば、様々な生産上の問題をクリアした後ということになりそうですね。

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