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アバルト「今後、ガソリン車を作ることはありません。ハイブリッドもNOです」。完全なるEVブランドとして機能し、フィアットのチューニングとSUVへ集中することが宣言される

アバルト「今後、ガソリン車を作ることはありません。ハイブリッドもNOです」。完全なるEVブランドとして機能し、フィアットのチューニングとSUVへ集中することが宣言される

Image:ABARTH

| おそらくは需要が「激減」するものと思われるが、それもまたフィアットの方針なのであれば見守るしかない |

現在の自動車業界では「少しの判断の違い」が将来を大きく左右する

さて、フィアットは「500eが売れないので」ガソリンエンジン回帰の意向を示しているものの、フィアットのハイパフォーマンスブランドであるアバルトは「欧州市場における電動車への完全転換を決定し、その方針を変えるつもりはない」と声高らかに宣言することに。

ただ、「欧州で」とはいうものの、アバルトのメインとなるのはこの欧州市場なので、事実上この決定はアバルトのワールドワイドにおける戦略に反映されるものと考えてよく(欧州市場以外のため、少量のガソリン車をアバルトが製造するとは考えられない)、よってアバルトは今後完全電動ブランドへとシフトし、(欧州市場での終了を受け)今後595そして695も全世界レベルでそのライフが尽きることとなりそうです。

アバルト「内燃機関の復活はない」

自動車業界全体で「EV専用戦略を慎重に進める(あるいは再考する)」メーカーが増えている中、アバルトはその電動化を推進するという決意を変えないということになり、よって欧州では内燃機関(ICE)車の取り扱いを完全に終わらせ、ハイブリッド車すらラインアップに加える予定がないという「完全電動ブランドへ」と移行するということに。

正確に言うならば、南米市場専用として、フィアット「Pulse(パルス)」や「Fastback(ファストバック)」クロスオーバーに搭載された内燃機関仕様のアバルトモデルが販売されていますが、これらは南米で生産されていると報じられているので、これらが他のマーケットに出ることはないと考えてよく、そのため今後ワールドワイドでは本国生産の500eおよび600eのみがラインアップに残ることになると考えてよいかと思います。

なお、アバルトの欧州における責任者、ガエターノ・トレル氏は「厳しい排出規制とそのコストにより、今後内燃機関車の復活はない」と断言しており、同氏は500 Ibrida(ハイブリッド車)にアバルトバージョンが追加される可能性についても「500 Ibridaに搭載されるマイルドハイブリッドのパワートレインでは、アバルトのロゴを冠するに十分なパワーが出せない」ことを理由に”即座に”否定。

「私たちはAbarthのDNAを守らなければなりませんが、新しい500に搭載されるのはマイクロハイブリッドエンジンであり、リアルなアバルトを作り出すためのパワーを引き出すことはできません。そのため、このアバルトバージョンは不可能です。」

アバルトは今後、大型電動SUVに注力

しかしながら同氏はアバルトのラインアップを500eと600eのみに留めるつもりもないようで、「アバルトは、(アバルトの)DNAさえ持っていれば、どんなクルマでも開発できると私は思っています。アバルト車はAセグメントやBセグメントのハッチバックだけに限られるものではありません。もしSUVが可能なら、それも選択肢に入るでしょう」と述べています。

つまり今後のアバルトは「(ベース車のフィアットがそうなってゆくため)SUV」へと傾注することになるとも考えられますが、おそらく「(南米専売モデルを除いて)アバルトのSUV」第一弾は新型パンダになると考えててよく、このモデルが実現すれば、スコーピオンバッジは新たなセグメントに進出するチャンスを得ることに。

そしてもうひとつ明言されたのは「アバルトが独自モデルを開発することは(少なくとも当面は)ない」といいうことで、「(アバルト創業者の)カルロ・アバルトは車をゼロから作ることはありませんでした。アバルトのDNAは、既存の車をベースにして、エンジン、ダイナミクス、サウンドを改良し、スポーティでアクセスしやすいものにすることです。私たちはそのDNAを守りたいので、オリジナルのアバルトモデルを発表することはありません」。

つまり、アバルトは今後もフィアットのチューニングバージョンを製造し、かつてルノーのチューニングからスタートし自社のクルマを作るようになったアルピーヌ、そしてオリジナル車の開発を手掛けるメルセデス「MAG」、BMW「M」とは全く異なる活動を行うということになりそうですね。

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