ポルシェ911ではなく「912」ベース。ただ単に「運転する楽しさ」を追求し車体重量800kg未満のレストモッド「Kamm 912c タルガ」登場

｜　ポルシェ911のレストモッドは（今回の912含め）ますます多様化の時代を迎えている　｜

機会があれば一度は911のレストモッドを所有してみたいとは考えているが

さて、現在はポルシェ911のレストモッドにつき「レッドオーシャン」化している状態でもありますが、今回はハンガリーの「KAMManifaktur（カムマニファクチャー）」より”軽量化の本質を現代のスポーツカーから取り戻すこと”を目指し、ポルシェ912をベースにした究極のレストモッド「Kamm 912c タルガ」が登場。

このクルマは現代のクルマに不足しがちな軽快さを維持しつつ、かつてのスポーツカーが持っていた軽さと機動性を再現しています。

このポルシェ911（912）レストモッドはただ「軽く」仕上げただけではない

さらに「Kamm 912c タルガ」の車体重量は驚くべきことに800kg未満だと説明されており、その秘密は徹底的に使用されたカーボンファイバー含む軽量素材。

まずボディパネルはすべてカーボンファイバー製で、ロールオーバーフープもカーボンファイバー製、そしてサイドミラー、シートバック、ウインドウには軽量なレキサン樹脂（ポリカーボネート）が使用されています。

なお、このこの「800kg未満」という重量は初代スマートフォーツー（750〜795kg）とさして変わらず、現行スマート（880kg）よりもはるかに軽量。

ただし、スマートフォーツーとは異なり、この「Kamm 912c タルガ」は運転を楽しむためのスポーツカーであり、最新の素材とレトロなデザインを組み合わせた魅力的な仕上がりを持つことが特徴です。

そして車体が非常に軽量であるために、このKamm 912c タルガでははパワートレインを過剰に強化する必要はなく、これによって複雑さやコスト、重量増加を回避できており、オリジナルの1.6リットル空冷フラット4エンジンは2.0リットルへと排気量が拡大され、185馬力と205Nmのトルクを発生させます。

これに組み合わせられるトランスミッションは5速ドッグレッグ、そして「ショート、ロング、ツーリング」からギア比を選択でき、ドライビングスタイルに合わせたカスタマイズが可能です。

なお、注目すべきは「現代的な乗り心地を確保するため」、トラクトイブ製のセミアクティブコイルオーバーサスペンションが前後に装備されてることで、これに併せてブレンボ製のブレーキシステムとハイドロリック式ハンドブレーキによるメカニカルアップグレードが施され、これらを見ても「単に素材を置き換えたり取り外したりして軽量化しただけのクルマではない」ということがわかりますね。

そして多くのレストモッド車両と同様に「すべてがオーナーの指示によって」カスタムメイドによって作り上げられ、塗装や内装に関しても無制限のオプションが提供されるのだそう。

なお、その価格は（お安くはない）€395,000からの開始となるものの、多くの911レストモッドに比較しても「まだ安価」な部類にとどまり、入手しやすい選択肢であるとともに、クラシックなポルシェ912の魅力を保ちながら、現代的な技術と材料を駆使して新たな命を吹き込んだ一台であるとともに、運転好きな人々にとって魅力的な選択肢だとも考えられます。

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参照：KAMManufaktur