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アウディCEOが明かした「R8復活」可能性のシナリオ。ランボルギーニ・テメラリオの10,000回転V8ハイブリッド移植という「最高の名案」が示される

さよならアウディR8。4万2948台の生産を終え最後の一台がラインオフ。TTの生産も終了し、これでアウディはピュアスポーツカーを持たない自動車メーカーに

Image:Audi

| ここ最近、にわかにR8に関する話題が囁かれる |

やはりプレミアムカーメーカーには「スーパースポーツ」の存在が欠かせない

2024年に惜しまれつつも生産を終了したアウディのフラッグシップ・スーパーカー「R8」。

多くのファンが「自然吸気V10の終焉とともに、跳ね馬や猛牛と渡り合ったあの名車は完全に消え去った」と絶望していたというのがこれまでの状況で、しかし、ミュンヘンで開催されたメディア向けラウンドテーブルの席において、アウディの現CEOであるゲルノット・ドゥエルナー氏が放った一言と不敵な笑みが大きな話題となっており、簡単に言うとR8には後継モデルが存在する可能性が示唆されています。

電動化へ舵を切るアウディがなぜ今再びガソリンの情熱を宿したスーパーカーの復活を匂わせているのか。その発言の裏に隠された、フォルクスワーゲングループの緻密な戦略、そして2027年以降に期待される次世代R8について考えてみましょう。

この記事の要約・ポイント

  • CEOが復活を肯定: アウディのゲルノット・デルナーCEOが、メディアの取材に対し次世代スーパーカー「R8」の復活について「グッドアイデア(名案だ)」と笑顔で答え、含みを持たせる
  • ランボルギーニとの蜜月: 新型R8の心臓部には、グループ傘下であるランボルギーニの新型スーパーカー「テメラリオ(Temerario)」に搭載された10,000回転まで回るV8ツインターボエンジンが有力視されている
  • プラグインハイブリッド(PHEV)化: 純粋なガソリン車ではなく、高出力モーターを組み合わせたPHEVとして、アウディ史上最強のロードカーを目指す開発ルートが現実味を帯びている
アウディR8(シルバー)

Image:Audi

「私はV8の大ファンだ」。CEOが漏らした本音とテメラリオの影

このラウンドテーブルにおいて、新型「RS5」やフラッグシップSUV「Q9」の発表に注目が集まる中、記者団から「R8の復活はあるのか」という直球の質問が投げかけられ、これに対しデルナーCEOは豪快に笑い、こう答えたのだそう。

「私はV8エンジンの大ファンなんだ。テメラリオのV8は素晴らしい。10,000回転まで回り、ツインターボ、まさに卓越したエンジンだ」

そして次世代R8のプロジェクトについて問われると、「それはグッドアイデア(名案)だね」と、笑みを浮かべながら語ったといい、これはCEOによる社交辞令ではなく、というのもデルナーCEOはランボルギーニが誇る最新V8ユニットのレブリミット(10,000rpm)を正確に暗記していたとされ、そして頭の中にそのパッケージングの具体策があることを強くアピールしたとも報じられています。

かつて、初代R8がランボルギーニ・ガヤルドと、そして2代目R8がウラカンとプラットフォームを共有して大成功を収めたように、3代目となる次世代R8が、最新の「テメラリオ」の骨格と心臓部を譲り受けるというロードマップが水面下で着実に進んでいることを裏付けるというのが今回のラウンドテーブルであったようですね。

シルバーのアウディR8スパイダー

Image:Audi

新型アウディR8はどんなクルマに?

共有される「10,000回転V8+3モーター」の異次元スペック

もし次世代R8がテメラリオの兄弟車として誕生する場合、そのスペックはアウディの歴史をすべて塗り替えるものになると目されており、まずテメラリオに採用されるパワーレインの核となるのはランボルギーニが完全新開発した4.0リッターV8ツインターボエンジン。

このユニットは”ターボでありながら”10,000rpmという超高回転までハミングするという驚異の性能を持っていて、さらにここへ3基のエレクトリックモーターを組み合わせるというプラグインハイブリッド(PHEV)システムが採用されています。

このシステムはフロントアクスルに2基のモーター、エンジンと8速DCTの間に1基のモーターを配置するというレイアウトを持っており、これはそのままアウディ伝統の「クワトロ(4WD)」としても流用可能。

よってシステム合計出力はテメラリオ(920馬力)と同等、あるいはアウディ独自のセッティングによって900馬力〜1,000馬力級のモンスターマシンとなる可能性が極めて濃厚だと目されているわけですね。

ランボルギーニ テメラリオのメーター表示(デモモード)
Life in the FAST LANE.

予想スペック・特徴一覧

項目次世代アウディR8(PHEVモデル予想値)
パワートレイン4.0L V8ツインターボ + 3基の電動モーター(PHEV)
エンジン最高回転数10,000 rpm
システム最高出力約900 hp 〜 1,000 hp
駆動方式電動クワトロ(4WD / フロント2モーター独立制御)
0-100 km/h 加速3.0秒未満
最高速度320 km/h 以上
トランスミッション8速デュアルクラッチ(DCT)
登場予想時期2027年末 〜 2028年

ただ、ここにはいくつかの懸念があり、新型R8がテメラリオの採用する「カーボンモノコック」まで流用するのかどうか。

参考までに、ウラカンのモノコックは「アルミ+カーボン」で、ランボルギーニとしては「フルカーボン」としたかったものの、ウラカン開発時にはR8との車体共有が決まっていたため、そしてR8側では「それほど高く売ることができない」という事情が存在したために「コストを抑えることができる、アルミ主体のモノコック」を採用したのだとも報じられています。

ランボルギーニ・ウラカン
Life in the FAST LANE.

一方、テメラリオ開発時にはR8後継モデルのプランが存在せず、そのためランボルギーニはしがらみなしに「やりたいように(妥協無しで)やった」ということも伝えられており、よってテメラリオは結果的に「かなりコストがかかった」クルマとなっています。

ランボルギーニ
ランボルギーニ「ウラカン後継モデルについて、専用に設計された車体を持つことになります。妥協なしのね。現在は十分な利益があり、R8のような兄弟車は必要ありません」

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なお、アウディには社内規定のようなものとして、「いかにブランドイメージに向上に貢献するとしても、赤字でクルマを売ることは許されず、いずれのクルマも単体で利益を稼がねばならない」という不文律があるそうで、となると新型R8が登場するにしても「利益が出る」クルマとしなくてはならないわけですね。

そうなると、コストの掛かる(しかも大量生産が難しい)カーボンモノコックシャシーを使用するかどうかという問題も生じ(テメラリオの車体を流用すると、それなりの価格でアウディは車両を販売せねばならなくなる)、しかし現在アウディが持つプラットフォームはいずれも「ミドシップ」に対応できないため、新規にプラットフォームを開発するのもまた「お金のかかる話」です。

よって、現実的なところだと、テメラリオのパワートレインや車体構造を「ちょっとずつデチューンしながら」コストを削減し、なんとか利益の出る価格にて、かつアウディとして現実的な価格で販売できるよう新型R8を設計するということになるのかもしれません(アウディらしいルーフ高や形状を実現することなどを考えると、どのみちモノコックは再設計が必要なのかもしれない)。

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ランボルギーニ・テメラリオ(パープル)のテールランプ
Life in the FAST LANE.

市場での位置付け:ランボルギーニとの「住み分け」とブランドの象徴

アウディがこのハイブリッド・スーパーカーを必要とする背景には「ファンへのサービス」ではなく、計算づくのブランド戦略があるものと考えられます。

どういうことかというと、現在アウディは完全電気自動車(BEV)への移行を進める一方、市場の現実を見据えて高性能な「プラグインハイブリッド(PHEV)」のラインナップ拡充を急いでいるところではありますが、一般層にとってPHEVは「エコな実用車」というイメージが強く、かつそれに起因してエモーション(感動)が不足しがちであることも否定できず、よってここに10,000回転の咆哮を轟かせる「R8 PHEV」というフラッグシップ(ハローカー)を君臨させることで、ブランド全体の電動化技術(e-tron / PHEV)に対するイメージを劇的に引き上げる(プレミアム感を底上げする)ことができるわけですね。

そしてスポーツイメージが強いメルセデスAMG、BMW「M」に対抗する必要もあり、それにはコンセプトCの市販モデルだけでは十分ではないのかもしれません(コンセプトCはそもそもピュアスポーツではない)。

今後はこれがアウディの「顔」。コンセプトCの「ちょびヒゲ」垂直グリルが全モデルに波及、共通アイデンティティとして機能することに

加えて、ランボルギーニ・テメラリオに対し、アウディR8はより「控えめで洗練された大人のデザイン」と「日常の使いやすさ(快適性)」に焦点を当てることでお互いに「食い合わず」コストの平準化を進めることも可能となるのだと考えられ、少し前の「電動化一本」とは異なる状況にあるということを考慮すると、「今こそR8復活のとき」なのかもしれません。

メルセデスAMG SLのヘッドライト
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結論

アウディCEOが記者たちの前で見せた笑顔と「グッドアイデア」という言葉は、R8という伝説がまだ終わっていないことを示す最大の希望であり、かつて初代R8の「4.2リッターV8」が放った、あのどこまでも澄んだ美しいエンジンサウンドを愛するオールドファンにとっても「V8とともに復活するR8」は歓迎すべき存在です。

ピュアEV(電気自動車)だけが未来ではないという方向性が示される現在において、ハイブリッドという最適解を得て、再び「ネット上で最も検索されるクルマ」となるであろう新型R8の登場を心待ちにしたいと思います。

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参照:Motor1

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