マセラティがMC20に「AIを搭載し」322km/hにて走行して「無人で走行した最速のクルマになった」と発表。この経験は高速道路での自動運転に反映されることに

Image：Maserati

｜　これまでの記録であった「285km/h」を大幅に更新　｜

この速度域での車体制御技術は「通常速度」においても存分に発揮されるはずである

さて、マセラティがMC20にAIを搭載し、「無人による時速318km/hでの走行を記録した」と発表。

マセラティのスーパーカー「MC20」は、マセラティのパフォーマンスにおける頂点に位置するモデルですが、2000年代の名車MC12の”精神的後継車”とされています。

その後、サーキット向けの「GT2 ストラダーレ」やオープントップの「MC20 チエロ」などの派生モデルも登場させ、万人向けのクルマではないものの、マセラティにとっての「ハローカー（ブランドの象徴的なモデル）」としての揺るぎない地位を確保しているわけですね。

マセラティMC20が「一風変わった」記録を樹立

その「ハロー」ステータスをさらに強固なものにしたのが今回の「インディ・オートノマス・チャレンジ（IAC）」での驚異的な走行記録。

この大会は、世界唯一の自動運転車によるレースシリーズであり、マセラティはイタリア最大の科学技術系大学「ミラノ工科大学（Politecnico di Milano）」、および「イタリア国家持続可能モビリティセンター」と協力により、今回無人運転での最高速度記録を樹立することに。

この”無人MC20”は、オープントップのMC20チェロをベースに製作され、AIプログラムはミラノ工科大学のAIチーム「PoliMOVE-MSU」によって開発されたと説明されています。

そして今回は米国フロリダ州のケネディ宇宙センターにて318km/hという驚愕の速度を記録したわけですが、これは2024年11月にイタリアのピアチェンツァ軍用空港にて無人MC20クーペが達成した285km/hの記録を大幅に更新した「世界記録」なのだそう。※2022年にケネディ宇宙センターで記録されたIAC AV-21レーシングカーの310km/hをも上回る

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IACのCEOであるポール・ミッチェル氏は、今回の記録がAI技術の進化に大きく貢献することを強調し、以下のようにコメントしています。

「これらの世界最速記録は、単なる未来技術のデモンストレーションではなく、AIドライバーソフトウェアやロボティクスの限界を押し広げる挑戦です。公道仕様の車両でこの試みを行うことで、高速道路における安全で持続可能な自動運転技術の発展に貢献しています。」

マセラティは今回のチャレンジのみにとどまらず、2台目の無人MC20チェロを米国でデモンストレーション走行させる計画を発表しており、その第一弾として「1000Miglia Experience Florida（ミッレミリア エクスペリエンス フロリダ）」へと参加予定。

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この（2台目の無人走行車である）MC20は、すでにイタリアで約64kmを無人運転で走行していて、現在は米国で「イタリアの研究の卓越性」を示すためにテストを繰り返していることについても言及されています。

無人運転での318km/hという記録がすぐに（高速道路と言えど）一般の道路で役立つわけではありませんが、しかしこの挑戦が自動運転の「レベル2」や「レベル3」技術の向上に寄与するのであれば大きな意義があると言え、無人運転技術の未来がどのように展開していくのかはまだ未知数ではあるものの、マセラティの取り組みはAI技術の限界を押し広げる大きな一歩となったことは間違いない、と言えそうですね。

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参照：Maserati, Indy Autonomous Challenge(Youtube)