テスラの販売は欧州のみではなく「世界規模で」急落していた。ドイツでは76％、オーストラリアでは71％、中国では49％も減少

｜　正直なところ、これは「非常によろしくない」傾向である　｜

そしてこの傾向が「もとに戻る」かどうかはわからない

さて、テスラの販売が「急速に下がっている」と報じられる昨今ですが、この現象は世界規模にて、そして継続的に発生していることが明らかに。

まず最初に販売減少が報じられたドイツでは2025年1月に59.5%、2月に76.3%の急落を記録していますが、オーストラリアでは2025年の最初の2ヶ月で65.5%減少し、中国では2月に49.16%の減少を記録するなど、世界各地の市場にてシェアの低下を示しています。

テスラはわずか1年前、2030年までに年間2,000万台の電気自動車を販売すると豪語していたものの、現在ではその目標は達成困難な状況となり、昨年には初めての年次売上減少を迎えるなど「危機的状況」に陥っているわけですね。

ただしこの「不調」には様々な要因が関係している

上述のとおり、ドイツでのテスラの売上は2025年1月に59.5%減少し、新車登録台数だと「わずか1,277台」。

状況は2月にさらに悪化し、前年比76.3%の減少となって1,429台のみが販売されていますが、ここで特筆すべきはドイツの自動車市場におけるEVの販売が2月に30.8％も増加していることで、つまりテスラは「完全に取り残された」形となっています。

そしてオーストラリアではもっとひどく、テスラの販売台数が2024年2月の5,665台から2025年2月には71.9%減の1,592台となり、2025年の最初の2ヶ月で納車された車両は2,331台にとどまって昨年同時期から65.5%減少という減少幅を記録することに。

テスラにとって「非常に重要な」中国市場においても状況は変わらず、2025年2月にテスラは30,688台を製造・販売し、これは前年同月比49.16%の減少です（つまり3万台ほど減っている）。

この数値には国内販売と輸出が含まれていますが、中国市場でのテスラのシェアが縮小していることは明らかで、地元のEVメーカーとの競争が激化している中、今後の展開はさらに不透明だと言っていいかもしれません。

こういった状況を見るに、テスラのグローバルな成長軌道には障害が発生していて、テスラは依然として電気自動車市場のリーダーであるものの、かつてのような市場での圧倒的な支配力が薄れていることは否定できず、製品の陳腐化、イーロン・マスクCEOの物議を醸す発言、市場の飽和状態、また新型モデルYへの移行期におけるタイミングの悪さなど、さまざまな要因が影響しているとも考えられますが、余談を許さない状況にあるのは間違いない、といったところですね。

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