
Image:Xiaomi
| さらにシャオミには「海外進出」という成長余力も残されている |
この記事の要約
- 驚異の成長率: 2025年Q3(第3四半期)のEV売上高が前年比197.9%増の約41億ドル(約6,460億円)に
- 異例のボーナス: 全国の販売店へ総額1億元(約22億円)超の現金を「条件なし」で配布
- スピード記録: 発売からわずか1年7ヶ月(602日)で累計生産50万台を達成
- 二枚看板の成功: セダンの「SU7」に加え、新型SUV「YU7」が月間3.3万台超の大ヒット
販売店へ「1億元のお年玉」という異例の戦略
破竹の進撃を続けるシャオミが2025年末の「お年玉(紅包)」として、全国のディーラーに対して総額1億元以上の特別補助金を配布したことが明らかになり、改めてその規格外の成長速度、そしてそれによって得られた利益やシャオミの”恩返し”が業界へと衝撃を与えることに。
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- 配布条件: 2024年設立の店舗に10万元(焼く220万円)、2025年12月15日までに新設された店舗には50万元(約1100万元)を「無条件」で支給
- 目的: 急拡大する販売網への感謝と、2026年に向けたさらなる関係強化。一部の有力ディーラーには400万元(約8,800万円)超が支払われたケースも
現在、シャオミ・オートの店舗数は中国全土で441店舗(131都市)に達しており、わずか3ヶ月で71店舗を新設するという猛烈なスピードで拡大中だと報じられており、シャオミの快進撃の裏には「販売店の急増」も背景にあるのかもしれません。
なお、シャオミはアップルやテスラなど「先行」を研究し、あるときは「模倣」するという企業戦略を取っていますが、この「ディーラーにて販売」という手法はテスラの「オンライン販売中心」とは大きくことなるもので、これは「十分に検討した結果、テスラとは異なる方法を選んだ」のだとも解釈できます。
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決算ハイライト:スマホメーカーから「EV大手」へ
そして2025年第3四半期の財務諸表は、シャオミがもはや「スマホの会社」ではないことを証明しています(いずれはシャオミ全体の”主力製品”となるであろう)。
- EV部門売上高: 約283億元、前年同期(95億元)から約3倍に
- 収益性の向上: EV部門の粗利益率は25.5%に達し、テスラ(約18〜19%)を上回る高水準をマーク
- 黒字化の兆し: イノベーション事業全体で初の四半期営業利益(約7億元)を計上
車種別・生産実績データ(2025年11月時点)
| 項目 | 実績値 | 備考 |
| 累計生産台数 | 500,000台 | 2025年11月20日に達成(業界最速記録) |
| 1-11月累計販売 | 361,600台 | 年間目標(35万台)を前倒しで達成 |
| SU7 (セダン) | 247,041台 | シャオミEVの第1弾モデル |
| YU7 (SUV) | 114,584台 | 2025年6月発売。11月は月間3.3万台超 |
| 平均販売価格 | 約26万人民元 | 約540万円(高級車セグメントでの成功) |
We delivered steady results in Q3, with adjusted net profit reaching a new high. Thank you to all our global XiaomiFans for your continued support. pic.twitter.com/BadRGrVdIk
— Xu Fei (@XuFei_Xiaomi) November 19, 2025
注目車種:テスラModel Yの刺客「YU7」の躍進
現在、シャオミの成長を牽引しているのは2025年6月に登場したSUVモデル「YU7(小米御7)」。
まだ発売から日が浅いため生産・販売ともに(セダンボディの)SU7には(トータルでの販売台数が)追いついていない状況ではありますが、中国ではセダンとSUVとの販売比率が1:3だとも言われるので、製造が本格化すればSU7をはるかに超えるデリバリーを期待できるものと思われます。
- Model Y超え: 2025年10月には中国国内の小売販売台数でテスラ・モデルYを上回る快挙を達成
- 圧倒的コスパ: 0-100km/h加速3.23秒、最大航続距離835km(CLTC)という高性能ながら、スマホメーカーらしい洗練されたUIとエコシステム連携が若年層に支持されている
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結論:シャオミが変える自動車業界の「常識」
BYDが物量で、テスラが自動運転で世界をリードする中、シャオミは「スマホと車の完全融合(Human × Car × Home)」という独自の勝ち筋を見出しているというのが現状で、テスラにとってはもちろん、中国の自動車メーカーにとっては「思わぬ伏兵」が登場したという感じなのかもしれません。
いうなれば、シャオミは「アップルとテスラを足した」くらいのインパクトがあり、もしかするとそれを大きく超える可能性も。
販売店への巨額ボーナスや、20ヶ月足らずでの50万台生産というスピード感は、従来の自動車メーカーのスピードを遥かに凌駕するもので、2026年にはフラッグシップSUV「YU9」や、SU7のロングホイールベース版「SU7 L」の投入も噂されており、シャオミの快進撃はまだ序章に過ぎないようです。
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【+α:知っておきたい関連知識】
「無条件」の補助金が意味するもの
通常、自動車メーカーがディーラーに支払う補助金には「販売目標の達成」などの厳しい条件がつきますが、しかし今回のシャオミの「無条件配布」は、現在の好調なキャッシュフローの裏返しであると同時に、販売店を「下請け」ではなく「エコシステムのパートナー」として扱う姿勢の表れでもあると捉えられています。
この信頼関係が、さらなる販売拠点の拡大とサービスの質向上につながる好循環を生むであろうとも見られているようですね。
そう考えるならば、シャオミの快進撃は日本や欧米の家電・ITメーカーが成し得なかった「EV参入の理想形」に見えるように思えます。
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参照:CarNewsChina















