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意外と人気があるのか・・・。中国製「ビートル」EV、ORA バレエキャットがさらに進化、ジェンダー特化型デザインを推し進める

長城汽車「ORA バレエキャット」のサイド

Image:ORA

| なおこのデザインは裁判の結果「合法」だと判断されている |

あの「ビートル」がEVで蘇った。中国オラが放つバレエキャット新型の進化

2019年に「ファイナル・エディション」をもって、フォルクスワーゲン(VW)のラインナップから惜しまれつつ姿を消した名車ビートル。あの愛らしいレトロなシルエットを「最新の電気自動車(EV)としてもう一度乗りたい」と願うファンも少なくないのでは、と思います。

しかし中国市場にはそんなファンの夢を(少し斜め上のアプローチで)現実のものとしたEVが存在、それが、長城汽車(GWM)のEV専門ブランド「オラ(Ora)」が製造する『バレエキャット(Ballet Cat)』。

クラシックなビートル(Type 1)を現代風の4ドアに解釈し直したかのようなそのデザインは2022年のデビュー当時、世界中で大きな話題(と少しの物議)を醸しており、そして2026年、この個性派レトロEVが中身を大幅にブラッシュアップし、さらに魅力的なスペックへと進化を遂げることが判明したと報じられています。

ちなみにこのデザインは誰がどう見ても「ビートルのコピー」なのですが、長城汽車はこのスタイリングを欧州連合知的財産庁(EU IPO)に正式に登録していて、それが長城汽車固有のものだと認められた以上、フォルクスワーゲンとしてはなんとも手が出せないというのが現状です。

長城汽車「ORA バレエキャット」のリア

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【この記事の要約(3つのポイント)】

  • 中国に現存する「電気のビートル」クローン:長城汽車傘下のEVブランド「オラ(Ora)」が展開する、クラシック・フォルムのEV「バレエキャット(Ballet Cat)」。フォルクスワーゲン・ビートルへのリスペクト(意匠流用)を感じさせる超個性派モデル。
  • 2026年モデルで「201馬力」へ大幅強化:中国工業情報化部(MIIT)のリーク情報により、これまでの169馬力から201馬力へとモーター出力を強化した新型の存在が判明。最高速度も時速180km(112mph)へと引き上げ。
  • 独創すぎる「女性フレンドリー」機能も健在:大型のメイク用バニティミラーや自撮り(セルフィー)カメラ、ボタン一つで車内を急速暖房する「ウォームマン・モード(暖男模式)」など、ユニークな専用装備を継続採用。

詳細:169馬力から201馬力へ。最新リチウムイオン電池と新型モーターの採用

今回の改良情報は、中国の車両認証機関である「工業情報化部(MIIT)」の公開データから明らかになったもので、これまでのバレエキャットは、最高出力169馬力(126kW)のモーターを搭載し、最高速度は時速154kmと、どちらかといえば街乗り重視のおっとりとした走行性能であったことが知られています。※本記事での画像はいずれも現行型

しかし2026年のアップデートモデルではパワートレインを全面刷新することが明らかになっていて、新しいエレクトリックモーターの採用により、最高出力は201馬力(150kW)へと大幅にパワーアップされることに。

これによって最高速度も時速180kmへと向上し、高速道路での合流や巡航時にも十分な余裕を持たせることに成功していますが、駆動用バッテリーには耐久性と安全性、そしてコストパフォーマンスに優れる「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリー」の新型パックが奢られる、とのこと。

一方、バレエキャットならではの「一度見たら忘れられない」超個性的な快適装備群はしっかりと受け継がれていて、移動中にメイク直しがしやすい「大型バニティミラー」や、撮影した写真をそのままSNSへ直接アップロードできる「車内セルフィーカメラ」、さらには冬場の冷えを嫌うユーザーのために用意された”スイッチ一つで一発起動するシートヒーター、ステアリングヒーター、エアコン”を連動させて車内を急速に温める「ウォームマン・モード(暖男模式)」など、ターゲット層のライフスタイルに徹底的に寄り添ったユニークなギミックが満載です。

長城汽車「ORA バレエキャット」のインテリア

Image:ORA

車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴

オラ・バレエキャットの主要スペック、および今回のアップデートによる変更点は以下の通りで・・・。

【スペック表】オラ・バレエキャット(Ora Ballet Cat)新型

項目新型(2026年アップデート版)従来型(2022年〜モデル)
車両タイプ5ドア・ハッチバック型 純電気自動車(BEV)同左
最高出力201 hp(150 kW)169 hp(126 kW)
最高速度時速 180 km(112 mph)時速 154 km(96 mph)
バッテリー種類新型 リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーリン酸鉄リチウム(LFP)/ 三元系リチウム
主な特徴的装備・SNS連動型セルフィーカメラ
・LED照明付き大型バニティミラー
・急速暖房「ウォームマン・モード」
同左
現地価格(目安)約193,000元〜(日本円換算:約440万円〜)同左

知っておきたい新しい知識:中国EV市場における「ジェンダー特化型デザイン」という新潮流

このバレエキャットを語る上で外せないのが、中国自動車業界で一時期トレンドとなった「女性ユーザー(女性オーナー)への徹底的な特化」というマーケティング戦略です。

従来の自動車開発は、どうしても男性目線のスペックや先進感が重視されがちで、しかしオラはこのバレエキャットを開発する際、「女性のカーライフに100%フォーカスする」という大胆なコンセプトを掲げていて、例えば、ステアリングホイールは女性の手の大きさに合わせて一般的な車よりもわずかに細く、小径に設計されることに。※当時、「女神仕様」と表現された

さらに、カメラが運転中の表情を検知して疲労度を測るだけでなく、美肌効果のあるフィルター付きで自撮りができるなど、ガジェットとしての楽しさを追求しているのがこのクルマというわけですね。

長城汽車「ORA バレエキャット(ゴールド)」のサイド

Image:ORA

加えて「生理中の体調に配慮する」モードも用意され、こういった「ある種の生々しさ」すらも全面に押し出したこともよく知られており、さらに今回は「ウォームマン・モード(暖男模式)」という男性に向けた仕様が追加されることも明らかになっていて、日米欧では好まれない、あるいは許されないであろう「ジェンダー」を思いっきり表に出した設計とプロモーションによって成功しているのがこのORA バレエキャット(まだ現地では実車を見たことはない)。

なお、中国では比較的「男女」の境界線が明確で、「男性ならでは」「女性ならでは」という身体的相違が認識されている傾向があるように感じていて、たとえば女性が男性っぽい服装をしたり、その逆というのは一般的ではなく、女性は女性らしく、男性は男性らしくあるというのが中国全体を通じた社会通念であるようにも。

なぜこういった風潮があるのかはナゾではありますが、中国では「共働き」が一般的で(社会主義の延長なのかもしれな)、そのため男女によって仕事が分かれているという雰囲気もあり、たとえば肉体労働は「よりそれに優れる男性が行い」、頭脳労働は女性が行うなど、同じフィールドで競うのではなく、それぞれがよりアドバンテージを発揮できる領域にて業務を行うことで「全体の生産性を向上させる」という考え方があるのかもしれません(やはり共産主義的)。

よって「男女」の区別が明確(公的には同性愛は許されない)といえど、男尊女卑というわけではなく、たとえば男性は女性が重いものを持っているとすぐにそれを助けたり、女性も「いま生理中」であることをサラっと公表し、それに周囲の男性も気を使うといった感じで「いい意味で」異性への理解が進んでいると感じることも。※その意味では、中国の女性のほうが、日本の女性よりも自由であり、女性であることを謳歌しているようにも思える

中国 北京の天安門タワー、そして天安門広場へ。何度もネットでは見ているが、実物は迫力がぜんぜん違った件
Life in the FAST LANE.

ちょっと話がそれましたが、こういった土壌が「男性向け」「女性向け」といった商品企画とマーケティングを可能にしているのだとも思われ、そして「誰に向けた車なのか」を極端なまでに明確にする手法は、競争が激化する中国のEV市場において、ニッチながらも確実に特定のファン層(年間数千台規模の安定したコアな顧客)を掴むための重要な生存戦略となっているのだと思われます。

結論:米国や日本への導入は?本家VWによる「ビートルEV」復活への期待

そんなワケで大幅なパワーアップを果たしたオラ・バレエキャットですが(女性もパワーを求める時代)、残念ながらこの小粋なレトロEVがアメリカや日本などのを含めたグローバル展開を本格化する可能性は極めて低いとみられていて、それは各国の厳しい安全基準や、意匠権(デザインの類似性)に関するハードルが少なからず影響しているためです。

しかしこのクルマの存在は「クラシックなデザインと最新のEVプラットフォームは相性が抜群に良い」という事実を、世界中の自動車ファンに改めて強く印象付けることとなり、実際のところVW自身もかつての名作ワーゲンバスをEVとして蘇らせた「ID. Buzz」をヒットさせていて、バレエキャットの進化とスマッシュヒットを見るにつけ、「本家フォルクスワーゲンからも、MEB(EV専用プラットフォーム)を使った本物の「ビートルEV」を登場させてほしい」という想いが高まる今日このごろです。

長城汽車「ORA バレエキャット」とキャンプ場

Image:ORA

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参照:Ora, CarNewsChina

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