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フェラーリのV12を積む10台限定の超絶ハイパーカー「アポロ エボ」。納車第一号「カリビアン・ドラゴン」が公開、この世のものとは思えないオーラを放つ

アポロ エボ「カリビアン・ドラゴン」のエクステリア(ホワイト)

Image:Apollo Automobili

| 3年の沈黙を破り、ついに至高の1号車がオーナーの元へ |

どう見ても地球人が乗るクルマに見えない

数億円規模のハイパーカーの世界では壮大なデザインや野心的な性能目標、そしてメーカーの小規模な生産体制ゆえ、発表から実際の納車まで何年も待たされることが珍しくはなく、2021年後半に衝撃的なデビューを飾った「アポロ エボ(Apollo Evo)」もまさにその一つの例。

しかし今回、ついにその沈黙が破られることになり、英国「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において記念すべき顧客向け量産1号車「カリビアン ドラゴン」が世界初公開されることとなり、過激なスタイリングの内側にフェラーリ製V12の魂を宿した、この特別なハイパーカーを見てみましょう。

この記事の要約(クイックチェック)

  • 待望のファーストデリバリー:2021年の発表から約3年を経て、顧客向け1号車がグッドウッドでお披露目。
  • 世界限定わずか10台:伝説の「グンペルト・アポロ」誕生から20周年を祝う、極めて希少なコレクターズアイテム。
  • 息をのむ「カリビアン・ドラゴン」仕様:カリブ海をイメージし、塗装だけで1,000時間以上を費やしたパールホワイトとブルーカーボンの芸術的ボディ。
  • 心臓部はフェラーリ製V12:名門HWA AGが徹底チューンを施した6.3L V12自然吸気エンジン(800馬力)を搭載。

伝説の誕生から20年、アポロIEを超えるクレイジーな造形美

新興ハイパーカーブランド「アポロ・フューチャー・モビリティ(旧グンペルト)」が、かつて世界を震撼させたモンスターマシン「グンペルト・アポロ」の誕生から20年という節目に放ったのがこの「アポロ エボ」。

前作である「アポロ IE(インテンサ・エモツィオーネ)」も強烈なディテールによって世界を驚かせたものの、今回の「エボ」はそれをさらに凌駕するエクストリームな(という言葉でも不十分なほどの)なスタイリングを身にまとっており、一度見たら夢に出てきそうなほどエッジの効いたリアのLEDライトデザイン、そして有機的なボディラインは、もはや公道を走る戦闘機ともいうべき存在感を放っています。

アポロ エボ「カリビアン・ドラゴン」のエクステリア〜リア

Image:Apollo Automobili

1,000時間を超える超難度の外装塗装と3Dプリントが躍る内装

今回の1号車は「カリビアン・ドラゴン(Caribbean Dragon)」と命名され、見る者を平伏させる威圧感を放ちつつ、どこか上品で爽やかなリゾートの風を感じさせる唯一無二のコーディネートが施されることに。

カリブ海の白い砂浜をイメージしたというボディカラーは直射日光の下で眩しく輝く「ダイヤモンドダスト・フィニッシュ」が施された特製のパールホワイトで、アポロ社によれば、この複雑な形状のボディを完璧に塗り上げるのは至難の業であり、塗装工程だけで1,000時間以上が費やされた、とのこと。

さらにはエンジンフードやフロントフェンダーアーチ、ルーフスクープ、そしてカーボンモノコックの骨格自体にいたるまでカリブ海を想起させる美しい「オーシャンブルー」に染色されたティンテッド・ブルーカーボンが贅沢にあしらわれ、このルックスにもかかわらず「どことなく爽やかな」雰囲気も。

インテリアも外装に負けず劣らず特別で、ダッシュボードの構造体や左右のシートを隔てるセンターの”背骨”部分には3Dプリンターで造形された無垢のアルミニウムパーツを採用したほか、ステアリングホイールも贅沢にアルミのインゴット(塊)から削り出され、最高級のホワイト&ブルーのレザーで仕立てられています。

アポロ エボ「カリビアン・ドラゴン」のインテリア

Image:Apollo Automobili

アポロ エボ「カリビアン・ドラゴン」主要スペック

項目仕様・パフォーマンスデータ
生産台数世界限定 10台(本車両はその第1号車)
エンジンフェラーリ製 6.3リッター V12 自然吸気(NA)エンジン
エンジンチューニングHWA AG(モータースポーツのスペシャリスト)
最高出力800 hp
最大トルク765 Nm
トランスミッション6速シーケンシャル・ギヤボックス
駆動方式後輪駆動(RWD)
0-100km/h加速2.7 秒
最高速度335 km/h (208 mph)

パガーニやブガッティと一線を画す「HWAチューン」の価値

数億円クラスのハイパーカー市場において、アポロ エボのライバルとなるのは「パガーニ・ウアイラ / ウトピア」や「ブガッティ・トゥールビヨン」といった至高のモデルたち。

これら超一流のライバルに対し、アポロが持つ最大のアドバンテージであり狂気とも言えるポイントは「メルセデスAMGのレース部門の血を引く名門、HWA AGが、あえてライバルであるフェラーリ製のV12エンジンをバラバラに解体し、自社ノウハウで極限までリワーク(再構築)している点」。※HWAはAMG創業者が運営するレーシングカーファクトリーである

多くの独立系ブランドがターボエンジンやハイブリッドシステムを採用する中、アポロはあえて「高回転型NA(自然吸気)のフェラーリV12」オンリーを選択し、そこにDTM(ドイツツーリングカー選手権)などで無数の勝利を挙げてきたHWAのレーシングテクノロジーを注入したというのがこのパワーユニットであり、パガーニのような過度なエレガンスとも、ブガッティのように圧倒的な超高速性能とも異なる、「本物のレーシングカーがそのまま公道に飛び出してきたような荒々しい咆哮とハンドリング」こそが、世界限定10台を瞬時に完売させるアポロ独自の強力な武器となっているというわけですね。

結論:内燃機関の終焉に放たれた、10人の選ばれし者のための咆哮

電動化へのシフトが急速に進むハイパーカーの世界において、このアポロ エボが奏でる自然吸気V12の悲鳴のような雄叫びは文字通り「絶滅に瀕した恐竜の最後の咆哮」ともいうべきもの。

わずか10台という生産枠は自動車の歴史における究極の希少性を意味しており、その最初の1歩である「カリビアン・ドラゴン」がグッドウッドで見せた姿は、富裕層の玩具という枠を超え、ガソリンエンジンが到達した一つの極点として、今後何年にもわたり語り継がれることになるのかもしれません。

知っておきたい車知識:アポロの心臓を創る「HWA AG」の正体とは?

「フェラーリのエンジンを別のメーカーがチューニングする」という事実には驚かされますが(それ以前に、フェラーリのV12をよく入手できたものだと思う)、ここで重要な役割を果たしているのがドイツの「HWA AG」。

HWAはメルセデスAMGの創設者の一人であるハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(Hans Werner Aufrecht)によって設立された、伝説的なモータースポーツおよびエンジニアリング集団で、長年メルセデスの公式レース活動を請け負い、あの伝説のロードカー「メルセデス・ベンツ CLK-GTR」の公道仕様モデルの開発・生産を手掛けたことでも知られています。

つまり、フェラーリが誇る至高のV12型マルチシリンダーに、メルセデスAMGのレース活動の頂点を極めたHWAの技術力が奇跡のコラボレーションを果たしているのがこのアポロ エボということになり、この背景を知ると、このクルマに付けられた数億円というプライスタグが、むしろバーゲンセールのように思えてくるから不思議でもありますね。

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参照:Apollo Automobili

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