>BMW(ビー・エム・ダブリュー)

リマックの技術によってBMW i7が覚醒、航続距離と充電速度を劇的に向上。「EVの聖地」中国にて詳細を発表予定、BMWの反撃が始まる

BMW 7シリーズのキドニーグリル

| かねてよりリマックとBMWとは提携関係にはあったが |

今回「ピンポイントで」リマックの技術がBMWへと注ぎ込まれることに

BMWのEVラインナップの頂点に君臨する「i7」がさらなる進化を遂げることになる、とBMWが公式にアナウンス。

今回BMWグループはクロアチアのハイパフォーマンスEVメーカー「リマック・テクノロジー」との提携を強化し、BMWが誇る第6世代(Gen6)の最新バッテリー技術をリマックの製造ノウハウで「最適化」して新型BMW i7に搭載することを発表しています。

「これまで以上に遠くへ、これまで以上に速く充電を」。

多くのEVオーナーが抱くこの願いに対し、BMWとリマックが導き出した答えは「テスラをも凌駕する可能性を秘めた4695円筒形セル」の採用で、4月22日の「Auto China 2026(北京モーターショー)」での世界初公開を前にしてスペックの一部が公開されており、ここでその内容を見てみましょう。

新型BMW 7シリーズのティーザー画像、フロントのLEDライティングによるキドニーグリル
新型BMW 7シリーズの新しい顔が「チラ見せ」。巨大キドニーグリルと「あの顔」を維持して2027年登場へ。ノイエクラッセ顔にはならないもよう

| 新型7シリーズは「守り」か「攻め」か? | BMWはモデルによってそのデザインを大きく分ける BMWのフラッグシップセダン、7シリーズが2027年モデルに向けて大幅なアップデート(LCI:ライフ・ ...

続きを見る

【この記事の要約:3つのポイント】

  • 革新のGen6技術: BMW i7ではリマックによる「4695円筒形セル」を初採用。エネルギー密度が20%向上し、航続距離が大幅に拡大
  • リマックとの最強タッグ: ハイパーカー「ネヴェーラ」で培ったリマックの技術を、BMW i7のバッテリー製造に投入
  • 北京で世界初公開: 2026年4月22日、Auto Chinaにて新型i7として正式デビュー

なぜ「リマック」なのか?提携がもたらす化学反応

リマック・テクノロジーは、世界最速のEVハイパーカー「ネヴェーラ」を生み出したリマック・グループの傘下企業で、現在はブガッティ・リマックのCEOメイト・リマック氏が率いる精鋭集団(ただし直近ではメイト・リマック氏の退任が発表されている)。

リマック、次世代固体電池と新型eアクスルを発表。BMWやポルシェに供給の可能性も想定され「テック企業へと」変貌中
リマック、次世代固体電池と新型eアクスルを発表。BMWやポルシェに供給の可能性も想定され「テック企業へと」変貌中

Image:Rimac | ハイパーカーメーカーから技術供給企業へ進化するリマック | もはや「ハイパーカーメーカー」として会社を存続させることは難しいであろう クロアチアのハイパーカーメーカーリマッ ...

続きを見る

BMWにとって、これまで「ニッチなハイパーカーメーカー」だったリマックを、量産車の”ティア1”サプライヤー(直接納入業者)として選んだことは大きな転換点です。

  • スピード開発: リマックの持つ高度なシミュレーション技術と柔軟な開発体制により、最新の円筒形セルのポテンシャルを「レコードタイム(最短期間)」で引き出すことに成功
  • 欧州の革新力: ドイツの質実剛健なエンジニアリングとクロアチアの独創的なIT・電動化技術が融合。中国勢に対抗する「欧州連合」の底力を見せつける形に
BMW 7シリーズのインテリア〜ダッシュボード

新型BMW i7に搭載される「Gen6バッテリー」の凄さ

今回の目玉は、これまでの角形(プリズマティック)セルから一新された「4695リチウムイオン円筒形セル」にあり・・・。

圧倒的なスペック進化

従来の第5世代(Gen5)と比較して、以下の点が飛躍的に向上しています。

  • エネルギー密度の向上: 体積あたりのエネルギー密度が20%アップ。より小さなスペースで、より多くの電気を蓄えることが可能に
  • 航続距離の拡大: 高密度化により、i7の航続距離は現行モデルを大きく上回る数値を実現
  • 充電速度の劇的な短縮: 800Vシステムへの対応と新型セルの特性によって充電容量が増加し、待ち時間が大幅に削減される
BMW 7シリーズのテールランプ

新型BMW i7(Gen6バッテリー搭載モデル)暫定スペック

項目詳細内容
バッテリータイプ第6世代 (Gen6) 4695円筒形リチウムイオン電池
エネルギー密度従来比 +20% (体積比)
充電システム次世代高電圧ストレージシステム(超急速充電対応)
生産拠点クロアチア・リマックキャンパス(製造)→ 独ディンゴルフィン工場(組立)
初公開日2026年4月22日(Auto China 2026)

ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)への布石

今回のi7への技術投入は”一車種のアップデート”にとどまるものではないと考えられ、BMWが2025年から順次導入する次世代EVプラットフォーム「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」の先行実装という意味合いが強いもの(すでにノイエクラッセには4695バッテリーを搭載することが明かされている)。

フラッグシップであるi7にまず最高の技術を搭載し、そこから全モデルポートフォリオへ展開していくBMWの「トップダウン戦略」が明確になったのが今回の発表ではありますが、現時点では「どこまで」この新型バッテリーの採用が拡大するのかはナゾのまま(おそらくコストは安くなく、ハイブリッドモデルやエントリーモデルには採用されないであろう)。

BMW i3のエクステリア〜キドニーグリル

Image:BMW

一方、今回の「i7強化」につき、メイト・リマックCEOは「BMWが誇る最高峰のエンジニアリングを、我々の新しいリマック・キャンパスで大規模生産できることを誇りに思う」と語っており、今後の両者の関係がさらに深まることを示唆しています。

結論

BMW i7とリマックの提携は高級EV市場のルールを書き換える可能性があり、というのもこれまで「ラグジュアリーではあるが、航続距離や充電速度では新興EVメーカーに譲る部分もある」と思われていた既存自動車ブランドが「リマックという強力な武器」を手に入れたから。

その意味において、4月22日の北京モーターショーで明かされる詳細な情報には注目が集まっており、伝統と革新が交差するこの一台は2026年の最注目モデルとなる可能性を秘めています(ただ、いかにEV性能に優れていたとしても、価格があまりに高価であれば意味はなく、むしろ中国勢の優位性を際立たせてしまうことになるが、「北京で発表」というところを見るに、BMWがは相当な自信があるのだろう)。

BMW 7シリーズのインテリア〜センターコンソール

豆知識:4695セルが「EVの理想」と言われる理由】

今回採用された「4695」という数字は、直径46mm、高さ95mmのセルを持つということを意味していて、テスラが採用した「4680」よりも背が高く、そのぶん容量を稼ぐことが可能です。

そしてこの円筒形セルは従来の角形に比べて放熱効率が良く、超急速充電時の熱管理がしやすいというメリットがあるといい、リマックが得意とする「高電圧制御」、そしてこの「冷却しやすいセル」との組み合わせは、まさに長距離移動をこなすプレミアムEVにとっての最適解というわけですね。

合わせて読みたい、関連投稿

メイト・リマックが「リマックテクノロジー」のCEO退任。表向きは「ハイパーカーの開発に専念」、しかしボクが考える「その裏にある真意」とは
メイト・リマックが「リマックテクノロジー」のCEO退任。表向きは「ハイパーカーの開発に専念」、しかしボクが考える「その裏にある真意」とは

Image:Rimac | リマックの資本関係はけっこう「ややこしい」 | この記事の要約(30秒でわかるポイント) トップ交代: 創設者メイト・リマックが「リマック・テクノロジー」のCEOを退任 新 ...

続きを見る

ブガッティ トゥールビヨン
ブガッティがいよいよ独立か?ベンチャーキャピタルによる1800億円超の巨大買収計画が浮上、メイト・リマックの「野望」とは

| ポルシェの持ち分「45%」をエジプトの符号が中心となって買い取る可能性が濃厚に | この記事のポイント ポルシェが持つブガッティ・リマックの45%株をベンチャーキャピタル連合が買収検討 買収額は1 ...

続きを見る

トヨタ
トヨタや日産、BMWが実用化を進めるソリッドステートバッテリー(全固体電池)とは何なのか?そのメリットや短所、実現可能性は?

| ソリッドステートバッテリーは実用化できない、もしくは実用化しても普及しない可能性が大きく、代替技術のほうが有用だと考えられる | 加えてこれまでの流れとは異なり、今後ガソリンエンジンが生き残る可能 ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->BMW(ビー・エム・ダブリュー)
-, , , , , , ,