
Image:Lamborghini
| 今やほとんどのランボルギーニが「オーナーの個性を反映した」仕様へとカスタムして工場から送り出される |
現代のスーパーカーにとって重要な意味を持つのが「パーソナリゼーション」
スーパーカーを所有する上で、究極のステータスとなるのが「世界にたった一台の自分仕様」に仕立て上げること。
今回、ランボルギーニ(Automobili Lamborghini)が「自社のカスタムオーダープログラムである「Ad Personam(アドペルソナム)」が、2026年5月に誕生20周年を迎えた」と発表していますが、現在、ファクトリーから出荷されるランボルギーニの実に96%(※2026年発表データ)が何らかのパーソナライズを施されており、通常のオプション選びを超えた「ブランドのDNA」へと昇華していることが示されています。
ここでは、20周年を記念して発表された特別な限定カラー「Azzurro 20 Anniversary Ad Personam(アッズーロ20アニバーサリー アドペルソナム)」の詳細、そしてアド・ペルソナムが自動車市場にもたらした価値、そして自分だけのランボルギーニを創り出す体験について触れてみましょう。

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今回の要点(この記事のまとめ)
- 20周年の節目: 2006年にスタートしたカスタムプログラム「アドペルソナム」が20周年を達成
- 驚異のパーソナライズ率: 現在出荷されるランボルギーニの96%に個別カスタムが施されている
- 20周年限定カラーの登場: 伝説の名車「ミウラ・ロードスター」にインスパイアされた、4層構造の特別なブルー「Azzurro 20 Anniversary Ad Personam」が期間限定で用意
- グローバル展開: 本国イタリアだけでなく、東京やニューヨークの「ランボルギーニ・ラウンジ」でもリモートや対面でのシミュレーションが可能に
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アド・ペルソナム20年の歴史と進化
アドペルソナムの歴史は、2006年のパリ・モーターショーで発表された限定車「ガヤルド(Gallardo)」から始まっており、当時のガヤルド ”アドペルソナム” には、マット(艶消し)コントラストの効いた「ネロ・ノクティス(ブラック)」のボディ、”カリスト”ホイール、そしてアイコニックな「Q-Citura(ダイヤモンドキルト)ステッチ」を施した2トーンのレザー&アルカンターラ内装が採用され、自動車業界に新しいパーソナライズの方向性を提示すこととなっています。

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独自の進化を遂げた3つのフェーズ
そしてアドペルソナムは、20年をかけて以下のように進化しており・・・。
- 選択肢の爆発的拡大: 当初は限定的だった選択肢が、現在では400色以上のボディカラー、数百種類のレザーや素材へと拡大
- 体験のグローバル化: 本国スタジオだけでなく、デジタルツールを駆使した「バーチャル・スタジオ」や世界主要都市への展開
- 究極の一品モノ「オペラ・ウニカ」: 職人技を極限まで高めた、世界に完全な1台しか存在しないアートカー(Opera Unica)プロジェクトへの昇華

アドペルソナムの概要
伝説の美を現代に:限定新色「Azzurro 20 Anniversary Ad Personam」
20周年を記念して開発された新色「Azzurro 20 Anniversary Ad Personam(アッズーロ20アニバーサリー アドペルソナム)」は、1968年に発表された伝説のコンセプトカー「ミウラ・ロードスター(Miura Roadster)」のボディカラー「Lamé Sky Blu(ラメ・スカイブルー)」を現代的に再解釈したもの。
なお、先日発表されたフェノーメノ・ロードスターのボディカラーも「ミウラ・ロードスターへのオマージュ」ではあるものの、こちらのカラー名は(既存カラーの)「ブルー・ケフェウス」だと説明されています。
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| 項目 | 特徴・詳細 |
| カラー名 | Azzurro 20 Anniversary Ad Personam(アズーロ20アニバーサリー アドペルソナム) |
| インスピレーション | 1968年製「ミウラ・ロードスター」のLamé Sky Blu |
| 塗装構造 | 視覚的な深みと輝きを最大化する4層コート(クアッド・レイヤー)システム |
| 特殊効果 | 高濃度に配合された微細なアルミニウム粒子とパール顔料による「スターダスト(星屑)効果」 |
| 光による変化 | 直射日光下: 眩いばかりの煌めきと立体的なリフレクション 日陰/柔らかな光: 光と影のスムーズな階調によるエレガントな佇まい |
| 提供期間 | 期間限定(リミテッド・ピリオド) |

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なぜランボルギーニのカスタムは「崩れない」のか?
アド・ペルソナムでは、顧客がどんなに奇抜なアイデアを持ち込んだとしても、ブランドのチーフ・マーケティング&セールス・オフィサーであるフェデリコ・フォスキーニ氏が「その独自性は決して偶然ではない」と語るように、ブランドの厳格なデザイン基準、品質、安全基準に基づいてプロのチームがマンツーマンで調律することに。
そのため、どんなカスタムを施しても「ランボルギーニとしての品位」が保たれるのが特徴ですが、フェラーリが「より厳しくブランドとしての価値を保つため」パーソナリゼーションを制限するのに対し、ランボルギーニは「ほぼ無制限」だといい、しかし上述の通り、「(これはさすがに、とランボルギーニが考えるものに対しては)さりげない調律」が入ることもあるようですね。※ブガッティも同様に、「顧客の意見を聞きつつも、”さりげなく”方向修正を行う」ことがあるようだ
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「メーカー純正カスタム」のポジショニング
超高級車・スーパーカー市場における「パーソナライズ」は、いまやメーカーの収益性とブランドロイヤルティを左右する主戦場。
というのも、スーパーカーメーカーやハイパーカーメーカーは「より多く販売すれば」ブランド価値が下がってしまい、かといって販売台数を増やさなければ利益も伸びないからで、この課題を解決するのが「1台あたりの利益を最大化する」メーカー純正カスタムというわけですね。

これによってメーカーは「台数を増やさず」利益を伸長させることができ、よって現在多くのスーパーカーメーカー、ハイパーカーメーカー、そして高級車メーカーがこぞってここに注力することとなっています(ただ、顧客がカスタムに大金を投じてもいいと思うだけの強力なブランドバリューが存在する事が前提である)。
- フェラーリの「テーラーメイド(Tailor Made)」
- ポルシェの「エクスクルーシブマニュファクチュール(Sonderwunsch)」
- マクラーレンの「MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)
- マセラティとアルファロメオの「ボッテガ・不オーリセリエ」
- ロールス・ロイスの「ビスポーク(Bespoke)」
これら名だたる競合の中でも、ランボルギーニの「アド・ペルソナム」は96%という極めて高い採用率を誇っており、これがランボルギーニの大きな収益源としても機能している、というのが今の状況です。
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フェラーリのパーソナライゼーションプログラム「アトリエ」「テーラーメイド」とは何なのか?いずれも顧客の個性や好みを反映させることが可能であるが「範囲が異なる」
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デジタルとリアルを融合した「フィジタル(Phygital)」体験
ランボルギーニが他社の一歩先を行くのが2023年にリニューアルされ、スタジオに導入された「フィジタル(物理+デジタル)」という手法であり、顧客は東京(六本木)やニューヨークにある「ランボルギーニ・ラウンジ」からでも、本国の職人と高精細なデジタルコンフィギュレーターを通じてリアルタイムで対話が可能となっています。※フェラーリでも対応可能
目の前にある実際のレザーシートやカーボンサンプルの質感に触れながら、画面上の3Dモデルを仕上げていくという、五感を刺激する購入体験を提供しているというわけですね。

結び
ランボルギーニのアド・ペルソナムが提供しているのは、単に「クルマの色やステッチを選ぶオプション」ではなく、それは「オーナーの個性や人生観をサンターガタ・ボロネーゼの職人技と最新テクノロジーを用い、1台の動く芸術品」へと翻訳するプロセスそのもの。
20周年を迎えたアド・ペルソナム。今回発表された「Azzurro 20 Anniversary」のような歴史へのリスペクトと未来へのイノベーションを融合させる姿勢こそが、ランボルギーニが世界中のコレクターを魅了し続け、リセールバリュー(資産価値)をも高め続ける最大の理由と言えそうです。
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