
Image:Ferrari
| 現時点では厳しい意見が多数を占めるものの、ある意味で「これまでにフェラーリと接点がなかった人々へとニュースが届くことに |
そしてこれは「フェラーリの狙い通り」なのかもしれない
フェラーリが次の時代を見据えて放ったブランド初のフル電動ラグジュアリーGT「ルーチェ(Luce:イタリア語で“光”の意)」。
そのベールが取り除かれるや否や、インターネット上はこれまでにないほどの批判と困惑の声で溢れかえっていて、伝統的な官能のV12・V8サウンドを排したことから「まるで車輪のついたiPhoneだ」「イタリアン・エレガンスが失われた」と叩かれている状況です。
しかしながら、この状況は「フェラーリの思惑通り」なのかもしれず、というのもルーチェはフェラーリに「新しい顧客を呼び込む」という役割を課しており、未来のフェラーリを担う若いカスタマーベースを構築しようとしているから。

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そして「今までフェラーリとは接点がなかった」若い人々が「フェラーリの新型EVが叩かれている」というニュースを見て、しかしそのうちのいくばくかは「いやそれほど悪くないだろ」「フェラーリもこんなクルマを作ってるのか」「てっきりフェラーリはうるさくて乗りにくいクルマばかりを作っているのかと思ったが」という感じでフェラーリに興味を持ったり、フェラーリに対する認識を新たにするかもしれません。
つまるところ、批判が渦巻けば渦巻くほど、フェラーリとしては「してやったり」なのかもしれず(株価はやや回復している)、そして「これまでのフェラーリとは異なる」ということを示すためなのか今までとは異なるプロモーションを行っています。
この記事の要約
- ローマ教皇へ初の御披露目: フェラーリのジョン・エルカーン会長とベネデット・ヴィーニャCEO率いる代表団が、カステル・ガドルフォの公邸にてローマ教皇レオ14世に謁見
- 初のEV「ルーチェ」を提示: ブランド史上初となる100%電気自動車(EV)であり、初の5人乗りモデルでもある新型「ルーチェ(Luce)」の実車が教皇に披露される
- ステアリングを寄贈: 会談の記念および敬意の証として、エルカーン会長から教皇へルーチェの「ステアリングホイール(ハンドル)」が寄贈される
- イタリア大統領へ公式発表: フェラーリの首脳陣がクィリナーレ宮殿を訪れ、セルジオ・マッタレッラ大統領に新型EV「ルーチェ(Luce)」を直接披露
- 首脳陣が勢揃い: ジョン・エルカーン会長、ベネデット・ヴィーニャCEOに加え、創業者エンツォの血を引くピエロ・フェラーリ副会長も同席する異例の体制
- 国家的な意味合い: 伝統のガソリンエンジンから100%電気自動車(BEV)へと舵を切るフェラーリにとって、この謁見は「イタリアのものづくり精神」を未来へ継承する象徴的なマイルストーンに
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マラネッロの代表団がカステル・ガドルフォを訪問
イタリアが誇る世界最高峰のスーパーカーブランド、フェラーリの歴史に新たな1ページが刻まれることとなり、2026年5月26日、フェラーリの首脳陣はローマ郊外にある教皇公邸を訪れて発表されたばかりの革新的なEV「ルーチェ(Luce)」をローマ教皇レオ14世に披露することに。
伝統のV12・V8エンジンから電動化へと舵を切るフェラーリにとって、この謁見はプロモーションの領域を超えた「人間的、かつ象徴的な価値」を持つ重要なイベントともいえるもの。
2026年5月26日午前、フェラーリのジョン・エルカーン会長とベネデット・ヴィーニャ最高経営責任者(CEO)をはじめとする同社の役員およびエンジニア陣で構成された代表団がカステル・ガドルフォにある教皇公邸にてローマ教皇レオ14世との謁見を賜ったとフェラーリ公式コンテンツによって紹介されており、この謁見の中で、同社初のフル電動5人乗りモデル「ルーチェ」が教皇にお披露目され、エルカーン会長から教皇への特別なオマージュ(敬意のしるし)として、ルーチェのステアリングホイールが直接手渡されたのだそう。
エルカーン会長は、この歴史的な瞬間について以下のように感動を述べています。
「フェラーリの同僚たちと共に、ローマ教皇聖下に拝謁できたことは、大きな感動であり、計り知れない光栄です。今回の出会いは、並外れた人間的・象徴的価値を持つ瞬間であり、我が社のすべての人々が、情熱、責任、そして未来への信頼を持って自らの旅を続けるためのインスピレーションとなりました。この出来事は、私たちの記憶、そしてフェラーリの歴史に永遠に残り続けるでしょう」
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なぜ教皇に「ステアリング」を贈ったのか?
フェラーリがローマ教皇にそのクルマの部品やミニカー、あるいは実車そのものを寄贈するという文化そのものは過去にも存在しており、もっとも有名なエピソードは2005年、当時の教皇ヨハネ・パウロ2世のために限定生産された「エンツォ・フェラーリ」の最終生産車(400台目)を当時のルカ・ディ・モンテゼーモロ会長が寄贈した件で、この車両は後にチャリティオークションに出品され、落札金はアジア全域を襲った津波の被災者への義援金として全額が寄付されています。※このほかにも、歴代ローマ教皇とフェラーリとに関するエピソードはいくつか存在する
今回、実車そのものではなく「ステアリングホイール」を贈った背景には、ルーチェが持つ「これからの未来へ向けた舵取り(ステアリング)」という象徴的な意味合いが込められていると考えてよく、最先端のテクノロジーと職人技が融合したルーチェのステアリングホイールは、まさに伝統と革新の架け橋となるガジェットというわけですね。

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ガソリンエンジンの咆哮をアイデンティティとしてきたフェラーリが、完全な電気自動車である「ルーチェ」を携えてローマ教皇に謁見したというニュースは、自動車産業全体が本格的な「電動化・サステナブルの時代」へと突入したことを象徴するもので、しかし古くからの熱狂的なファン(ティフォシ)の間では、EV化や5人乗りというパッケージングに対して困惑の声があるのもまた事実。
しかし、エルカーン会長が語った「未来への信頼」という言葉の通り、フェラーリは自らの伝統を守るためにこそ、最も過激で最も美しい方法でイノベーションを起こし続けており、それを視覚化したものがこのルーチェ。
今回はこの「未来を切り開く、静かなる馬」が教皇の祝福を受けたということになり、ルーチェが切り開く「輝かしい未来」に期待したいと思います。
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ルーチェはイタリア大統領に対しても独占公開。フェラーリ会長らがクィリナーレ宮殿で「跳ね馬の未来」を語る
そしてローマ教皇へと謁見する「前日」、フェラーリはイタリア国家の最高権力者の前にお目見えしており、2026年5月25日、イタリア・ローマにある大統領官邸「クィリナーレ宮殿」にて、フェラーリの代表団がセルジオ・マッタレッラ大統領と面会し、発表されたばかりの新型EV「ルーチェ」を披露することに。
今回の訪問には、ジョン・エルカーン会長とベネデット・ヴィーニャCEOだけでなく、創業者エンツォ・フェラーリの唯一の存命する息子であるピエロ・フェラーリ副会長も同行し、さらにはこの革新的なマシンの開発を支えたトップエグゼクティブやエンジニア陣も席を並べ、フェラーリがいかにこのモデルに社運を賭けているかを証明する布陣となった、とアナウンスされています。
エルカーン会長は、マッタレッラ大統領への謁見を終えた後、以下のように公式コメントを残していますが、ちょっと面白いのは外部ニュース配信元では「イタリアの副首相がルーチェを猛批判した」と報じられたことで、副首相は生粋の「ガソリン派」なのかもしれませんね。
「クィリナーレ宮殿にてマッタレッラ大統領の賓客となり、フェラーリ・ルーチェをお披露目できたことを大変光栄に思います。この新モデルは、フェラーリを世界中で一瞬にして認知させる価値観を、そのまま未来へと運ぶものです。それは、日々のブランドの歴史を形作っているすべてのフェラーリ従業員の情熱、専門知識、そしてコミットメントの結晶にほかなりません。フェラーリの全員を代表して、大統領の温かい歓迎と、私たちの国を一つにする価値観への揺るぎないご支援に心から感謝いたします」
Elettrica, costosissima (550 mila euro!) e, dal punto di vista estetico, si commenta da sola... Sembra tutto fuorché un'auto del Cavallino. E questa sarebbe “innovazione”? Chissà Enzo Ferrari cosa direbbe... pic.twitter.com/zITSlz1a9j
— Matteo Salvini (@matteosalvinimi) May 26, 2026
そしてここで注目すべきは、ジョン・エルカーン会長がルーチェをして「フェラーリを世界中で一瞬にして認知させる価値観を、そのまま未来へと運ぶもの」と表現していることで、つまりルーチェに関する議論は「あらかじめ計画されたもの」だとも捉えることが可能です。※炎上マーケティングは「最終的に」認知度向上につながることが多い
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参照:APF, Ferrari, etc.











