
Image:Ferrari
| 「フェラーリ限定AIノートPC」は単なるロゴ替え製品か、それとも芸術か |
PCはEV同様に「性能がすぐに上書きされるため」判断が難しい
フェラーリが初のラグジュアリーEV「ルーチェ(Luce)」を発表し自動車業界を大きく揺るがしたことは記憶に新しく、そしてその大胆すぎるEVへの賛否両論が渦巻く中、今度はガジェット界からフェラーリファンの目を釘付けにする美しいプロダクトが誕生することに。
テック大手のHP、そしてフェラーリがタッグを組み、2年の歳月をかけて生み出したというプレミアムノートPC「HP Limited Edition Scuderia Ferrari AI PC」がその製品で、そのアピアランスはまさに「フェラーリそのもの」。
世界限定4,999台、価格は驚きの5,599ドル(日本円で約90万円)に設定されていて、これまでによくあった「既存のパソコンに自動車ブランドのロゴを貼り付けただけ」の安易なコラボ商品とは一線を画す圧倒的なこだわりが詰め込まれており、ここでその内容を見てみましょう。
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この記事の要約
- 驚愕のプライス:HPとフェラーリが約2年をかけて共同開発した限定AIノートPCの価格は、なんと5,599ドル(約90万円)※日本国内の正式価格は未発表
- 世界限定4,999台:シリアルナンバー付きの超希少コレクターズアイテム
- こだわり抜いたデザイン:フェラーリ純正ペイント「ロッソ・マグマ」やカーボンファイバー、インテリアと同等の高級レザーを採用
- 中身は「純・HP」:デザインにはフェラーリの魂が宿るものの、単純なスペック比較だと同等構成のマックブック(MacBook Pro)より約40万円ほど割高な計算に

Image:Ferrari
もはやスーパーカーの造形。随所に宿るフェラーリのDNA
このノートPCが放つオーラは一目で特別なものだと分かるもので、というのもチーフ・デザイン・オフィサー(最高デザイン責任者)を務めるフラビオ・マンゾーニ氏率いるフェラーリのデザイン部門、チェントロ・スティーレの息吹がその外観の細部にまで注ぎ込まれているから。
なお、これまで自動車業界と異業種とのコラボ製品といえば「既存製品のカラーを変えてロゴを載せただけ」というものが少なくはなく、しかしフェラーリの場合(フラビオ・マンゾーニ氏が加入してから)は製品の構造そのものにまで手を入れるケースが主流となっており、「お金の払い甲斐がある」「コレクターも納得」の製品展開とかっています。
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1. 官能的な「ロッソ・マグマ」とプレミアム素材
筐体には、フェラーリのカラーパレットから選ばれた深みのあるメタリックレッド「ロッソ・マグマ(Rosso Magma)」を採用。素材には軽量かつ高剛性なカーボンファイバーとゴリラガラスが惜しみなく投入されています。
2. 「エンジンフード」を彷彿とさせる底面デザイン
最もフェラーリオーナーの心を揺さぶるのは底面(裏蓋)の仕掛けであると考えられ、この部分はシースルー仕様のガラス底面となっており、内部の冷却システムやヒートパイプが露出することに。
これは、フェラーリのミッドシップスーパースポーツが採用する「ガラス製エンジンフード」へのオマージュで、露出したヒートパイプには、4,999台のシリアルナンバーが刻印されています。

Image:Ferrari
3. バーチャルハイパーカー「F76」から得たインスピレーション
ディスプレイのヒンジ(蝶番)部分には、同社のバーチャルハイパーカーである「フェラーリ F76」の同心円状ルーバー(空気孔)のデザインを踏襲でぃ、単なる装飾ではなく、ノートPCの熱を効率よく逃がすための空力(エアフロー)設計としても機能している、と説明されています。
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4. パームレストと消えるトラックパッド
キーボード手前のパームレストとタッチパッドもガラス製。フェラーリの運転思想「Eyes on the road, hands on the wheel(視線は道路に、手はステアリングに)」を再現するため、ディスプレイを開いている間はトラックパッドの境界線がほぼ消え、キーボード下の薄い発光ラインだけがガイドとして残るミニマルな設計が与えられることに。
さらに贅沢な付属品の存在もアナウンスされており、付属する専用レザースリーブはフェラーリの実車インテリアを手掛ける高級家具ブランド「ポルトローナ・フラウ(Poltrona Frau)」社製だといい、実車と同じ本物のイタリアンレザーが使用されているというわけですね。

フェラーリ × HPによるノートPCのスペック
一歩外観から踏み込み、パソコンとしての「エンジン(中身)」を見てみると、最新のAI処理に特化したハイエンドな構成となっていることがわかります。
「HP Limited Edition Scuderia Ferrari AI PC」スペック表
| 項目 | 主要スペック |
| CPU | Intel Core Ultra X7 358H (最新Panther Lake世代) |
| グラフィックス | Intel Arc B390 (内蔵iGPU) |
| メモリ (RAM) | 64 GB |
| ストレージ | 1 TB SSD (業界情報による) |
| AI処理性能 | 合計 180 TOPS (CPU + GPU + NPU合計) |
| ディスプレイ | 14インチ 3K タンデムOLED+ タッチ画面(120Hz) |
| 主要ポート | Thunderbolt 4 ×2、USB-C、USB-A、HDMI 2.1 |
| 限定台数 | 世界限定 4,999台(シリアルナンバー刻印) |
画面には圧倒的なコントラストと輝度を誇る「3K タンデムOLED+(有機EL)」を採用し、クリエイティブワークにも耐える最高峰の視覚体験を提供している、とのこと。
跳ね馬仕様の代償は「40万円」?
ここで冷静に「コストパフォーマンス」という現実的な視点を入れてみると、最新の14インチ「MacBook Pro」を同等のモンスター構成(M5 Proチップ、メモリ64GB、ストレージ1TB)にカスタマイズしたとなれば、その場合の価格はおよそ49万円。
一方、このスクーデリア・フェラーリHP限定モデルの価格は約89万円なので、つまるところ、差額の約40万円が、「跳ね馬のバッジ」「ロッソ・マグマの塗装」「カーボン&ガラス筐体」「ポルトローナ・フラウ製スリーブ」、そして「世界4,999台の希少性」に対して支払われるプレミアム(ブランド代)ということに。
Image:Life in the FAST LANE.
また、グラフィックボード(GPU)が独立したNVIDIA製(RTXシリーズなど)ではなく、CPU内蔵の「Intel Arc」である点も純粋なゲーミングPCや重ヘビーな3Dグラフィック用途として考えると「やや物足りない」かもしれず、しかし一般的な用途であればまず問題はないレベルであると思われます。
自動車×ガジェットの歴史と新しい知識:なぜフェラーリは「PC」にこだわるのか?
自動車ブランドがノートPCとコラボレーションする歴史は意外と古く、過去にはエイサー(Acer)が「Ferrariモデル」を、アスース(ASUS)が「Lamborghiniモデル」を展開し、カーボン調の天板やエンジン始動音を採用したギミックによってファンを沸かせたことも。
しかし、今回のHPとのコラボが過去のそれと決定的に異なるのは、両者の関係値の深さであり、HPは2024年からフェラーリのF1チームのタイトルパートナーを務めていて、現在のチーム名は「スクデリア・フェラーリHP」。
つまり、単に名前を貸しただけのライセンス商品ではなく、F1の最前線で技術を共有するリアルなパートナーシップから生まれた「直系プロダクト」ということに。
フェラーリは近年、高級ファッションブランド「アルマーニ」出身のデザイナーを起用してバッグやアパレルを強化するなど、ライフスタイル全般におけるハイエンドブランドとしての地位を盤石にしようとしており、ライセンスに加え「直系」製品の展開も増加中。
よって今回の5,599ドルのノートPCも「パソコンを買う」というよりは、「フェラーリの限定コレクションを所有する」という体験そのものに価値が置かれているのかもしれません。

結論(まとめ)
HPとフェラーリが仕掛けたこの5,599ドルのAIノートPCは”スペック勝負のガジェット”にとどまらず、実車の塗装、実車のレザー、そしてバーチャルハイパーカーの空力思想を14インチの筐体に凝縮した「持ち運べるアートピース(芸術品)」ともいえるもの。
純粋な処理能力に対するコスパを求めるならばマックブックや通常のハイエンドWindows機を買う方が賢明で(それをいうなら、加速だけをクルマに求めるのだればシャオミのEVを買ったほうがいい)、しかし、ガレージに眠る愛車と同じ「ロッソ・マグマ」の輝きをデスクの上でも眺めたい、世界に4,999人しかいないオーナーの1人になりたいという情熱的なギーク、そしてフェラーリのコレクターにとって、この約40万円のプレミアムは決して高いものではないはずです。
米国をはじめ、日本、イギリス、イタリア、ドイツなどで2026年6月12日からHP公式サイトにて販売が開始されるとい、瞬く間に完売することが予想されるため、手に入れたい方はスタートダッシュの準備が必要なのかもしれませんね。
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参照:HP












